チョコレート検定プロフェッショナルが選ぶ、パッケージにも注目のフェアトレードチョコレート

チョコレートは、贈ってたのしい、もらってうれしい、おいしい冬のお楽しみ。今年のバレンタインは、大切な人や自分のためだけでなく、地球環境や社会にとっても幸せなチョコレートを選んでみませんか?

今回は、チョコレート検定プロフェッショナルの資格を持つ、チョコレートのプロが、“おいしい”のはもちろん、パッケージの素材にも配慮したゼロウェイストなフェアトレードチョコレートを厳選して紹介します。

チョコレートの裏側にある問題とは

チョコレートの原料カカオには、知っておくべきいくつかの課題があります。前提として、カカオが投機作物であることです。つまり、一般的なカカオの価格は、生産したカカオの品質とは関係なく、国際相場で消費国側に決められてしまいます。生産者が価格の決定に参加できないことや、情報にアクセスできないことで、カカオ豆が安く買いたたかれてしまう。貧しさゆえに、生産地の児童労働や働く人の健康、人権が守られない、といった問題が起きやすいという状況です。

こうしたカカオが抱える課題を解決するために、フェアトレードなどの仕組みが大切になります。最近では、直接生産地を訪問して品質向上のために共に研究を行い、品質に見合った価格を支払う、ビーントゥバー(カカオ豆の焙煎からチョコレートの製造を一貫して行う手法)のショコラティエやカカオ豆の取扱店なども少しづつ増えてきています。

おいしくてゼロウェイストなフェアトレードチョコレート4選

大切な人へのプレゼントや、がんばっている自分へのご褒美だからこそ、おいしくて、人や地球にもやさしい、とっておきのチョコレートを1枚を選びましょう。

1.チョコレートフロムヘブン

日本緑茶センター株式会社

画像出典:日本緑茶センター株式会社

“天にも昇るような心地”になった人間たちが宙を舞う。そんなカラフルなパッケージデザインが目を引くベルギーチョコレート。シンプルなビターやミルクはもちろん、オレンジやブルーベリー、ジンジャー、アーモンド塩キャラメルなど、個性的な組み合わせが楽しいラインナップです。

チョコレートフロムヘブンのチョコレートの売上の一部は、植林活動に充てられています。カカオ豆で作るチョコレートだからこそ、カカオの木が育つ自然に還元したいという想いを感じます。

【ウェブサイト】チョコレートフロムヘブン

  • ゼロウェイストなポイント:紙パッケージ、アルミ包装
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2.アヒチョコレートニット入り(スローウォーターカフェ)

カカオの多くが赤道近い生産国で栽培され、ヨーロッパやアメリカでチョコレートに加工されるのですが、このチョコレートは、カカオの栽培からチョコレート作りまで、すべてをエクアドルで手作りされています。「カカオニブ&塩のカカオ」「ポッとあたたかい唐辛子入りのアヒ」「蜂蜜の香りで栄養満点ビーポーレン入りのハチ」の3種類。小粒ながらカカオの風味がしっかりと感じられるチョコレートが詰まっています。

チョコレートはエクアドルのお母さんたちが手編みで作ったニットの巾着に入っています。チョコレートを食べ終わった後も、おしゃれな巾着として楽しめるところも、エコな取り組みではないでしょうか。

【ウェブサイト】スローウォーターカフェ

3.ウィンターチョコレート(第3世界ショップ)

第3世界ショップ

画像出典:第3世界ショップ

ずっしりと重たいチョコレートは、スイスならではのなめらかなミルクチョコレートにカルダモンやシナモンが香るチャイのようなスパイシーなフィリング入りのプラリネタイプ。まったりと甘い、冬だけの贅沢なチョコレートです。

魔法が降り注ぐ、やさしくて青い夜。柔らかなタッチで書かれたイラストの包装紙の裏には、第3世界ショップのフェアトレードに対する取り組みと、乳化剤に頼らない丁寧なコンチングによるチョコレートの製法について記されています。包装紙の下のチョコレートは環境負荷の少ないバイオマスプラスチック包装されています。

【ウェブサイト】第3世界ショップ

  • ゼロウェイストなポイント:紙の包装、生分解性プラスチック
  • 商品の詳細を見る:Amazon Yahoo!

4.NA’KAU

アマゾンの野生種カカオを使ったビーントゥバーチョコレートです。味わいを最大限に引き出すために、材料はシンプルにカカオと砂糖のみ。また、ミルクチョコレートではココナッツミルクを使用しているので、ヴィーガンの方にもおすすめです。ブラジルのオーガニック認証も取得していて、健康志向の方へのプレゼントにも喜ばれます。

クラフト調のパッケージには、カカオ生産者の名前がプリントされています。日本国内でも、パッケージのプラスチックの削減に取り組んでいて、2022年からはアソートセットが脱プラパッケージになりました。アマゾンの野生種のカカオ栽培が、アマゾンの森の保全につながっています。

【ウェブサイト】アマモスアマゾン


今回は、地球環境に配慮したゼロウェイストなフェアトレードチョコレートを4つご紹介しました。チョコレートには、環境や人権の面で、まだまだ解決しなければならない課題があります。そのおいしさで、私たちを幸せにしてくれるチョコレート。消費する側だけでなく、カカオの生産者やカカオの木が育つ地球にとっても幸せなものであってほしい。ぜひ、みんなが笑顔になれるお気に入りを見つけて、チョコレートシーズンをめいっぱい楽しみましょう。

【関連ページ】ゼロウェイスト生活でできること!アイデアまとめ【買い物編】

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牛嶋麻里子

福岡出身。フェアトレードを仕事にしてみようと思い立ち、2018年からは京都へ移住。アパレルのゼロウェイストや生産背景について学び、よりエシカルな選択ができる社会を目指して働いています。 プライベートでは、チョコレートのおもしろさとカカオの課題から目が離せなくなり、ひとりでフィリピンのカカオ畑に行ってみたり、チョコレート検定プロフェッショナルを取得してみたり。