「消費期限」と「賞味期限」とは?違いを理解して食品ロスを減らそう!

私たちの生活に必要な食品の期限には「消費期限」と「賞味期限」の2種類ありますが、その違いを正確に理解しているでしょうか?

これらの期限を正しく認識することは、私たちの健康を守るだけでなく、食品ロスを減らすためにも非常に重要です。

今回は、消費期限と賞味期限の違いについて詳しく解説します。また、食品ロス削減のために一人ひとりができることについても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

消費期限と賞味期限の違い

言葉の意味と表示方法、対象商品の違いを確認していきましょう。

意味

消費期限と賞味期限は以下のように意味が異なります。

消費期限

安全に食べられる期限のこと。

賞味期限

美味しさなどの品質が保たれる期限のこと。

画像は、消費者庁から引用。

賞味期限を過ぎたものでも、すぐに食べられなくなるわけではありません。ただし、保存方法を守っていなければ商品の劣化が早まる場合もあるため、表示されている保存方法をしっかり確認しましょう。

また、消費期限も賞味期限も未開封状態が対象となります。一度開封した食べ物は、期限にかかわらず早めに食べることが推奨されています。

表示

消費期限と賞味期限では表示方法が異なります。

消費期限

年月日で表示する必要があります。

賞味期限

製造日から賞味期限が3カ月を超えるものは年月表示も認められています。3カ月以内のものは年月日表示が必要です。

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画像は、農林水産省から引用。

対象商品

消費期限は急速に劣化する食品、賞味期限は比較的傷みにくい食品が対象となります。

消費期限

  • 惣菜
  • 弁当
  • 調理パン(サンドウィッチなど)
  • 生めん
  • 生菓子(ケーキなど)など

賞味期限

  • スナック菓子
  • カップめん
  • チーズ
  • 缶詰
  • ペットボトル飲料 など

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画像は、東京都保健医療局から引用。

私たちが、食品ロスを出さないためにできること

食品ロス」と聞くと、多くの人が社会的な問題と感じるかもしれません。しかし、家庭で発生する食品ロスの量が多いのも現状です。農林水産省のデータによると、令和3年度の国内食品ロス総量523万トンのうち、約46%が家庭で発生する食品ロスです。日常生活の見直しも、食品ロスの削減に役立ちます。

今回は、個人で取り組める食品ロス対策を場面ごとに分けて紹介します。

【参照サイト】農林水産省

買い物の時にできること

冷蔵庫や在庫の確認

無駄な買い物を防ぐために、買い物前に冷蔵庫内やパントリーなどの在庫の確認をするようにしましょう。携帯のメモや写真の機能を使い、自宅の食品在庫状況を買い物をしている時にチェックできるようにしておくのもおすすめです。

手前どり

商品を手にする時は、棚の手前から商品を取ることを意識できると良いでしょう。中には、どうしても期限が長いものを選ぶ癖がついている人もいるかもしれません。しかし、すぐに消費することが決まっている食品を購入する場合は積極的に手前どりをすると、店舗での食品廃棄量を減らせます。

ばら売りや量り売り

買い物をする時は、消費できる量だけを購入し、余らせないようにしましょう。まとめ売りで安く販売していることも多く、つい必要量以上に買ってしまう人も多いかもしれません。ばら売りや量り売りなどをうまく活用し、食品の無駄を防ぎましょう。

また、大容量の商品が安く売られていることもあります。安さに惹かれて商品を購入し、食べきれずに無駄にしてしまっては、食品もお金も結果的に無駄となってしまいます。大容量商品は、食べ切れる見込みがある場合のみ購入するようにしましょう。

期限の確認

スーパーでは、期限が迫っている食品を安売りするケースが多くあります。すぐに消費できるものであれば、期限が短くても問題ないため積極的に購入すると良いでしょう。値引き商品を購入することも食品ロス対策の1つです。

また、見た目や形状が従来と異なるだけで品質に問題のない規格外商品を購入することも食品ロス削減に貢献でき、節約にもなるのでおすすめです。

家庭の中でできること

食べきれる量を作る

調理時は、毎日同じ量を作るのではなく、家族の予定や体調などを考慮して作るようにすると良いでしょう。家族の体調不良や外出などで想定より消費が進まない場合もあります。家族とのコミュニケーションをしっかり取った上で調理できると作りすぎを防ぐことができます。

