服やシーツについた血の落とし方、水で洗う理由と時間がたった染みの対処

スプレーを手に、布を押し当てて染みを抜く手元

運動会や外遊びが続く秋。すりむいた膝から体操服の裾に血がにじんでいたり、朝起きたら枕カバーに鼻血の跡が点々と残っていたりすることがあります。お気に入りの白いシャツについてしまうと、「もう着られないかも」と手が止まってしまいます。

血の染みは、お湯ではなく水を使い、こすらずに裏から押し出すと落としやすくなります。ついたばかりなら水と石けんで落とせます。乾いた染みや時間がたった染みも、つけ置きと酸素系漂白剤で落とせることが多くあります。

この記事では、染みの状態に合わせた手順と、シーツや布団のような洗いにくい布の手当て、染みを残しやすい扱い方を紹介します。

1. 血の染みにお湯を使わない理由

たらいの泡立った水で布をもみ洗いする手元

血液にはたんぱく質が多く含まれています。たんぱく質は熱が加わると固まります。卵を加熱すると白く固まるのと同じで、血にお湯をかけると繊維の中で固まり、かえって落ちにくくなります。最初の手当てでは、水道の水かそれより冷たい水を使います。

もうひとつの基本は「こすらない」ことです。こすると血が繊維の奥へ入り込み、染みの輪郭も広がります。染みの下に乾いたタオルを敷き、布の裏側から叩いて、汚れを下のタオルへ移すように押し出します。

石けんや漂白剤を使う前に、服のタグの洗濯表示も見ておきます。三角のマークに×が付いていれば漂白剤は使えません。三角に斜線が入っていれば、使えるのは酸素系の漂白剤だけです。ウールやシルクは、弱アルカリ性の重曹や粉末の酸素系漂白剤で傷みやすい素材です。

2. 染みの状態別、用意するものと時間の目安

染みの状態 使うもの 時間の目安 ポイント
ついたばかり(まだ濡れている) 冷たい水、洗濯用の固形石けん、タオル 5〜10分 裏から水で押し出す
乾いてしまった(数時間〜1日) 冷たい水、洗面器、重曹、古い歯ブラシ 30分〜1時間 水でふやかしてから洗う
時間がたった(数日以上・茶色っぽい) 酸素系漂白剤、製品の表示に合わせた温度のお湯(ぬるま湯〜40℃程度の製品が多い)、洗面器 30分〜数時間(製品の表示に合わせる) 先に水で血を流しておく
小さな点の染み オキシドール、綿棒またはコットン 5〜10分 色の濃い布では色抜けに注意

表は一般的な傾向をまとめたもので、時間は染みの大きさや布の厚みによって変わります。どの方法でも、作業の前に目立たない場所で色落ちしないか試しておくと安心です。

3. ついたばかりの血は水と石けんで落とす

濡れているうちは、まだ血が繊維の中で固まっていません。水だけでも多くを落とせます。

  1. 染みの下に乾いたタオルを敷き、冷たい水を含ませた別のタオルで裏側から叩いて、血を下のタオルへ移します。
  2. 布の裏から流水を当て、血を表側へ押し出します。
  3. 洗濯用の固形石けんを染みに直接こすりつけ、指の腹で軽くもみ洗いします。生地どうしを強くこすり合わせないのがコツです。
  4. 水ですすぎ、染みが見えなくなったら、いつもどおり洗濯機で洗います。

外出先なら、ハンカチやティッシュを裏に当て、水で湿らせた布で叩いておくだけでも十分な応急処置になります。持ち帰ったら、できるだけ早く上の手順で洗います。

4. 乾いた血は水でふやかしてから重曹で

乾いた血は表面が固まっているので、いきなり石けんをつけても繊維の奥まで届きません。まず水に浸して、固まった血をふやかします。

  1. 洗面器に冷たい水を張り、染みの部分を15〜30分ほど浸します。
  2. 重曹に少量の水を混ぜてペースト状にし、染みにのせます。
  3. 古い歯ブラシで、布目に沿って軽く叩くようにしてなじませます。
  4. 水でよくすすぎ、残っていれば固形石けんで部分洗いしてから洗濯します。

重曹は弱アルカリ性で、たんぱく質の汚れをゆるめるのに向いています。粒には研磨する力もあるため、薄い生地やプリントの部分は強くこすらないようにします。ウールやシルクには使いません。

5. 時間がたった血の染みには酸素系漂白剤

何日もたった染みや、一度洗濯したあとに茶色っぽく残った染みは、石けんだけでは落ちにくくなっています。ここで頼りになるのが酸素系漂白剤です。酸素の力で色素を分解する漂白剤で、塩素系と違って色柄物にも使える製品が多く、ツンとしたにおいもありません。

