【2022年】日本全国のコンポストがあるエシカル・サステナブルなホテル12選

ホテル

ホテルの朝食ビュッフェやパーティー会場での食事など、たくさんの料理がずらりと並ぶシーンには心が躍ります。

でも実はそのワクワクの裏側で、食べきれずに残された多くの料理が廃棄されているという現実があるのも事実です。

日本における食品ロスは2020年時点で522万トン、うち食品関連事業者から発生する事業系食品ロス量は275万トンと公表されています(※1)。ホテルなど宿泊施設で廃棄されている食品もこのなかに含まれます。特にホテルの朝食で多いビュッフェは、バラエティーに富んだ料理が前もって大量に用意されます。そのため多くの料理が残ってしまい、それらはすべて処分されています。

最近では食品の廃棄を少しでも減らすため、また環境に配慮した取り組みから、ビュッフェの廃止や、生ごみなどを焼却処分するのではなく、堆肥化させる「コンポスト」を実施している宿泊施設も増えてきました。

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Image via 黒川温泉

生ごみは80%が水分です。つまり生ごみを焼却処分する過程では多くの水を燃焼させる必要があるため燃焼効率が悪くなり、処理するための費用が余分にかかるだけでなく環境負荷も高くなるのです。コンポストであればそうした負荷をかけずに、さらに、生ごみを “ごみ” としてではなく “肥料” として再利用することが可能です。

今回はそんな「コンポスト」を実施している12の宿を紹介します。

1. ニューオータニ 東京(東京)

1964年、東京オリンピックの年に開業した「ホテルニューオータニ 東京」は、日本を代表するラグジュアリーホテルのひとつ。敷地内に1479室、37のレストラン、33の宴会場、100を超える店舗、一万坪の日本庭園を有し、一日約2万人が訪れる大規模なホテルです。

環境対策には創業時より積極的に取り組み、ホテル全体を都市の小モデルと捉え、循環型社会を実現することを使命としてきました。

例えばホテル内の飲食店の厨房で出る生ごみは、一日平均3,500~4,000キログラム。従業員から再利用を提案する声が上がったことをきっかけに、1999年敷地内に「コンポストプラント」を設置。一日最大5,000キログラムの生ごみを処理できるため、100%資源として再利用するシステムを構築し食品ロスを実質ゼロにしています。

ほかにも厨房排水を100%リサイクルする「中水造水プラント」、緑化推進、そして業界初のカーボンニュートラル都市ガス(CNL)の導入など、さまざまな取り組みを行っています。

伝統のある大規模なホテルでこのような取り組みを、しかも創業時から取り入れてきたことに驚かされますね。

住所東京都千代田区紀尾井町4-1
電話番号03-3265-1111
HPhttps://www.newotani.co.jp/tokyo/
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2. AMIGO HOUSE(神奈川・逗子)

逗子駅より徒歩約15分、駅と逗子海岸のちょうどあいだに位置する「AMIGO HOUSE」。自然豊かなこの土地で、2020年9月に築50年の古民家をリノベーションして誕生しました。コワーキングスペースとホステル、シェアキッチンが一体化した文化複合施設で、日常と非日常、旅と仕事などさまざまな目的で人々が交差する出会いの場となっています。

自然に配慮した取り組みにも積極的で、2022年1月からは生ゴミを多く食べる微生物群「コムハム」をコンポストに導入。逗子や三浦半島から生ゴミを減らす仕組み「シェアリングコンポスト」にチャレンジしています。「AMIGO HOUSE」に設置したコンポストに自宅で出た生ごみを持参し、「コムハム」たちに与えてその様子を共有するというものです。

今まで廃棄していた生ごみを生物のエサにすることで、生ごみの削減はもちろん、生物に対する優しい気持ちが生まれるかも。自然に触れながら、環境のことを考えるきっかけになるかもしれませんね。

住所神奈川県逗子市新宿3-2-40
電話番号050-7109-5089
HPhttps://amigo-house.com/
3. ゲストハウス 雷鳥(長野・乗鞍高原)


北アルプスの南端、中部山岳国立公園内の標高1500mに広がる乗鞍高原にある温泉つきゲストハウス「雷鳥」。「自然にかえる宿」をコンセプトとしたゲストハウスで、自然に惹かれたゲストたちが交流を楽しんだり、1人でゆっくりのんびりしたりと、自然体で楽しめる場所。