使い切りレシピやリメイクレシピを活用する

作り過ぎてしまった場合は、リメイクレシピや使い切りレシピを活用し、美味しく楽しく食べ切ることを目指してみてください。

例えば、ポテトサラダは、そのまま食べる以外にも、コロッケやグラタンなどにリメイクできます。リメイクレシピや使い切りレシピは、ネットで調べるとたくさんのアイディアが紹介されています。食品を無駄なく活用できるよう工夫しましょう。

好き嫌いをしない

当然のことですが、好き嫌いをすれば、食品が無駄になってしまいます。特に子どもの好き嫌いに頭を悩ませている人も少なくないでしょう。子どもの好き嫌いに関しては、「なぜ嫌いなのか」という原因を考えてみるのがおすすめです。それによって調理方法を変えればよいのか、成長するまでは代用食品を使うようにする方が良いのかなどの対策ができます。

適切な保存方法で保存する

食品を無駄なく使い切るという観点では、温度や湿度などに気をつけて適切に保存することが重要です。生鮮食品は、美味しい状態で長く保存できる方法を確認して保存できると良いでしょう。また何を保存しているか忘れずに管理するため、保存する食品の量には注意です。

外食の時にできること

食べられる量を注文する

外食時に注文する際は、量を把握して注文するようにしましょう。量がわからない場合は、店員さんに相談してから注文するなどし、食べ残しがないようにします。飲食店によっては、小さいサイズやハーフなどの選択肢があるため、状況にあわせて活用してみてください。

また、ビュッフェ形式の飲食店では、ついついとり過ぎてしまいますが、料理一種類ごとの量を調節するなどして、食べられる量をよそうようにしましょう。

20・10・0運動(にーまるいちまるゼロ)

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画像は、新潟市から引用。

20・10・0運動とは、新潟市が食品ロス削減のために始めた運動で、主に宴会の場で推奨されている取り組みです。宴会の始まりの20分間と終わる前の10分間は、参加者が料理をしっかりと楽しむ時間を確保し、食べ残しをゼロにしようというもの。新潟市では、幹事の人が参加者に呼びかけをすることが推奨されています。

持ち帰る

飲食店では食べ切れる量を注文することが重要ですが、万が一食べきれなかった場合は、持ち帰りができるか確認してみましょう。最近は、食品ロス対策として「mottECO(モッテコ)」のような食べきれずに残したものを持ち帰る取り組みを行っている外食サービスもあります。

【参照サイト】環境省

食べきれない食品がある場合

人にあげる

食べきれない食品や大量のもらいものなどは、期限が近づく前に友人や知人、家族などで分け合うようにしましょう。特に一人暮らしの人は、定期的に食品の在庫を確認し、計画的に人に譲れるようにしておくのがおすすめです。

フードバンクの活用

フードバンクは、規格外や過剰在庫となった食品を困窮世帯や食品を必要とする施設や団体に提供する仕組みです。食べきれない食品を無駄にするのではなく、寄付をして必要な人に届けるという選択肢があることを知っておけるとよいでしょう。自治体などに問い合わせ、寄付が可能な自宅近くのフードバンク団体情報を得るのがおすすめです。

【関連ページ】食品ロス回収を実施している企業や店舗まとめ!フードドライブとフードバンクの違いも

まとめ

今回は、賞味期限と消費期限の違い、個人でもできる食品ロス対策について紹介しました。日常生活を送る上で、一人ひとりが今までより少しだけ食品ロス削減を気にかけた行動ができると大きな変化が生み出せるかもしれません。ぜひ今回の記事を参考に、みなさんも一緒に食生活を見直してみませんか?


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飯田千聖

千葉県の海沿いの町で暮らすライター。ヨガ、アーユルヴェーダ、マインドフルネス、サステナブルなどに興味があり、それらを取り入れ、ゆったりとした暮らしをしています。 近々スリランカにアーユルヴェーダ修行に行く予定です!