夏休みの自由研究に。親子で1日で完成する「SDGsゴミ・マップ」の作り方

ごみマップ作り

夏休みが始まると、毎年のように頭を悩ませるのが自由研究の宿題です。「何をテーマにしよう」「できれば短い時間で終わらせたい」と考えているうちに、気付けば8月後半になってしまった、というご家庭も少なくありません。

そんなときに試してほしいのが、身近な街を親子で歩いてみることです。通学路や公園、駅前、近所の商店街など、ふだんは何気なく通り過ぎている道でも、少し視点を変えると新しい発見があります。飲み終わったペットボトルやお菓子の袋、たばこの吸いがらなど、思っていた以上にごみが落ちている場所に気付くかもしれません。

「どうして、ここに多いのだろう」。素朴な疑問から始まる自由研究が、街を歩いてごみの種類と場所を記録し、地図にまとめる「SDGsゴミ・マップ」づくりです。特別な道具や下調べがなくても始められて、早ければ1日で形になります。ふだんの散歩が、学びの時間に変わります。

毎日歩く道にも、自由研究のテーマがあります

自由研究というと、実験や工作を思い浮かべる方も多いかもしれません。けれど、身近な街をじっくり観察することも、立派な研究になります。公園には飲み物の容器が多い、駅前にはたばこの吸いがらが目立つ、住宅街にはあまり落ちていないなど、歩いてみると、場所によって顔つきがちがうことが見えてきます。

「どんなごみが多かったか」を数えるだけでなく、「なぜここに落ちているのだろう」と考える時間こそ、自由研究のおもしろさにつながります。調べた内容は、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標14「海の豊かさを守ろう」とも深く関わります。環境問題は遠い話に感じられがちですが、毎日歩く街を見わたすと、暮らしのすぐそばに考えるきっかけがあると気付けます。

30分の街歩きで完成する「SDGsゴミ・マップ」のつくり方

用意するのは、地図とメモ帳、筆記用具くらいです。やり方はシンプルで、おうちの周りを親子で30分ほど歩き、見つけたごみの種類と場所を書き留めていくだけです。ペットボトル、お菓子の袋、たばこの吸いがら、缶などを見つけたら、その都度メモを取り、地図に印をつけていきます。

ステップ1 歩くコースと時間を決める

まずは、無理なく歩ける範囲でコースを決めます。家から公園まで、通学路の一部など、15〜30分ほどで往復できる距離だと、暑い時期でも負担になりにくいでしょう。朝の涼しい時間帯を選ぶと、熱中症のリスクも下げられます。

ステップ2 ごみの種類と場所を記録する

歩きながら、見つけたごみを「プラスチック」「紙」「金属」「たばこ」などに分けてメモします。安全を第一に、拾うときは大人が手袋やトングを使い、割れ物や危ないものには手を触れないようにします。無理に拾わず、観察と記録だけでも十分な研究になります。地図に印をつけながら歩くと、あとでまとめる作業がぐっと楽になります。

親子で公園のごみを拾いながら調査する様子

見つけたごみの種類や場所を記録すると、「SDGsゴミ・マップ」の材料になります。

ステップ3 地図に色をつけて「見える化」する

家に帰ったら、記録をもとに手描きの地図へ色シールやペンで印をつけます。ごみが多かった場所は赤、少なかった場所は青、と色分けすると、街のどこにたまりやすいのかがひと目で伝わります。写真を撮っておくと、あとで新聞にはる資料としても使えます。

街のごみが立派な「学び」になる理由

街で見かけるポイ捨てのごみは、じつは海の環境と深くつながっています。環境省の資料では、世界の海洋プラスチックごみのおよそ8割が、街や陸から川を通じて流れ出たものだと説明されています。つまり、家の近くで拾う1本のペットボトルも、めぐりめぐって海のごみになりうるのです。

量の大きさも見のがせません。OECDの推計では、2019年に世界で生まれたプラスチックごみは3億5300万トンにのぼり、うち2200万トンほどが適切に処理されないまま環境へ流れ出たと見られています。数字だけでは実感しにくくても、足もとの1個のごみから話を始めると、お子さんにも身近な問題として感じてもらいやすくなります。