ゲストハウスとしては珍しい温泉は、源泉100%のかけ流し内湯のほか、時間制貸し切りの野天風呂も!夜は美しい星空を眺めながら温泉に癒される、贅沢な時間を過ごせます。
宿泊は最低限のサービスを基本として一泊3,500円~と、リーズナブルなプランも特徴です。乗鞍高原や上高地といった大自然を堪能できる秘境にこもって、リモートワークや田舎移住体験ができる滞在プランなどもありますよ。

また生ごみは生ごみ処理機を使い、繁忙期などで処理能力を超えてしまうとき以外は、できるだけコンポスト(堆肥化)を実施。事業ごみとして出す場合はコストがかかります。コンポストにするとコスト削減にもなる上、溜めている堆肥はハーブを育てるために充てるなど活用しています。

住所長野県松本市安曇4306
電話番号03-3265-1111
HPhttps://ghraicho.com/
4. ほうれん坊のキャンプ場(山梨・小菅村)

山梨県小菅村、東部森林公園内にある「ほうれん坊のキャンプ場」。標高600mにあるため夏でも夜は涼しく、クーラーがなくても快適に過ごせる環境です。キャンプ場の真ん中を小菅川が流れ、森林と清流が一体となっていることが同キャンプ場の大きな特徴。メインとなる受付施設「ほうれん坊」と、それぞれ趣の異なる森ゾーン・川ゾーン・風ゾーンを吊り橋が繋いでいます。

また「ほうれん坊のキャンプ場」は「森に親しむ」がテーマ。少し不便でも、できる限り自然由来の物を使うように心がけています。

ごみに関してはキャンプ場のある小菅村が、収集した生ごみと地域の間伐材を用いて堆肥化する取り組みを行っています。堆肥は土壌改良材や畑の素などにして、「道の駅こすげ」と「JAクレイン小菅」で販売。また堆肥の製造過程できた副産物に着目し、「ヒノキエッセンシャルオイル」と「ひのきリフレッシュウォーター」を開発、販売も行っています。
村ごと循環型社会に取り組み、生ごみから新しい製品を開発しているとは興味深いですね。

住所山梨県北都留郡小菅村2402-2
電話番号0428-87-0435
HPhttps://www.horenbo.com/
5. ほほえみの宿 滝の湯(山形・天童温泉)

1911年に創業した、全86室の老舗温泉ホテル「ほほえみの宿 滝の湯」。「日本一ほほえみが往き交う宿」を目指し、山形県・天童温泉の恵みを受けて営まれる温泉宿です。自然との調和・共存を大切にしながら、人と環境に優しい宿づくりや取り組みを行っています。

20年以上前より環境に配慮した取り組みを行い、安心安全な食事を提供する目的から循環型有機農業を始めました。今では約2,100坪となった農地で、季節ごとに露地栽培の農作物を収穫、宿のゲストに提供されています。

実はコロナ以前には頻繁に行われる披露宴などで出る、膨大な量のフードロスに頭を悩ませていたそう。この問題を解決したのも広大な自社農園でした。一日あたり最大200キログラムも発生していた食べ残しを、この農園にあるコンポストで微生物の力を借りて分解し堆肥化。さらに時間をかけて肥料を製造し農園で使うという、まさに循環型の有機農園なのです。

住所山形県天童市鎌田本町1-1-30
電話番号0120-18-2211
HPhttps://www.takinoyu.com/
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6. 農村滞在型の宿 ソラノイエ(岐阜・下呂)

岐阜県下呂市、田んぼや山川に囲まれた上原地域で2018年にオープンした農村滞在型の宿「ソラノイエ」。この小さな集落に「人が行き交いあう拠点・人や自然から学べる暮らしができる場所」を作りたいという想いで、築100年以上の古民家を改装しました。「ソラノイエ」の暮らしは、この場所に集まる人々で一緒に育てていくことを前提とし、まるで田舎の友人の家に遊びに行く感覚で滞在できる、体験型の宿泊施設です。

