オーガニックコスメの選び方、認証マークの見方とナチュラルとの違い

浴槽の縁に置いた茶色のガラスのクリーム容器とアロエの鉢

化粧品の国際的な認証のひとつ NATRUE では、「organic」を名乗る製品は、植物・動物由来成分の少なくとも95%が、認証を受けた有機農業か野生採取に由来していなければなりません。一方、パッケージに「オーガニック」とだけ書かれた商品に、こうした数字の裏付けがあるとは限りません。

肌にも環境にもやさしいものへ替えるときに頼りになるのは、言葉の印象よりも、認証マークの段階、成分表示、そして使い終えたあとの容器です。この記事では、オーガニックコスメを選ぶ前に押さえたい5つの判断軸と、暮らし方に合わせた最初の一歩を紹介します。

1. 「オーガニック」「ナチュラル」は、表示だけでは中身が決まらない

木の板の上に吊るしたラベンダーやミントなどのハーブと白い札

日本には、化粧品に「オーガニック」と表示するための国の基準がありません。有機栽培の原料をわずかに使った商品も、大半を有機原料でつくった商品も、同じ「オーガニック」という言葉で店頭に並ぶことがあります。「ナチュラル」「自然派」も同じで、どこまでを天然とみなすかは商品ごとに違います。

この差を埋めるのが、第三者の団体が定めた基準です。国内では、一般社団法人 日本オーガニックコスメ協会が「オーガニックコスメの現状をあるがままに知らせ、次に消費者の側に立った明確な基準を定めて、それを推奨していくこと」を目的に掲げています。認証の段階、認証機関、成分、ブランドの姿勢、容器と量。いくつかの角度から見ていけば、言葉の印象に左右されずに選べます。

2. オーガニックコスメを選ぶ5つの判断軸

判断軸1:「オーガニック」か「ナチュラル」か、認証の段階を見る

代表的な国際認証は、ひとつのマークの中に段階を持っています。COSMOS では、製品に付く表示が COSMOS ORGANIC と COSMOS NATURAL の2つ。NATRUE も、2021年1月から natural と organic の2段階になりました。ナチュラルコスメとオーガニックコスメの違いは、言葉の雰囲気ではなく、この段階の違いとして読むと分かりやすくなります。

COSMOS は、ブリュッセルに拠点を置く非営利の国際独立団体 COSMOS-standard AISBL が管理する基準で、ドイツの BDIH、フランスの Cosmebio と Ecocert、イタリアの ICEA、英国の Soil Association が創設メンバーです。欧州・オーストラリア・アジアの12の認証機関が世界中で認証を行っていて、80か国で31,100を超える製品が COSMOS ORGANIC か COSMOS NATURAL の表示を付けています(2026年1月時点・同団体調べ)。

NATRUE は、同じくブリュッセルを拠点とする国際的な非営利団体が運営する、自然派・オーガニック化粧品のラベルです。organic の段階には、先に挙げた「植物・動物由来成分の95%以上が有機農業か野生採取に由来」という条件があります。

認証 運営・位置づけ 製品の表示の段階 主な条件・特徴
COSMOS COSMOS-standard AISBL(ブリュッセルの非営利の国際独立団体) COSMOS ORGANIC/COSMOS NATURAL 原料向けには COSMOS CERTIFIED/COSMOS APPROVED の表示がある。欧州・オーストラリア・アジアの12の認証機関が認証を行う
NATRUE ブリュッセルを拠点とする国際的な非営利団体 natural/organic(2021年1月から) organic は植物・動物由来成分の95%以上が有機農業か野生採取に由来。同じブランドの製品の75%以上が認証を受けないとラベルが付かない
エコサート(Ecocert) COSMOS の創設メンバーで、認証機関 COSMOS 規格か、独自の Ecocert 規格による認証 化粧品のほか、農産物、加工食品、ホームケア、テキスタイルなどのオーガニック認証も行う

表は、各団体の公式サイトに掲載された2026年10月時点の情報をもとにまとめています。

確認の仕方

  • マークの図柄だけで判断せず、そばに添えられた「ORGANIC」「NATURAL」(NATRUE は organic/natural)の文字まで読みます。
  • パッケージで見つけにくいときは、ブランドの商品ページの説明に、どの認証のどの段階かが書かれていないかを見ます。
  • NATRUE には、旧区分の「natural with organic portion」で認証された製品もまだ市場に残っています。今の認証の期限が切れると natural か organic のどちらかで認証し直されるので、見かけたら移行の途中にある表示と受け止めて大丈夫です。

