いつ訪れてもパン棚に並ぶたくさんのパン。当たり前のように思える風景ですが、パンの賞味期限は決して長くありません。つまり閉店まで残ったパンは廃棄されてしまうことを意味します。まだ食べられるのに廃棄されてしまう食品ロスが問題視されていますが、なかでもパンはロスが深刻な食品と言えそうです。
特に自粛が続いたコロナ禍において問題が顕著となり、廃棄パンを救う目的でアプリやサービスが生まれました。今回は人気のロスパンのアプリやサイトのおすすめを5つ紹介します。
食品ロスとフードシェアリングサービス
「フードシェアリング」という言葉(サービス)を知っていますか。特にコロナ禍に入ってから、店舗やメーカーなどで食品の売れ残りが問題化し、このようなサービスがたくさん誕生しました。
まだ食べられるのに廃棄される食品ロスは、近年の大きな課題となっていて、今年6月に農林水産省及び環境省が公表した2020年の国内食品ロスは522万トン。企業やメーカーなど事業系では275万トンとなっていて、これは前年と比べると34万トン減少しているもののまだまだ改善の余地がありそうです。
対策のひとつとして、売れ残りなど食品ロスを防ぎたい小売店・飲食店や生産者と、食べものを求める人や団体をマッチングするアプリやサービスが誕生したものが「フードシェアリング」です。無駄な廃棄をなくすのはもちろん、食べることで社会貢献など、両者にとってメリットがあるのもポイントです。
特にパンは賞味期限が身近く、天候などで売り上げが左右されるため食品ロスが出やすい食品。心を込めて作られたパンの廃棄を少しでも減らしたいなら、ぜひこのようなサービスをチェックしてみてはいかがでしょうか?
【参考サイト】農林水産省|~食品ロス量(令和2年度推計値)を公表~
1.rebake(リベイク)
「人にも食べ物にも幸せな一生を」をヴィジョンに掲げた合同会社クアッガが2018年12月に始めたrebake(リベイク)。パンの力で食の未来を変えていく「パンのお取り寄せ・通販マーケット」です。
通常のお取り寄せはもちろんですが、廃棄される「ロスパン」を積極的に扱うrebakeを通して買い物をすることで、廃棄パンを少しでも減らすことに繋がります。
北海道から沖縄まで全国のパン屋さんから選べるため、消費者にとってはまだ知らないパン屋さんを発掘できるという魅力も。気になるパン屋さんのロスパンを「予約」できる仕組みもあるので活用してみてはいかがでしょうか。パンに特化しているため、パン好きにとっては利用価値の高いサービスです。
また収益の一部は、食品ロス削減に取り組む団体への寄付に充てられているのもポイント!
【公式サイト】rebake
- 特徴:パンに特化、通信販売、全国から取り寄せ、収益の一部を寄付
2.TABETE(タベテ)
TABETEは「すべての『食べて』を、『食べ手』につなぐ。」をモットーに、作り手の想いを最後の一食まで食べ手に届ける取り組みを行うフードシェアリングアプリです。
パンや洋菓子を中心に、登録ショップ数2,100以上、会員数は約50万人という国内最大級の規模を誇るサービス。今現在は、東京23区付近を中心とした首都圏、金沢市、大阪市、福岡市、名古屋市などの都市部の店舗が重点的に掲載されています。サービスを通して、環境に配慮したショップや企業を知ることができるのもメリットです。
使い方は簡単で、アプリ上で近くの店舗を探して取引時間を設定、その場で決済、時間になれば直接店舗を訪れレスキューするだけ。支払い済みなので店舗では受け取るだけです。家や職場の近くに気になるショップがあるなら、お気に入り登録をしておくと通知が届くので便利です。
【公式サイト】TABETE
- 特徴:国内最大級の規模、店舗受け取り
3.tabeloop(タベループ)
「おいしい食べ物のloopで、幸せのloopをつなぐ」を掲げる、作り手と生産者をつなぐフードシェアの新しいカタチ。一生懸命作られた美味しい食べ物の多くを捨ててしまっている「もったいない」社会の仕組みを、「もったいない精神」で解決するために誕生した社会課題解決型のサービスです。
パンはそこまで多くないものの、規格外の野菜や果物、海産物、加工品など品揃えが豊富です。なかには1円で販売されている掘り出しものも!楽しくお買い物をしながら、社会貢献にもなるとは消費者にとっても嬉しいですね。
また購入代金の一部は、飢餓撲滅に貢献する団体に寄付しているそうです。
【公式サイト】tabeloop
- 特徴:品揃えが豊富(パンは少なめ)、通信販売、掘り出し物あり、収益の一部を寄付
4.Let(レット)
500万人が利用している、食品ロス対策のサービスアプリLet。「テクノロジーで食糧問題を解決する」をミッションに掲げる株式会社レットが運営しています。余った在庫、型落ち品、見切り品、B級品、規格外品など、さまざまな「訳あり品」を購入できるマーケットです。店舗に並べられないけれどまだまだ食べられる商品を購入することで、食品ロス対策に繋がります。
パンはもちろんですが、肉や魚、野菜、フルーツまで食卓のすべてを購入できる品揃えで、利用者が多いのも納得です。用途や目的ごとに商品を探せるLetのアプリやサイトは、見ているだけでもワクワクした気持ちになってきます。一度覗いてみてはいかがでしょうか。
【公式サイト】Let
- 特徴:品揃えが豊富、通信販売
5. +PLUS FOOD(プラスフード)
「食品ロスを少しでも減らすことができるシステムを作り、地域に貢献したい」という思いを込めて誕生した、プラスフード。現在は、札幌市の地域に特化したサービスを行っています。
ほかのサービスと大きく違うのは月額制であること。しかも定額なので例えば1,078円(税込み)のライトプランでは月に10回利用できます。つまり5回買い物しても、一度あたり215円ということになりとてもお得!買い物のたびに決済をしなくていい点もメリットです。プランはライトプラン・スタンダードプラン・スペシャルプランの3種類があり、それぞれ利用可能な回数が異なります。掲載店舗を見るだけなら、無料のトライアルプランに申し込むことも可能です。
また公開されている収益の分配図によると、5%は子供支援に充てられているそうです。
ほかとは違うユニークなフードシェアリングサービスなので、全国に拡大していくことに期待したいですね。
【公式サイト】+PLUS FOOD
- 特徴:月額/定額制、札幌市限定、店舗受け取り、5%を寄付
廃棄パンを購入できる、フードシェアリングサービス・アプリを紹介しました。
このようなサービスによって、生産者さんが商品を捨てずに済むだけでなく、近くのお店を発見したり、全国の美味しいものがお得に購入できるのは消費者にとってもメリットです。もちろん食品ロスが出ない社会が理想ですが、現状の廃棄を少しでも減らすための取り組みとして覚えておきたいですね。
【関連ページ】食品ロス率1.2%! 神戸のゼロウェイストなパン屋さん「ケルン三宮店」を取材
【関連ページ】ロスパンで食品ロス削減!rebake(リベイク)のおすすめパン屋さんも
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