【京都府 亀岡市】かめおかプラスチックごみゼロ宣言

亀岡市

豊かな自然に恵まれた京都府亀岡市。京都随一の穀倉地帯であり、保津川下りで有名な同市は2018年に「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」を掲げました。大量のプラスチックが使い捨てされている現在の状況を改めなければ、やがて私たちの暮らしや健康に大きな影響を及ぼすだろうという危機感からスタートし、官民一体となってさまざまな事業が行われています。そこで今回は亀岡市が宣言に至った背景や、具体的な取り組みについてみていきたいと思います。

2018年「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」!その背景は?

2018年12月13日、亀岡市と同市市議会は「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」を行いました。世界に誇れる環境先進都市の実現のため、2030年までに使い捨てプラスチックごみゼロのまちを目指しています。

宣言の背景には、同市の観光資源のひとつである保津川のごみ問題がありました。2004年、保津川下りの船頭さんたちが川に漂着するごみを集める清掃活動を開始したことが発端です。その後流域の環境保全に努めるNPO法人「プロジェクト保津川」が設立されるなど、ごみ問題に対する意識が徐々に広がっていきました。また、このままでは川の生態系に影響を与え、国の天然記念物「アユモドキ」の生息を脅かしてしまうかもしれないとの懸念もあり、市民とともに一体となって取り組むために同宣言が掲げられたというわけです。

全国初!事業者のプラスチック製レジ袋提供を禁止する条例を施行

亀岡市は宣言の中で「エコバッグ持参率100%」を目指しています。それにともない、2020年の3月議会において「亀岡市プラスチック製レジ袋の提供禁止に関する条例案」が成立。2021年1月1日から市内すべての小売店やコンビニエンスストアなどにおいて、プラスチック製レジ袋の提供が有償・無償問わずに禁止となりました。紙袋や生分解性のプラスチックレジ袋も無償配布は禁止となり、必要な場合は購入する必要があります。さらに同年6月以降は違反した事業者には立ち入り調査や是正勧告、事業者名の公表などの罰則も設けられています。

国によるレジ袋有料化政策よりもさらに踏み込んだ内容となっており、もちろん全国でも初めての取り組みです。条例の制定までには市議会で議論を重ねたほか、約50回の説明会も開催し、さまざまな意見が出たといいます。一方で市民や事業者からも保津川を守り、プラスチックごみの削減のためには必要な条例だとの意見もありました。まさに自治体と市民が一体となった取り組みだといえるのではないでしょうか。

条例施行後、「マイバッグ持参率98%」、「歩道にレジ袋が落ちていない」

少々シビアにも感じられるプラスチック製レジ袋の提供禁止の取り組みですが、条例施行後、街にはポジティブな変化があらわれています。市がスーパーや商業施設を対象に行った調査では2021年2月にはマイバッグ持参率が98%にまで到達し、2019年4月の調査結果の53.8%を大きく上回りました。また、例年市内の清掃活動を行っている市内の警備会社の営業所によると、2021年5月の清掃活動の際には例年多くみられるプラスチック製レジ袋は確認されなかったんだそう。

条例施行直後は事業者や市民から批判の声も多かったものの、少しずつ環境保全に対する意識は市全体で高まりを見せ、目標であるプラスチックごみゼロへ歩みを進めているようです。

【出典】
産経新聞「マイバッグ持参率98% レジ袋禁止3カ月の効果 京都・亀岡
京都新聞「レジ袋ごみ、確認されず 配布禁止の亀岡市、警備会社の市街地ごみ拾いで

レジ袋禁止だけではない、亀岡市の「プラごみゼロ」の取り組みとは?

