コンポストの土と野菜を交換。生産者と消費者で作る循環型コミュニティ「CSA LOOP」が、都内4か所で会員募集!

都市で生活しながら農業生産者とともに食の循環を作ることで、生産者と消費者がつながるCSA(Community Supported Agriculture)と、コンポストを掛け合わせた新しい循環の仕組みがある。それが株式会社4Natureが提案する「CSA LOOP(シーエスエー ループ)」だ。

100%天然成分で生分解性のさとうきびストローの販売や回収、コミュニティコンポストなどに取り組む同社は、2021年3月から実証実験を開始した。さらに12月からは2022年2月からのプログラムの開始に向け、都内の4コミュニティ(4農家4拠点)で新たに会員を募集している。募集期間は2021年12月15日0時00分〜 2022年1月14日23時59分(※)。CSA LOOPの特設ページで、各プランの詳細確認や申し込みが可能だ。

【CSA LOOP 特設ページ】4nature.co.jp/csaloop

(※)上記募集期間終了後に定員に余裕がある拠点では、2022年1月15日0時00分〜2022年1月31日23時59分の期間で2次募集を実施予定。申し込みは先着順となる。

CSA LOOP

CSA(Community Supported Agriculture:地域支援型農業)とは、消費者が特定の農家から1年分の野菜を購入し、会員となることで、売り上げの見通しが立ちにくい農家を支援する農業モデルのこと。会員は年間を通して、採れたての新鮮で安全な農産物を農家から受け取ったり、畑などで直接コミュニケーションを取ったりすることで、生産者と直接つながれる。この点は消費者にとっての大きなメリットだ。

CSA LOOPでは、この生産者と消費者の関係性に加え、会員が自宅などでコンポストした堆肥を野菜作りに活用できる。これにより、生産者と消費者でつくる持続的な循環のコミュニティの創生を目指せるのだ。

近年、都市部では生ごみ削減へのニーズが高まりつつある。その解決策のひとつとして、生ごみを分解して堆肥化できる「家庭用のコンポスト」に注目が集まっているのだ。その一方で、庭やベランダのスペースが限られる都市部の住宅事情から、継続的に発生する堆肥を家庭で使い切るのが困難という課題があった。

CSA LOOPでは、家庭のコンポストを街のカフェやファーマーズマーケットなどの拠点に持ち込めば、その場で生産者が作った野菜と交換できる。会員は堆肥の使い道を気にすることなく、コンポストを無理なく生活に取り入れられるのだ。

また、こうした野菜の交換会は野菜と堆肥のやり取りだけではなく、会員と生産者が顔を合わせてコミュニケーションを図る場にもなる。都市と生産地で作る持続的な循環のコミュニティにおいて、大切な役割を担っているのだ。

CSA LOOPでは、2022年度に首都圏1,000世帯での取り組みを目指し、2月に都内の4拠点にて4つのコミュニティを開始。その後、3月、4月、5月と段階的にコミュニティをスタートするという。また、2023年度以降は名古屋、大阪、京都、福岡などへの展開も予定しているのだそう。

CSA LOOPを運営する4Natureに話を伺ったところ、「都市の人はこういう生活だからこうだよね、地方の人はこういう生活だからこうだよねと相互理解を深め、リスクをともに受け入れることが、助け合いの精神につながる。それが「社会寛容性」という言葉で代替できると考えています。そうした寛容性を育む手段として、都市と地方をつなぐ循環を一緒に模索し、コミュニケーションを図ることが大切だと思います。」(※)という言葉が返ってきた。

(※)4Natureインタビュー「寛容性を育む。4Natureが考える、都市型CSAの未来【Urban Circulars 特集#1】」より

地域社会でのつながりが薄れつつある都市居住者にとっては、ご近所さんとの新たなコミュニケーションが生まれる機会にもなるCSA LOOP。都市と生産地をつなぐだけではなく、日々の暮らしの中にある、心地良い循環を生むコミュニティとしての役割にも期待したい。

2022年2月から始まるCSA LOOPの4拠点

<墨田区>
拠点:BERTH COFFEE ROASTERY Haru(最寄駅:錦糸町駅、押上駅)
農家:山田農場(千葉県船橋市)
定員数:50

<杉並区>
拠点:RAD BROS CAFE(最寄駅:高円寺駅)
農家:オーガニックファーム所沢農人(埼玉県所沢市)
定員数:20

<北区>
拠点:AERU COFFEE STOP(最寄駅:赤羽岩淵駅、赤羽駅)
農家:池田農園(栃木県栃木市)
定員数:20

<渋谷区>
拠点:Farm to Bakery(最寄駅:表参道駅、渋谷駅)
農家:冨澤ファーム(東京都三鷹市)
定員数:15

CSA LOOPについての詳細・各プランの詳細については、CSA LOOP特設ページを確認。

【関連ページ】「ELEMINIST」コラボ企画。都市ならではの循環生活を考える【Urban Circulars特集 #0】
【関連ページ】寛容性を育む。4Natureが考える、都市型CSAの未来【Urban Circulars 特集#1】

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Life Hugger 編集部

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