5-1. 酸素系漂白剤でつけ置きする手順

  1. 先に冷たい水で、落ちる分の血を流しておきます。
  2. 洗面器に、製品の表示に合わせた温度のお湯(ぬるま湯〜40℃程度の製品が多い)を張り、製品に書かれた量の漂白剤を溶かします。
  3. 染みの部分を浸し、製品に書かれた時間つけ置きます。
  4. よくすすいでから、いつもどおり洗濯します。

「血にお湯は使わない」という話と食い違うように見えますが、酸素系漂白剤は温度が上がるほど働きやすくなるため、お湯に溶かして使う製品が多くあります。温度は製品に書かれたとおりにします。大事なのは順番で、最初の水洗いで血をできるだけ減らしてから漂白剤に進めば、たんぱく質を固めずに落とせます。

酸素系漂白剤には、粉末タイプのほかに液体タイプもあります。粉末タイプは弱アルカリ性で汚れを落とす力が強い一方、ウールやシルクには向きません。白いシャツや綿のシーツなど丈夫な布の頑固な染みには粉末タイプ、日常の部分づけには液体タイプ、と分けて使うと便利です。

5-2. 小さな点の染みはオキシドールで

救急箱にあるオキシドール(過酸化水素の消毒薬)も、小さな血の染みに使えます。綿棒やコットンに含ませて染みに軽く叩き込むと、血液に含まれる酵素が過酸化水素を分解し、細かい泡が出てきます。泡が落ち着いたら、乾いたタオルで裏から押さえ、水でよくすすぎます。

漂白する力があるので、色の濃い布では色が抜けることがあります。目立たない場所で試してから使い、使ったあとは成分が残らないようにしっかりすすぎましょう。襟元や袖口の点々とした染みには、洗面器を出さずに済むこの方法が手軽です。

6. シーツ・布団・マットレスについた血の落とし方

シーツや枕カバーは、汚れた部分だけを先に手当てしてから洗濯機に入れます。染みを残したまま全体を洗って乾燥機にかけると、熱で染みが固まってしまうことがあります。広い布は染みの周りを輪ゴムでしぼり、その部分だけを洗面器に浸けると作業しやすくなります。手順は、染みの状態に合わせて3〜5章の方法を選びます。生理の血がついた下着やシーツも、同じ手順で落とせます。

丸洗いできない敷布団やマットレスは、水をたくさん使うと中綿まで染み込み、乾きにくくなります。固く絞った濡れタオルで上から叩き、乾いたタオルで水分を吸い取る、をくり返します。落ちにくいときは重曹ペーストやオキシドールを少量だけ使い、最後に水拭きして成分を取り除きます。仕上げに、風通しのよい場所で中までしっかり乾かします。

7. 血の染みを残しやすい5つの扱い方

  1. 最初からお湯やドライヤーで温める:たんぱく質が固まり、繊維に染みが定着します。手当てが終わるまでは水を使います。
  2. 表側からゴシゴシこする:血が広がって輪ジミになり、生地も毛羽立ちます。裏から叩いて押し出すのが基本です。
  3. 染みが残ったまま乾燥機やアイロンにかける:熱で染みが固まり、あとから落としにくくなります。乾かす前に、明るい場所で染みが消えたか見ておきます。
  4. 色柄物に塩素系漂白剤を使う:塩素系は白物用で、色柄物は色が抜けてしまいます。酸性のものと混ざると有害なガスが出るため、ほかの洗剤と一緒に使わないことも大切です。
  5. 洗濯表示を見ずに漂白剤や重曹を使う:ウールやシルクは傷みやすく、漂白不可の表示がある服もあります。作業の前にタグを見るだけで防げます。

8. 落としきれない服を手放す前にできること

手を尽くしても、うっすら残る染みはあります。それでも、すぐに手放す必要はありません。

  • クリーニング店のシミ抜きに任せる:ウールやシルク、ドライマークの服、思い入れのある一着は、無理に自宅で漂白せず、プロのシミ抜きに任せるのもひとつの方法です。
  • 部屋着や寝間着として着続ける:人前で着るには気になる染みでも、家の中なら十分に活躍します。
  • ウエスにして使い切る:着られなくなった綿の服は、切って掃除用のウエスにすれば、最後まで使い切れます。

9. エコな暮らしを無理なく続けるために(次のステップ)

染みを落として一着を長く着ることは、ゴミを出さない暮らしの身近な一歩です。「直して使う」の考え方は、服以外の持ち物にも広げられます。

服やシーツについた血は、熱を使わず、冷たい水で裏から押し出すのが基本です。道具は染みの状態で変えます。ついたばかりなら水と石けん、乾いた染みは水でふやかしてから重曹、時間がたった染みには酸素系漂白剤やオキシドールを使います。こうすれば、あきらめかけた一着もまた着られることが多くあります。

次に慌てないように、今日のうちに洗面所の棚を開けて、洗濯用の固形石けんと酸素系漂白剤があるか見ておきましょう。すぐに手当てできれば、お気に入りの服をこれからも長く着られます。

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Life Hugger 編集部

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