量り売りの始め方、お店の探し方と容器・最初に買うものの選び方

木のスクープで乾物を持参のガラス瓶に移す量り売りの手元

量り売りは、洗って乾かした容器1つと、買うもののメモ1枚があれば始められます。食品も洗剤もいっぺんに切り替える必要はありません。1品目だけでも、包装の代わりに自分の容器で持ち帰る買い物になります。

この記事では、近くのお店の探し方、持っていく容器の選び方と洗い方、最初に買いやすい品目、使い切れる量の決め方を紹介します。最初の一歩で迷わないための5つの判断軸と、暮らし方のタイプ別の始め方も載せています。

1. 量り売りの買い物は、家での準備が半分

量り売りは、お店に並んだ大きな容器から、必要な分だけを自分の容器や袋に移して買う方法です。レジで袋詰めされた商品を選ぶいつもの買い物とちがって、出かける前に済ませておくことがいくつかあります。流れは次のとおりです。

  1. 通えるお店を決める(場所・営業日・持参容器を使えるか)
  2. 容器を洗って、しっかり乾かす
  3. 買う品目と量をメモする
  4. お店で空の容器の重さを量ってから、中身を入れる
  5. 中身だけの重さで会計し、家でラベルを付けてしまう

4番目の「空の容器の重さを先に量る」が、量り売りならではの手順です。容器の重さを差し引いて中身の分だけを支払う仕組みなので、容器を持っていったら最初に量るのが基本になります。量り方や差し引き方はお店ごとに違うので、初めてのときは入口やレジで店員さんに声をかけると安心です。

2. 判断軸1:無理なく通える場所にお店があるか

量り売りは、一度きりではなく、同じお店にくり返し通ってこそ暮らしになじみます。品ぞろえの多さより「ふだんの動線から寄れるか」を先に考えるほうが続きます。

量り売りの形は、量り売り専門の店だけではありません。自然食品店やスーパーの一角にコーナーを置くお店もあります。たとえば斗々屋は、卸販売の案内で「既存店をお持ちであれば、店内の一部を有効利用することで、最短 1 週間で『量り売り』を始めることができます」としていて、量り売りが専門店の外にも広がる形をとっています。

専門店の例としては、京都の「ゼロウェイスト スーパーマーケット斗々屋 京都本店」があります。個包装なしの量り売りを主な事業にしたお店で、営業時間は10:00〜19:00、定休日は木曜日(月1回の不定休あり)です。店内にはランチやイートインの時間帯もあります。営業時間の変更は公式Instagramで知らせるとしています。

出かける前に地図とSNSで見ておくこと

  • 地図アプリで「量り売り」「ゼロウェイスト」「バルク」と検索し、自宅・職場・よく行く駅の近くに印を付けておく
  • お店の公式サイトやSNSを開き、いちばん新しい投稿の日付と、営業日・定休日を見ておく
  • 持参した容器を使えるか、店内で容器や紙袋を借りたり買ったりできるかを、お店の案内ページで見ておく
  • 候補が複数あるなら、ほかの用事のついでに寄れるお店を1軒目に選ぶ

古い店舗リストと遠いお店に気をつける

量り売りのお店は、開店や閉店、移転などで入れ替わりがあります。数年前のまとめ記事の店舗リストだけを頼りに出かけると、着いてから閉店に気づくこともあります。出かける前に、お店自身の発信がいつ更新されたかを見ておくと無駄足を防げます。

もう一つは、品ぞろえにひかれて遠くのお店を選び、片道の移動が負担になって2回目が遠のくパターンです。1軒目は「歩いて、または用事のついでに行ける」を条件にすると続けやすくなります。近くにお店が見つからない場合は、量り売りのお店のオンライン販売という選択肢もあります。斗々屋は2024年9月20日にオンラインショップを始めました。

3. 判断軸2:容器は重さ・口の広さ・洗いやすさで選ぶ

専用の容器を新しく買いそろえなくても、家にある保存容器や空き瓶で十分です。選ぶときに見たいのは、持ち歩いて重すぎないか、すくって入れやすい口の広さか、家で洗って乾かしやすいかの3点です。

