2022年11月27日(日)に、古着の回収と再循環を目指した「循環フェス」が京都・梅小路公園で開催されました。京都市の「京都発脱炭素ライフスタイル推進チーム~2050京創ミーティング~」のもと、一人ひとりの生活の中での選択が脱炭素につながるよう企画されました。大盛況に終わったイベントの様子をレポートします。
「循環フェス」とは
無料で古着を3点持ち帰ることのできる「¥0(ゼロエン)Market」から、リユースやリサイクルに触れながら学べる展示やトークイベント、そして環境や体に配慮したこだわりの飲食店が集まるブースなど盛りだくさん!循環に興味がある人も、まだそうでない人にとっても楽しめるイベントが目白押しでした。
また、当日回収した衣類のリユースによるCO2削減量を測定するという社会実験を実施。削減されたCO2の量を計測し、結果を発表するのも同イベントならでは。古着の循環が具体的なCO2の削減にどれくらい貢献するのかを知るきっかけにもなります。
¥0(ゼロエン)Market
¥0(ゼロエン)Marketも、循環フェスならではのユニークな企画。京都市を中心に設置されている使用済み衣服回収BOX「RELEASE⇔CATCH」で回収された古着から、好きなものを3点まで無料で持ち帰ることができるというものです。
同イベントの目玉ともいえる企画のため、午前中は特に長い列ができていました。服を持ち込んだ人も、そうでない人も無料で古着を手に入れるチャンスとあり、人気があるのも納得です。老若男女問わず、さまざまな層の人がまるで宝物探しをするかのように、古着を手に取っている姿が印象的でした。
古着の回収ボックス「RELEASE⇔CATCH」
「RELEASE⇔CATCH」は小さな行動でまだ生かされる服があるという思いから設置された衣類回収ボックスのこと。できる限り地域内でリユースするプラットフォームを目指しています。
【関連ページ】廃棄衣服回収&循環事業「RELEASE⇔CATCH」京都から始動
循環 Market
リユース品、リメイク品、デトックス品など、不要になったものを必要な人の手へ循環させるため、また地域内で再活用するためのフリーマーケットです。誰もが知っている古着や中古品の買い取り業者から、若い世代に人気の古着ショップ、また学生団体など幅広いブースが出展していました。
循環フェス Natural Marche
飲食ブースは、添加物などを極力使用しないこだわりの飲食ブース「Natural Marche」や、SDGsに力を入れている企業を応援する、京都信用金庫による「京信つながるサーキット」、地域の飲食店が出店する「七条フードサーキット」と、3つのエリアで展開。マイカップ、マイ箸、マイ皿などの持参が推奨されていました。これに加えて密封する容器があると、フードの持ち帰りに使えて便利でしたよ。
mumokuteki cafe&foods「粕汁」
京都、寺町京極商店街のなかにある「心も体も元気になれる」オーガニックカフェ、mumokuteki cafe&foods。料理は卵・乳製品・上白糖・肉・魚・化学調味料一切不使用です。
循環フェスでは酒どころの伏見などで出る酒粕を回収し、粕汁として提供。河原町の店舗と同様、なるべく農薬を使わずに育てられた野菜がたっぷりと入っています。
一般的な粕汁には豚肉が入っていますが、こちらは「タンパク質として大豆ミートを使用しています」とのこと。循環フェスの特別メニューである粕汁を持参した容器に入れてもらいました。この後、薬味のネギや高知のショウガなどをたっぷりのせてくれます。
酒粕、そして丁寧に育てられた野菜のコクやうま味が凝縮した、どこかホッとする味わいでした。
八方良菓「京シュトレン」
サーキュラーエコノミー研究家で、著書も出版している安居昭博さんが手掛けた、ロス食品や有機原料を使った八方良菓の「京シュトレン」。
酒かす、おから、豆乳など、京都の生産者さんから発生するさまざまな副産物。八方良菓は、本来捨てられるこれらのロス食材を30%も使用し、福祉作業所と製造連携した菓子店です。味の追求を軸に、販売者、購入者、生産者、製造者、社会、地球環境、未来の八方がより良くなるような仕組みづくりを目指しています。
「ドイツ生まれのシュトレンですが、京都の食材と相性が良かったんです」と、ドイツで暮らした経験のある安居さん。レーズンの代わりに梅酒の梅を使用、京都土産の大定番「八つ橋」の端の部分を乾燥させ粉砕、砂糖代わりにまぶして使うなど、地元の味をふんだんに使ったオリジナルです。ロス食材以外は国産の有機食材やプラントベースの原料で作られています。
一口目は軽やかな酸味に気づき、噛み締めるほど原料のうま味が口中に広がります。上品でシナモンの風味がアクセントに。満足度が高いので数枚ずつ、一週間くらいかけていただきたいですね。
カフェミィチョコーヒー焙煎所 Caffè Micio「循環コーヒー」
オーガニックかつフェアトレードの豆を使った、実店舗を持たない京都・左京区の焙煎所。お店を持たないのは、焙煎に集中するためという本格派。使い終わった豆はコーヒーかすを回収するmame-ecoに提供。その後、キノコなどの野菜栽培に使われます。イベント当日はこちらのブースにコーヒーかすで育ったキノコが展示されていました。「いい豆を使っているので、最後まで面倒見ないと」と店主。コーヒー豆への思い入れや愛情が伝わってきます。
循環やサーキュラーエコノミーへの関心度はさまざまでしたが、人々が思い思いに楽しみ、過ごしている姿が見られました。このように楽しく循環型社会を経験・学ぶことができる機会が、もっと広まることを期待したいですね。
【関連ページ】フェスで生ごみをコンポスト!?くるり主催の京都音楽博覧会2022を取材
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mia
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