海岸に打ち上げられたペットボトルなどのプラスチックごみ

街のポイ捨てが、川を通じて海のごみにつながります

街で見つけたごみは、海の環境とも深くつながっています。かながわ海岸美化財団の調査では、海岸で回収される人工ごみに占めるプラスチックの割合が、25年ほど前の約41%から近年は約57%へと、およそ1.4倍に増えています。しかも半分以上がペットボトルだと報告されています。

新聞形式でまとめて、伝わる一枚に仕上げる

集めた記録は、1枚の新聞のようにまとめると、見ばえも良く、発表もしやすくなります。大きな見出しをつけ、地図、気付いたこと、考えた解決策の順に並べると、読み手にすっと伝わる紙面に仕上がります。歩いた場所を地図に書き込み、ごみの種類を集計し、「分かったこと」「考えたこと」を短い文章でそえるだけでも、研究の流れが伝わります。

見出しには「わが家の前の道は、たばこの吸いがらが多かった」のように、調べて分かった事実をことばにすると、目を引く一面になります。最後に、ポイ捨てを減らすために家庭でできる工夫や、調べて感じたことを書き加えると、研究全体が前向きにまとまります。答えを一つに決めず、親子で話し合った内容を書き残せるところも、取り組みやすいポイントです。

記録した内容は、地図や写真、気付いたことを書き込めるシートを使うと整理しやすくなります。ご家庭でオリジナルの様式を作っても良いですし、公開されているテンプレートを活用する方法もあります。

もっと学びを深めたいなら、体験イベントもチェック

「SDGsゴミ・マップ」を作ってみると、「資源は回収されたあと、どうなるのだろう」「地域ではどんな取り組みが行われているのだろう」と、新しい疑問が生まれることがあります。

Circular Yokohamaは、横浜を拠点に資源循環や持続可能なまちづくりに取り組み、地域の人や企業、行政をつなぐ活動を続けています。ワークショップや街歩きイベントなどを年間を通して開催しており、夏休み向けの企画だけでなく、親子で参加できる体験イベントが開かれることもあります。

イベントの開催時期や内容は随時更新されるため、お出かけや自由研究のテーマ探しとあわせて、最新情報を確認してみてはいかがでしょうか。

最新の開催情報は、Circular Yokohama イベント一覧から確認できます。

取り入れる前に知っておきたい、注意点と限界

手軽に始められるゴミ・マップづくりですが、安全と体調への配慮は欠かせません。夏の日中は気温が上がりやすいため、歩くのは朝や夕方の涼しい時間に限り、水分をこまめにとって、短い時間で切りあげるようにします。年齢の低いお子さんの場合は、歩く距離をさらに短くすると負担になりません。

拾うごみにも注意がいります。割れたびんや刃物、注射針のような危険なものには手を触れず、大人が判断して避けます。ごみを拾うのは公共の道や公園にとどめ、他人の敷地や私有地には立ち入らないようにしましょう。作業のあとは、手をていねいに洗うことも忘れないでください。

一度のマップづくりだけで街のごみがなくなるわけではありません。自由研究は、問題に気付き、身近な暮らしを見つめ直すきっかけとして取り組むことが大切です。

おわりに

自由研究は、完成した作品だけでなく、親子で歩きながら「どうしてだろう」と話し合う時間にも価値があります。

いつも通る道でも、少し視点を変えて歩いてみると、新しい発見があるかもしれません。夏休みの一日を使って「SDGsゴミ・マップ」を作れば、自由研究だけでなく、身近な環境について考えるきっかけにもつながります。

まずは近所をゆっくり歩くところから始めてみてはいかがでしょうか。

【参照ページ】環境省「海洋プラスチックごみに関する各種調査ガイドライン等について」
【参照ページ】環境省 ecojin「海がプラスチックで溢れる!?」
【参照ページ】かながわ海岸美化財団「海ゴミ(海岸ごみ)の内訳」

【関連ページ】夏休みのお昼ごはん問題に。負担を減らす食材宅配・ミールキット活用術
【関連ページ】8月8日はリユースの日。ブックオフが帰省中の実家片付けを後押し

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Life Hugger 編集部

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