容器の種類 向いている品目 気をつけたいこと
ガラス瓶(ジャムや保存瓶の空き瓶など) ナッツ、スパイス、茶葉、ドライフルーツ 重く、割れやすい。何本も持つと帰り道の負担になる
プラスチックの保存容器 米、豆、パスタ、シリアル 軽くて持ち歩きやすい。においや油分が残りやすいので、よく洗う
ステンレスの容器・ボトル 乾物、液体の調味料 軽くて割れにくい。中身が見えないので、ラベルを付ける
布袋・再利用の紙袋 米、豆、粒の大きいナッツ 粉ものや細かいものはこぼれやすい。家に着いたら保存容器に移す
詰め替え用のボトル 洗濯洗剤、食器用洗剤、シャンプー 食品用とは分けて使い、中身を書いておく

これは一般的な傾向をまとめたもので、持ち込める容器の決まりはお店ごとに違います。

洗い方の基本は、中性洗剤で洗って、すみずみまで乾かすことです。乾物や粉ものは水気が残っていると湿気やカビの原因になるため、前の晩に洗って一晩置いておくと安心です。ふたのパッキンはにおいが残りやすいので、外して洗います。洗剤を入れる容器は食品用と分け、間違えないよう中身を書いたラベルを貼っておきます。

家にある容器で試すこと

  • 家にある空き瓶・保存容器を出して、口にスプーンやおたまが入るかを見る
  • 買いたい品目ごとに容器を1つ割り当て、ふたがしっかり閉まるかを試す
  • 家のはかりで空の容器の重さを量り、マスキングテープで書いておく(お店で量る手順の目安になる)

容器を持ちすぎない・生乾きにしない

見た目のよいガラス瓶を何本も持っていき、帰り道で重さに困るのは、始めたばかりのころに起こりがちです。1回目は容器を2〜3個にしぼり、ガラス瓶は軽い品目用の1本にすると負担が減ります。洗ってすぐの生乾きの容器に粉ものを入れてしまうのも避けたいところです。出かける日の前の晩に洗う、と決めておくと乾かす時間をとれます。

4. 判断軸3:最初の品目は「乾いていて、よく使うもの」

最初に量り売りにするなら、乾いていて日持ちし、ふだんからよく使うものが向いています。容器に移しても傷みにくく、多少多めに買っても使い切りやすいからです。

  • 米・雑穀・豆:毎日のように使い、プラスチックの保存容器や布袋で持ち帰れる
  • ナッツ・ドライフルーツ:袋入りだと量が多すぎることがある品目。少量から試せる
  • スパイス・茶葉:一度に使う量が少なく、使い切れずに湿気らせやすい。必要な分だけ買える量り売りと相性がよい
  • パスタなどの乾麺:かさはあるが軽く、細長い保存容器があれば移しやすい
  • 洗剤:詰め替えボトルを1本決めておけば、毎回同じ手順でくり返せる

反対に、生鮮食品や液体の調味料は、容器の衛生管理や持ち帰りの温度に気を配る必要があり、慣れてから広げるほうが失敗が少なくなります。

棚の中から1〜2品目を選ぶ手順

  • キッチンの棚を見て、ここ1〜2か月でくり返し買ったものを書き出す
  • その中から「乾いている」「日持ちする」ものに印を付け、1〜2品目にしぼる
  • 行く予定のお店の品ぞろえの案内やSNSの写真に、その品目があるかを見ておく

初めて見る品目は後回しに

お店に並ぶ色とりどりのナッツやスパイスを前に、初めて見るものを次々と買ってしまい、家で使い道がなく残ることがあります。最初の数回は「いつも買っているもの」だけにして、新しい品目は慣れてから1つずつ足すと、ロスを出さずに済みます。

5. 判断軸4:買う量は、使い切る日から逆算する

量り売りのよさは、袋のサイズに合わせず、自分の暮らしに合う量で買えることです。単位はお店によって違い、たとえば2020年に無印良品 東京有明がオープンした際の発表では、食品は20グラム以上から1グラム単位、洗剤は100ml単位の量り売りとして紹介されていました。単位は店舗や時期で変わることがありますが、少しだけ買って試せる売り方が多いのが量り売りの特徴です。

量を決めるときは「次にお店へ行く日までに使い切れるか」を基準にします。月に1回寄るお店なら1か月分、週末ごとに通るお店なら1週間分、という考え方です。

量をメモに落とす手順

  • いつも買っている袋入り商品の内容量と、それを使い切るまでにかかった期間を思い出す
  • 次にお店へ行けそうな日までの日数に合わせて、買う量をメモに書く
  • 初回は、そのメモの量よりも少なめにして、家での減り方を見る
  • 家に着いたら、容器に品名と買った日を書いたラベルを貼る