見落としやすいところ

認証マークが付いていると、それだけで「オーガニック」だと受け取ってしまいがちです。NATURAL の段階でも同じ団体のマークが付くので、有機原料にこだわりたい場合は、ORGANIC/organic の表記まで見て選びます。

判断軸2:認証機関の名前と、どの規格による認証か

マークのそばに、認証を行った機関の名前が添えられていることがあります。たとえばエコサートは COSMOS の創設メンバーであると同時に、認証機関でもあります。エコサートの化粧品認証は、国際的な COSMOS 規格か、独自の Ecocert 規格のどちらかに準拠したもので、いずれもナチュラル・オーガニック化粧品のラベル付けにつながります。同じ「エコサート」の名前でも、どちらの規格による認証かで、もとになる基準が違うということです。

また、認証は原材料の生産者や製造業者、ブランドなど、化粧品に関わる事業者が自ら申請して受けるものです。

確認の仕方

  • 認証機関の名前と、COSMOS ORGANIC のような規格名が並んで書かれているかを見ます。規格名まで分かれば、判断軸1の表と照らし合わせられます。
  • 商品説明に「COSMOS CERTIFIED の原料を使用」のような書き方があれば、それは原料についての表示です。COSMOS では、原料向けの表示として COSMOS CERTIFIED と COSMOS APPROVED の2つが用意されています。

見落としやすいところ

原料についての表示を、製品そのものの認証と取り違えてしまうことです。製品として認証を受けているなら、COSMOS ORGANIC/COSMOS NATURAL の表示が付きます。反対に、認証は事業者が申請して受けるものなので、申請していない商品にはマークがありません。マークが無い商品は、このあとの成分表示(判断軸3)やブランドの姿勢(判断軸4)で見ていくと、候補から一律に外さずに済みます。

判断軸3:成分表示を、認証の基準と照らし合わせる

パッケージ裏の成分表示は、マークの有無に関係なく比べられる手がかりです。目安として使いやすいのが、NATRUE が使用を認めていない成分の一覧です。NATRUE の認証製品には、シリコーン、パラベン、鉱物油、マイクロビーズ/マイクロプラスチック、合成香料、遺伝子組み換え(GMO)原料が使えず、トリクロサンとフェノキシエタノールも禁止されています。

これは「NATRUE の基準では使えない」という意味で、それぞれの成分の安全性を評価したものではありません。手元の一本の成分表示にこれらの名前があるかを見るだけで、その商品が NATRUE の考え方にどのくらい近いかが分かります。

確認の仕方

  • 成分表示の中から、フェノキシエタノールやパラベン(メチルパラベンなど名前の一部に含まれることもあります)、シリコーン、合成香料といった言葉を探します。
  • 「天然由来成分〇%」のような数字を見かけたら、水を含めた割合かどうかに目を向けます。NATRUE では、天然成分の割合を計算するときに、添加した水を含めません。水を含めるかどうかで、同じ処方でも数字の大きさが変わるからです。

見落としやすいところ

植物由来・天然由来の成分なら、どんな肌にも合うと考えてしまうことです。植物の成分にも、肌に合う・合わないがあります。成分表示で考え方の近さを見たうえで、肌との相性は小さめのサイズから試すと、合わなかったときに使い切れずに残る量も少なく済みます。

判断軸4:ひとつの商品ではなく、ブランド全体を見る

認証を受けた商品がひとつあるからといって、そのブランドのすべてが同じ基準でつくられているとは限りません。NATRUE はこの点に条件を設けていて、同じブランド(またはサブブランド)の製品の少なくとも75%(10品中8品)が認証を受けていなければ、ラベルを付与しません。環境に配慮しているように見せかける、いわゆるグリーンウォッシングを防ぐためのしくみです。

確認の仕方

  • 気になる商品のブランドの公式サイトを開き、ほかの商品にも同じ認証の表示が付いているかを見ます。
  • ブランドが原料の産地や育て方、つくり方をどこまで言葉にしているかを読みます。認証を受けていないブランドを選ぶときの大きな手がかりになります。

