【大阪府】大阪府のプラごみゼロチャレンジ!「Osakaほかさんマップ」

大阪

海洋環境や海洋生物に大きな影響を与えることが明らかとなり、国際的にも大きな問題となっているプラスチックごみ。国連が掲げるSDGsでも「海の豊かさを守ろう」という目標が挙げられ、プラスチックごみが海に流出し続ける危険性について警鐘を鳴らしています。大阪湾も例外ではなく、多くのプラスチックごみが存在しており、大阪府や大阪市が対策を進めています。2019年には共同で「おおさかプラスチックごみゼロ宣言」を行いました。今回は大阪におけるプラスチックごみに対する取り組みについてチェックしていきましょう!

「おおさかプラスチックごみゼロ宣言」とは?

2019年1月28日、大阪府と大阪市が共同で「おおさかプラスチックごみゼロ宣言」を採択。使い捨てプラスチック削減やプラスチックの資源循環などをさらに促進し、SDGs先進都市を目指すことを決めました。宣言にともない、大阪市は「使い捨てプラスチックを25%リデュースする(2005年度比)」や、「容器包装プラスチックの60%、ペットボトルの100%を資源化する」などの策定目標を掲げています。

当時、G20大阪サミットの開催を控えていたことや、2025年の大阪関西万博の開催地であることから、世界のプラスチックごみ対策をリードしていくべきと、この宣言が行われました。その後、大阪府の多くの市町村や事業者、NPO等がこの宣言に賛同し、それぞれ「プラスチックごみゼロ宣言」を行っています。

大阪ブルー・オーシャン・ビジョン

2019年に開催されたG20大阪サミットで、日本は、2050年までに海洋プラスチックごみによる新たな汚染をゼロにすることを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を提案しました。2021年5月現在、87の国と地域が共有しています。大阪府は、このビジョンに基づき、プラスチックごみの資源循環を推進しています。

大阪湾の漂着ごみのうち8割がプラスチックごみ

大阪湾にも多くのプラスチックごみが存在します。湾内を漂流する人工物のごみのうち、プラスチックごみは約8割。食品包装材やレジ袋、ペットボトルなどが挙げられ、これらは直接海に捨てられたものばかりではなく、街や川の上流、山の中で捨てられて海にたどり着いたものも多く含まれています。海に漂流するプラスチックごみは細かく粉砕されてマイクロプラスチック(5mm以下の微細なプラスチックごみ)となり、海の環境や生態系に悪影響を与えることが懸念されています。

注目したい大阪府や大阪市の具体的な取り組み

つづいては実際に大阪府や大阪市が取り組む、具体的なプラスチックごみ対策をご紹介します。

「Osakaほかさんマップ」でマイ容器の利用を呼びかけ

大阪府は「Osakaほかさんマップ」として、マイ容器やマイボトルを使って食品や飲み物、日用品を持ち帰ることができるお店をウェブサイト上で簡単に探せるサービスをスタートしました。「ほかさん」とは大阪弁で「捨てない」という意味。プラスチックなどの使い捨て容器を捨てないですむよう、マイ容器やマイボトルを使うことを府民へ広く呼びかける取り組みです。お店側には容器コストを削減できる上、店の取り組みやPR情報を無料で掲載できるというメリットもあります。

ゼロウェイストなお店が集まる「Osakaほかさんマップ」とは?大阪府の担当者に聞いてみた

「おおさかマイボトルパートナーズ」でマイボトル携帯率をアップ

マイボトルの利用をより普及させて使い捨てプラスチック容器の使用削減を目指すのが、大阪府の取り組む「おおさかマイボトルパートナーズ」。府民にマイボトルの使用を呼びかけるだけでなく、事業者やNPO、行政などが連携し、それぞれが主体的に活動を展開していく取り組みです。

たとえば事業者であればボトルや給水機の普及、NPOなら府民運動の推進、行政は府民への啓発・給水機の設置といった具合にそれぞれ活動し、2021年9月末現在36の事業者やNPO、行政、水道事業者が参加しています。2025年までに給水スポットを1,000スポットへ増やし(2021年9月末現在は80スポット)、府民の日常的なマイボトル携帯率を80%にまで引き上げることを目標としています。

新たなペットボトル回収・リサイクルシステムで資源循環を促進

大阪市は自主的に取り組むことを決めた地域に対して、新たなペットボトルの回収・リサイクルシステムで資源循環を促進する仕組みをスタートさせています。

これまでペットボトルはその他の資源物とともに行政が回収していましたが、これらの地域では取り組みの参画事業者が回収を行います。出されたペットボトルは有価物として取り扱われ、事業者が回収。再資源化事業者へ引き渡して売買され、回収経費などを差し引いたものが地域へ売却益として還元されます。ペットボトルの資源循環が促されるだけでなく、地域社会づくりにも貢献できる新たな仕組みです。

実際に2019年にモデル事業として実施した地域では焼却されるごみの中からペットボトルが大幅に減少し、ペットボトルの回収量やきれいに洗って排出された割合が大幅に増加したという結果が出ており、今後の取り組みにも注目が集まっています。

プラスチックごみを「ほかさん」社会へ!

大阪府や大阪市ではプラスチックごみの削減や、プラスチックの資源循環を促進するためにさまざまな取り組みが行われています。マイボトルやマイ容器の活用、街中の給水スポットの利用など私たちにもすぐできる取り組みが多く、いつもの行動を少し変えるだけでプラスチックごみの削減に貢献できます。また、今後、プラスチックなどのごみを出さない生活に役立つ、大阪の製品やサービスなどの情報を紹介していく取り組みも検討されています。プラスチックごみの問題について何かアクションを起こしたいと考えているなら、まずは大阪での取り組みを参考にチャレンジしてみませんか?

【参照サイト】Osakaほかさんマップ
【参照サイト】おおさかプラスチックごみゼロ宣言
【参照サイト】おおさかマイボトルパートナーズ
【参照サイト】大阪府 海ごみ対策
【参照サイト】大阪市 新たなペットボトル回収・リサイクルシステム(みんなでつなげるペットボトル循環プロジェクト)について

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