紙や紙製品の開発・販売を行なっている株式会社ペーパルは、この度、廃棄されるお米のもみがらを活用した紙「momi-kami(モミカミ)コートボール紙」の開発に成功し、同素材を使った製品を販売していく。
同社では、SDGsの取り組みとして食品ロス問題の解決を目指すため、2020年に「Food Loss Paper(フードロスペーパー)」の開発を行なうプロジェクトを発足した。以来、食べられなくなったお米で作った紙素材「kome-kami(コミカミ)」、廃棄となるモルト粕を使ったクラフト紙「クラフトビールペーパー」などを開発し、名刺やポストカードなどの様々な紙製品を販売。さらに、Food Loss Paperの売り上げの1%をフードバンクに寄付している。
そのような取り組みを行なう中で、他社からお米の生産工程で排出される大量のもみがらを有効活用できないかとの依頼があり、誕生したのがmomi-kamiコートボール紙である。(※コートボール紙とは、食品などのパッケージやケースなどに使用される厚紙のこと。)
同素材は、幸南食糧より2022年10月1日から販売予定の「お茶碗がいらない一膳お粥」シリーズの紙パッケージとして活用される。今後は、momi-kamiを広く普及させ、もみがらのアップサイクル量の拡大を目指しているとのこと。
もみがらは日本だけで年間約200万トン、世界中で年間約1億トンもの量が排出されている。もみがらは、焼却時に発生する煙・においによる体調不良や洗濯物などへの影響があるため、焼却処分を禁止する地域が多い。最近では、もみがらを他の用途で活用することもあるが、それでも多くのもみがらが一般廃棄物として処分されているのが現状だ。そのため、もみがらをアップサイクルして新たな資源として活用することは、地球環境を守ることにもつながる。
また、momi-kamiコートボール紙をプラスチックの代替品としてパッケージなどに使用することは、海洋プラスチックごみの削減にも結びつく。このように、momi-kamiはSDGsに広く貢献しているのである。
お米の生産工程で排出されるもみがら。用途が限られているとはいえ、大量に廃棄されるのはもったいないし、悲しいこと。momi-kamiのように、廃棄されるものをアップサイクルし、価値あるものに生まれ変わる取り組みが今後ますます広まってほしい。
【参照サイト】株式会社ペーパル|Food Loss Paper
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あゆみ
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