必要最低限のモノだけを持ち、それ以外のモノはレンタルするといったシンプルな暮らし方が注目されている昨今。家の中のモノを減らすため、断捨離に関心を持つ方も増えています。とはいえ、まだ使えるモノは「捨てるのはもったいない」と、なかなか手離せないことも少なくありません。
そこで、使わなくなったモノを捨てずに、必要とする人に譲ることで繰り返し使用する「リユース」(再使用)を考えてみてはいかがでしょうか。
廃棄物を減らすことで自然環境への負荷をかけずに、不要なモノを手離す(手に入れる)ことができます。そこで今回は、使わなくなった不用品をリユースする方法をいくつか紹介します。
リユースとは
リユースとは、「繰り返し使う」「再使用する」といった意味で、使われなくなったモノを廃棄するのではなく、繰り返し長く大切に使うことで、自然環境への負担を抑えるための取り組みです。
具体的には、サイズアウトなどの理由で着られなくなった衣類をお下がりとして譲ったり、使えるけれども不要になった家具・電化製品などをリサイクルショップに持ち込み、必要な人に使ってもらうことです。廃棄を避けることで、ごみを廃棄した際に排出される二酸化炭素量を抑えることができます。
3Rs(リサイクル・リユース・リデュース)の1つ、リサイクル(再生利用・再資源化)は、例えば使用済みの空き缶から鉄やアルミニウムを作り出すといったように、一度資源に戻して再び利用できる形にすることです。
この再資源化する過程ではモノを燃やしたり溶かしたりするためのエネルギーが必要ですが、今回紹介するリユースは、モノがそのまま人から人へと循環するだけなので、エネルギーを最小限に抑えることができます。環境負荷の軽減、コスト面という点からも、まずは、リユースに取り組むことをおすすめします。
【関連ページ】日常から始めるエコ生活、3R推進月間をきっかけに環境に優しい選択を!
不要なモノを捨てずにリユースするにはどんな方法がある?
ここでは不要なモノを捨てずにリユースする方法を紹介します。さまざまな方法があるので、「手間がかからない」「輸送でかかる環境負荷が少ない」など、自分のライフスタイルに合ったやり方で、リユースをはじめてみてください。
近所に住んでいる友人・親戚知人に譲る
まずは近所に住んでいる友人や親戚、会社の同僚の中で、必要としている人がいないかどうかを聞いてみましょう。買い手を探すためにサイトに登録したり、過剰な梱包やラッピングの必要もないので、手間も省けて環境にもやさしい方法です。
子ども服や学用品、おもちゃなどは、使用期間が短いことや、子どもとの思い出が詰まっているなどの理由から、捨てるのが難しいと感じてしまいがち。その一方で、すぐに使わなくなるとわかっている子どものモノは買う時にも悩むもの。昔からある「お下がり」の習慣を生活に取り入れ、大切に使ってもらえると思えば、気持ちよく手放せるのではないでしょうか。
【関連ページお下がり
ご近所アプリ(譲れるコミュニティ)
ご近所アプリとは、アプリを通じて不用品のやり取りなどができる、地域密着型のマッチングアプリです。同じ地域内でのやり取りの場合は、荷物の受け渡しの際に直接取りに来てもらうなどして、配送不要にすることもできます。利用料や販売手数料が不要で、誰でも気軽に利用しやすい点が特徴です。
中古品店・リユースショップ
使わなくなった製品を中古品店やリユースショップに買い取ってもらうのもひとつの方法です。商品をショップに持ち込み、査定金額に納得できたら買い取りしてもらうという流れです。
少しでも価値のある状態で買い取りしてもらえるように、日頃から大切に使い、家電などの付属品や、説明書・保証書はきちんと保管し、製品と一緒に持ち込むことをおすすめします。
買い取り可能な商品はショップによって異なるため、事前確認は必須です。不用品がたくさんある場合には、出張買取サービスを利用することも可能です。
フリーマーケットやバザー
各地で定期的に開催されるフリーマーケットや、保育園や幼稚園で行われるバザーに参加する方法もあります。フリーマーケットへの参加には出店費用が発生するケースがあるため、事前に確認をしておきましょう。開催情報は口コミや地域情報誌、インターネットで集めることができます。
フリマアプリ
無料でダウンロードでき、ネット上で不用品を簡単に販売できるフリマアプリを利用する方法もあります。出品したいアイテムを撮影して商品の詳細を記載し、値段を決めて出店します。
買い手が見つかったら商品の発送手続きを行い、配達完了を確認できれば取引終了です。商品の撮影や配送などの手間はかかりますが、パソコンや携帯で手軽にできます。
ほとんどのアプリが無料で利用できますが、取引が成立するたびに販売手数料が引かれます。手数料の金額はアプリによって異なるので、事前に確認しておきましょう。
ネットオークション
ネット上で商品を売買し合うサービスのネットオークション。入札価格とオークションの期間を設定して出品すると、落札希望者が値段をつけていき、締め切りまでに最高値を付けた人が落札できる仕組みです。1円からの出品が可能ですが、月額使用料や手数料、その他送料などがかかる場合には、その点も考慮して出品することをおすすめします。
寄付
不用品を回収してリユースするだけではなく、社会貢献をしている団体をいくつか紹介します。
- セカンドライフ
- KIFUSURU
NPO法人グッドライフが展開するセカンドライフでは、不要になったものをリユースする活動を行っています。寄付された商品は、国内外で必要としている方に届けられます。不用品回収の際に支援者が払う申込み料金は、荷物の配送料や世界中の子どもの命を守るワクチンを支援する募金に当てられます。申し込み料金は、箱の大きさにより、2,300円(120サイズ)と2,900円(160サイズ)の2種類。申込み料金は全国一律で。1箱につき、配送料と1人分のワクチン募金とが含まれます。
NPO子ども支援センターのKIFUSURUでは、不要になった家電・おもちゃ・家具などの回収を行っています。寄付された不用品のうち、活用できるものを日本や世界の児童・福祉施設にいる子どもたちに届けたり、清掃・リユースして販売したりするなどして寄付活動を行っています。無料での不用品回収、または宅配での配送(有料)のいずれかで寄付できます。
リユースできないものはどうする?
上記の方法でリユースできないものは、住んでいる市区町村のルールに従った処分が求められます。なかには、法律によってリサイクルが義務付けられているものもあります。規則に従ってリサイクルにまわしましょう。
家電4品目のリサイクル
「エアコン」「テレビ」「冷蔵庫/冷凍庫」「洗濯機/衣類乾燥機」の家電4品目は、家電リサイクル法でリサイクルが義務付けられています。家電リサイクルの仕組みとしては、最初にリサイクル料を支払えば、全国に360以上ある指定引取場所への持ち込みが可能です。持ち込まれた家電は、家電メーカーのリサイクル施設で、資源としてリサイクルされます。
【参照資料】環境省のリユースに関するお知らせ
いかがでしたか。リユースであれば大切に使ってきたものを捨てることなく手離せて、これからも長く利用してもらうことができます。今年は不用品をリユースして、身の回りの整理整頓をしてみてはいかがでしょうか。
【参照サイト】まだ使える使用済み製品を活かす!エコでお得な「リユース」を考えてみませんか? | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン
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Yoko
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