亀岡市の取り組みはレジ袋の提供禁止だけではありません。ほかにもさまざまな試みが行われています。とくに興味深いプロジェクトを2つご紹介します。

「いつでも、どこでも『亀岡のおいしい水』プロジェクト」

レジ袋の次はペットボトルごみの削減に努めようと、市内に給水スポットを設け、マイボトルの持参率を増やそうというプロジェクトです。まずはマイボトルに対応したウォーターサーバーが主要公共施設7ヵ所に設置されました。さらに市内の飲食店に給水スポットとして登録するよう呼びかけを行っています。

また、全国初の市民参加型チャレンジ、「BRITA Japan株式会社×mymizuチャレンジin亀岡」を2021年10月1日(金)から行います。マイボトルで給水するたびに無料給水アプリ「mymizu」に記録し、チーム対抗でどのぐらいペットボトルを削減できるか競い合う取り組みです。市民に「mymizu」を使って給水することを体験してもらうことによって、マイボトル持参が当たり前になることを目指しています。

「KAMEOKA FLY BAG Project」

ホズバッグ環境とアートをコラボさせ、エコバッグの使用を市民に呼びかけたプロジェクトです。亀岡市で開催された「かめおか霧の芸術祭」の一環として行われました「FLY BAG」とは役目を終えたパラグライダーの軽くて丈夫な生地を使って仕立てたエコバッグのこと。この「FLY BAG」を制作するプロセスを見てもらうだけでなく、エコバッグを作るワークショップイベントも行い、多くの人に自然や環境に関心を持つきっかけにしてほしいと考えて開催されました。芸術祭終了後は「HOZUBAG」として市内の工房で制作が続けられ、オンラインショップを通して国内だけでなく海外へも製品を展開しています。

この他にも、飲食店での使い捨てプラスチック製カトラリーの削減を目指すプロジェクト、ウォーキングしながらごみ拾いを行う「エコウォーカー」事業など、多彩な事業を展開しています。

使用済みステンレスボトル回収による再資源化

タイガー

プラスチックごみ削減以外にも、今まで捨てるしかなかった使用済みステンレスボトルを回収し、再資源化を行っています。タイガー魔法瓶株式会社と提携を結び、タイガー製品だけではなく、すべての使用済みステンレス製ボトルを対象に取り組んでいます。不要になった真空断熱ボトルを学校や企業にて回収し、リサイクル専門業者へ集め、再生ステンレス材および再生樹脂製品として再利用します。再生ステンレス材は新たな製品へと生まれ変わり再び販売され、再生樹脂製品はタイガーの各生産工場にて活用されます。

みつろうラップでプラスチックごみゼロに取り組む「aco wrap」

亀岡市には、プラスチックごみゼロに取り組む事業者も多くあります。「aco wrap」は、ミツバチの巣から採れるみつろうとオーガニックコットンで、土に還る天然素材のラップを制作しています。プラスチックフリー宣言を行った亀岡市に作り手が移住して産み出された「aco wrap」は、持続可能な社会の実現につながる優れた“ソーシャルプロダクツ”を評価する「ソーシャルプロダクツ・アワード」で、ソーシャルプロダクツ賞も受賞しています。洗って半年から1年ほど利用でき、みつろうの抗菌作用で食材を新鮮に保つことができます。

プラスチックごみを見に行くツアー「かめおか保津川エコna川下り」

不定期で行われている「かめおか保津川エコna川下り」は、保津川の環境やプラスチックごみの現状を視察する目的で企画されました。小学生以上であれば誰でも参加できます。観光やツアーと言えば、風光明媚な観光地を取り入れて、観光客の満足度を高めるのが一般的です。しかし、このツアーではあえて、保津川に落ちているビニール袋やペットボトル、使い捨てマスクなどを見てもらうことで、プラスチックごみについて一緒に考えることを目的としています。船頭さん達は、ペットボトルではなく水筒を持参し、ツアーの最中にもプラスチックごみをみつけたら拾うなど、保津川の環境維持に取り組まれています。

亀岡市の取り組みを参考に、何ができるか考えてみよう

亀岡市はこれらの先進的な取り組みが評価され、内閣府によって「SDGs未来都市」に選定されています。お住まいの自治体ではプラスチックごみや環境保全活動に対し、どのような事業を行っているのか調べてみると興味深いかもしれませんね。同市の取り組みを参考に、プラスチックごみ削減のために自分は何ができるのか改めて考える機会にしませんか?

【参照サイト】亀岡市/かめおかプラスチックごみゼロ宣言について
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