文明は適度に取り入れつつ、自然への負荷をできるだけ少なくするためにと創造していくスタイルが素敵です。その一環で、野菜くずや食べ残しは設置したコンポストを利用。米ぬかやもみ殻、落ち葉、土などを基材としています。年に3回ほど中身を更新、中身を出して米ぬかと混ぜて二次発酵作業を行います。野菜は土からいただいていることに感謝し、土を作って還し、また野菜を作るという循環を大切にしている施設です。

住所岐阜県下呂市蛇之尾1345
電話番号0576-20-4093
HPhttps://soranoie.gifu.jp/
7. ゼロ・ウェイストアクションホテル “HOTEL WHY”(徳島・上勝町)

徳島県の上勝町は2003年、日本初の「ゼロ・ウェイスト宣言」をした四国の小さな町。宣言から19年、今では町のリサイクル率は80%を超えました。上勝町にはごみ収集車はなく、町民は家庭で出るごみを45通りで分別し、町唯一のごみステーションまで持ち込みます。小さな町のこの大きなチャレンジは国内のみならず、世界からも注目を集めています。

上勝町の取り組みを体験できる施設が、「ゼロ・ウェイストアクションホテル“HOREL WHY”」です。
その暮らしを体感し、ゼロ・ウェイストの取り組みの歴史についての解説を聞き、希望者は「ごみ分別体験」にも参加が可能です。一般的なホテルにはあるアメニティなどの配布も、同ホテルではプラスチック削減の観点からありません。そういった宿泊体験を通してゲストはごみとの向き合い方、ひいては暮らしそのものを見直すきっかけになるかもしれません。

住所徳島県勝浦郡上勝町大字福原字下日浦7番地2
HPhttps://why-kamikatsu.jp/
8. GOOD NATURE HOTEL KYOTO(京都・河原町)

「人にも、自然にも、いいものを」をコンセプトに掲げた、アクセス至便なホテル「GOOD NATURE HOTEL KYOTO」。河原町という街中にありながら、天然素材へのこだわりや佇まい、取り組みは地球想いでサステナブルというコントラストも特徴的です。

同ホテルは「GOOD NATURE」なモノ、コトが集まる場としてショップや飲食店が集まる複合商業施設「GOOD NATURE STATION」の中にあります。こちらでは買う、食べるのみならず自然や伝統を体験するイベントなども頻繁に開かれていて、宿泊でなくても訪れたくなる施設です。

天然素材を重視した内装や、プラスチック削減への取り組みなど、細部にまで人と自然にいいものが浸透しています。
飲食店や施設から出た食品廃棄物は、施設内のコンポストにて堆肥化して活用。農業肥料を作り、その肥料を使い収穫したお米「えんこう米」を施設内レストランで使用、販売を行うことで循環型の仕組みがまたひとつ実現しています。

住所京都市下京区河原町通四条下ル2丁目稲荷町318番6
電話番号075-352-6730
HPhttps://goodnaturehotel.jp/
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9. HOTAL GREAT MORNING(福岡・博多)


「泊れば泊るほど、人も地球も喜ぶホテル」と謳うのは福岡にある「HOTEL GREAT MORNING」。ホテル名にもある通り、すべてが最高の朝を迎えるための設計・デザインです。

不快な風当りのないよう風の無いエアコン「F-CON」を採用、「自然であること」にこだわり壁や天井には漆喰や珪藻土など内装にはできるだけ自然素材を使用……。話し合いを重ねて開発した寝具やアメニティ、空間を満たす空気にいたるまで、同ホテルでは7つのこだわりを軸としたこだわりの空間を提供しています。

また2020年4月には「捨てないステイ」をコンセプトに掲げコンポストと、生ごみ堆肥を活用したプランター菜園を12基設置しました。食品廃棄物で作る堆肥を使った野菜作りをすることで、食品ロス意識の向上や食の循環を実感することが目的。

空間や提供する食、隅々までこだわるHOTEL GREAT MORNINGで、極上の朝を迎えてみてはいかがでしょうか。

住所福岡県福岡市博多区店屋町6-3
電話番号092-272-1414
HPhttps://hotelgreatmorning.com/
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10. 伝泊(鹿児島・奄美大島)