「せっかくだから」の買いすぎを防ぐ

「せっかく来たから」と多めに買い、使い切る前に風味が落ちてしまうことがあります。持っていった容器に入り切らず、慌ててお店の袋をもらうこともあります。メモの量と容器の大きさを家を出る前に合わせておけば、その容器に入る分がそのまま上限になり、買いすぎを防げます。

6. 判断軸5:量り売りにするものと、しないものを分けておく

すべての買い物を切り替える必要はありません。量り売りにするのは1〜2品目だけ、ほかはいつものスーパーや宅配で買う、という分け方のほうが、忙しい週にも途切れにくくなります。

分け方の目安は、量り売りにすると「楽になるもの」と「手間が増えるもの」です。少量で買いたいスパイスや、詰め替えボトルが決まっている洗剤は、量り売りのほうが楽になりやすい品目です。一方、重い飲み物やまとめ買いしたい日用品は、無理に量り売りにしなくても構いません。

途切れないための決めごと

  • 量り売りにする品目を、冷蔵庫や棚の扉に書いて貼っておく
  • 容器を忘れた日・時間がない日は、いつものお店で買うと最初から決めておく
  • 空になった容器は洗ってすぐに玄関やエコバッグの近くに置き、次の外出で持ち出せるようにする

品目を一度に増やさない

張り切って品目を一気に増やすと、容器の準備と洗い物が追いつかなくなります。量り売りは「完璧にやる」より「同じ品目をくり返す」ほうが手順が体に入り、準備にかかる時間も短くなります。ほかのごみを減らす工夫と組み合わせたい人は、ゼロウェイストの暮らしのガイドで、量り売り以外の取り組みも見比べてみてください。

7. あなたはどのタイプ?暮らし方別の始め方

専門店に足を運べる人:量り売り専門店から

量り売りを主な売り方にした専門店は、品目の幅が広く、容器の重さを量るところから会計までの手順を一通り体験できます。判断軸1で触れた斗々屋 京都本店もその一例です。食事のできるお店なら、出かけたついでに容器を持って寄る使い方もできます。一方、専門店が遠く、くり返し通うのが難しい人には、1軒目としては負担が大きくなります。

近くに専門店がない人:いつものお店の量り売りコーナーから

自然食品店やスーパーの一角にある量り売りコーナーは、ふだんの買い物の動線上にあるのが強みです。品ぞろえは専門店より限られることが多いものの、米や豆、ナッツなど判断軸3の品目が1つでもあれば始められます。品数の多さを楽しみたい人には物足りなく感じることがあります。

食品より先に、洗剤から始めたい人:詰め替えボトル1本から

食品の容器の衛生管理に不安がある人は、洗剤から始める方法があります。詰め替えボトルを1本決め、空になったら持っていくだけなので、手順がシンプルです。洗剤を扱っているかはお店ごとに違うので、事前に案内を見ておきましょう。通える範囲に洗剤を扱うお店がない場合は、乾物から始めるほうが続けやすくなります。

手順より、気持ちのハードルが先に立つ人

「お店で戸惑ったらどうしよう」「店員さんに迷惑をかけないか」といった気持ちの面が気になる人は、手順の準備より先に、不安をひとつずつほどいておくと一歩が軽くなります。初めての量り売りの不安をほどくコラムで、よくある戸惑いとその受け止め方を読んでから、この記事の段取りに戻ると準備がスムーズです。

8. 容器1つを洗うところから

量り売りを始めるときの判断軸は、通える場所にお店があるか、容器は重さ・口の広さ・洗いやすさで選んでいるか、最初の品目が乾いていてよく使うものか、買う量を使い切る日から逆算しているか、量り売りにするもの・しないものを分けているか、の5つです。全部がそろっていなくても、お店が1軒決まり、容器が1つ乾いていれば、最初の買い物には足ります。

次の休みの前の晩に、空き瓶か保存容器を1つ洗って乾かし、いつも買っている乾物を1品だけメモに書いてみてください。乾いた容器を玄関に置いておけば、翌日はそれを持って出かけるだけです。量り売り以外のごみを減らす工夫もあわせて知りたい人は、ゼロウェイストの暮らしのガイドもあわせて読んでみてください。

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Life Hugger 編集部

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