見落としやすいところ

認証を受けた一品の印象で、同じブランドのほかの商品もすべてオーガニックだと思い込んでしまうことです。ラインごとに考え方が違うブランドもあるので、買い足すときは商品ごとに表示を見ます。

判断軸5:容器と詰め替え、使い切れる量まで考える

中身にこだわって選んだ一本も、使い切れずに捨ててしまえば、原料を育てた手間ごと無駄になります。オーガニックコスメを「よりよい選択」にするには、容器の素材や詰め替えのしやすさ、自分が使い切れる量かどうかまで含めて選ぶことが欠かせません。

確認の仕方

  • 同じ商品に詰め替え用やレフィルがあるかを見ます。本体を長く使えると、買い替えのたびに出る容器のごみが減ります。
  • 容器の素材を見て、使い終えたあとに住んでいる自治体の分別で資源として出せるかを考えます。
  • 毎日の使用量から、使い切るまでの期間をおおまかに見積もり、無理なく使い切れるサイズを選びます。

見落としやすいところ

お得に見える大容量を選んで、途中で肌に合わなかったり、ほかの商品に目移りしたりして余らせてしまうことです。初めてのブランドは小さめのサイズで相性を見て、気に入ったら詰め替えのある定番に切り替える。この順番なら、中身と容器の両方で無駄を出しにくくなります。

3. あなたはどのタイプ?暮らし方別に、最初に見るところ

5つの判断軸を一度に全部当てはめる必要はありません。いまの暮らしで大切にしたいことに合わせて、入り口をひとつ決めると選びやすくなります。

タイプA:肌あたりを大切に、少しずつ替えたい人

最初に見るのは判断軸3の成分表示です。認証マークが無い商品でも比べられるので、店頭でもオンラインでも同じ目線で選べます。小さめのサイズから試せば、肌との相性も無理なく見極められます。

一方、原料の育て方まで知りたい人には、成分表示だけでは足りません。気に入った商品が見つかったら、判断軸1の認証の段階もあわせて見ると、成分と原料の両面から納得して選べます。

タイプB:原料の育て方や、環境への配慮で選びたい人

入り口は判断軸1の認証の段階と、判断軸4のブランド全体です。ORGANIC/organic の段階には有機原料についての条件があり、NATRUE のようにブランド全体での認証を求める基準もあるため、つくり手の姿勢まで見通しやすくなります。

ただし、認証の有無だけで選ぶと、申請していない小さなブランドが候補から外れてしまいます。原料の産地や育て方を丁寧に言葉にしているブランドも、判断軸4の見方で候補に残しておくと選択肢が狭まりません。

タイプC:家から出るごみを減らしたい人

まずは判断軸5の容器と詰め替えから。毎日使う洗顔料や化粧水のように減りの早いものほど、詰め替えのある一本に替えたときの差が大きくなります。キッチンや日用品も含めて、ごみを減らす工夫をまとめて知りたい方は、ゼロウェイストのガイドもあわせてどうぞ。

容器だけで選ぶと、中身がどんな基準でつくられているかは分かりません。詰め替えのある候補が2つ並んだら、判断軸1の認証の段階で絞り込むと決めやすくなります。

タイプD:服や食べ物も、エシカルに選んでいる人

素材の背景や認証を見て服を選んでいる人なら、判断軸2の認証機関と規格から入るとスムーズです。エコサートのように、化粧品だけでなく農産物やテキスタイルのオーガニック認証も行う機関があり、服選びで身につけた「誰が、どの基準で認めたか」を見る目が、そのまま生かせます。服の素材の見分け方は、サステナブルファッションのコラムでも紹介しています。

すでにお気に入りのコスメが手元にたくさんある場合は、新しく買い足すより、いまある一本を使い切ってから、次の一本を判断軸に沿って選ぶほうが、無駄が少なく済みます。

オーガニックコスメは、「オーガニック」という言葉ではなく、認証の段階、認証機関と規格、成分表示、ブランド全体の姿勢、容器と使い切れる量の5つで見ていくと、自分に合う一本を選びやすくなります。全部を一度に替える必要はなく、いま使っているものを使い切るタイミングで、一本ずつ見直していけば十分です。

今夜はまず、いちばん減りの早い化粧水か洗顔料を手に取り、裏面のマークと成分表示を眺めてみてください。次の一本を選ぶとき、あなたはどの判断軸から見てみますか?

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Life Hugger 編集部

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