豊かで原始的な自然の残る、奄美大島の自然と対話する時間を過ごせる「伝泊」。
「伝泊」の「伝」は、島の「伝統」「伝説」を「伝える」ことを意味しています。
用意された3種類の宿は空き家を再利用した「伝泊」、ヴィラ リゾートホテル「The Beach front MIJORA」、島っちゅとの交流を創る宿「伝泊 HOTEL」から旅のスタイルや目的に沿ったものを選べます。まさに旅するように暮らす、という表現がぴったり。

また「伝泊」は、環境に配慮したホテル・レストランなどに付与される国際的なエコラベル「グリーンキーエコラベル」を2つ取得。自然の恵みを享受し保全していくこと、集落の文化を守り今まで以上に発展させることを目指しており、そのために持続可能なマネージメント、社会経済的サステナビリティ・文化的サステナビリティ・環境的サステナビリティという4つの柱を軸として取り組みを行っています。

プラスチック削減や廃棄物への取り組みも積極的に行い、宿泊施設と2つのレストランから出る生ごみのほとんどをコンポストに回収。自社の畑の肥料として使うため、無農薬の野菜やハーブを収穫しそれらを提供用の食材として活用しています。

住所(伝泊 奄美 古民家)鹿児島県奄美市笠利町里2-1
HPhttps://den-paku.com/
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※宿泊する宿により住所が異なりますのでご注意ください

11. 風の谷キャンプ場(北海道・ニセコ)

北海道のアンヌプリとニセコ市街地の中間に位置する「風の谷キャンプ場」は、オフグリッドのツリーハウスから羊蹄山の眺望が爽快なビューサイト、カーサイト、バンガロー、デラックスサイトまで異なる5つのスタイルから選べます。全14区画という小規模かつ、完全予約制のため落ち着いた雰囲気のなかキャンプを楽しめるのも魅力。

敷地内には、キャンプ場内を流れる小川沿いにあるサウナや、麻柄模様のたき火ドームなど、スタッフ手作りの設備が多くあり、実はオフグリッドのツリーハウスも大工さんとスタッフの方の合作。

生ごみは敷地内に設置されたコンポストで回収する仕組みで、生ごみ以外は原則として持ち帰るなど、ごみに関してもしっかりと対応されています。

まるで子供に戻ったような気持ちで、ワクワクと過ごせるキャンプ場、家族で訪れてみるのもおすすめです。

住所北海道虻田郡ニセコ町字曽我355−2
電話番号080-6077-5978
HPhttps://www.kazenotanicamp.com/camp
12. 黒川温泉(熊本・黒川温泉)


ひとつの宿ではなく、地域一体となってコンポストプロジェクトに取り組む黒川温泉観光旅館協同組合。2020年9月より始めた堆肥事業「黒川温泉一帯地域コンポストプロジェクト」動画が、「サステナアワード2020伝えたい日本の“サステナブル”」にて、環境省環境経済課長賞を受賞しています。

黒川温泉で問題になっていた、30の温泉旅館から出るごみと落ち葉の処理問題。そこでサーキュラーエコノミーという概念を取り入れ、2020年9月より生ごみを堆肥化して地域農家さんと連携を始めました。完熟堆肥で作られる野菜を、旅館がゲストに提供するという、人にも自然にも優しい循環型の取り組みの実現を目指し推進しています

HPhttps://www.kurokawaonsen.or.jp/

コンポストを取り入れている、サステナブルな宿を紹介しました。
今回紹介したのはほんの一部。環境に配慮し、自然を守るための取り組みを行う宿泊施設はほかにもたくさんあります。心地よく滞在することで環境保全に貢献できる、サステナブルな宿を選択肢に入れてみませんか。

(※1)環境省|我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和2年度)の公表について

※本記事は、ハーチ株式会社が運営する、自分と社会の今と未来をより良くしていける「これからのLive」に出会えるライフスタイルメディア「Livhub」からの転載記事です。

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mia

旅するように暮らす自然派ライター/オーガニック料理ソムリエ | バックパックに暮らしの全てを詰め込み世界一周。4年に渡る旅の後、AUSに移住し約7年暮らす。移動の多い人生で、気付けばゆるめのミニマリストに。 ライターとして旅行誌や情報誌、WEBマガジンで執筆。現在は自然に沿った生き方を自ら実践しながら発信中。地球にも体にも優しい暮らしのヒントをお届けします。