【Osakaほかさんマップを歩く】コンポストがあるスターバックス。森の未来を育む河内長野高向店

スターバックス 河内長野

大阪の梅田にある「スターバックスの森」と言われているスターバックス コーヒーLINKS UMEDA 2階店には、「JIMOTO table プロジェクト」として、地元のおおさか河内材や大阪産のくりの木を使ったオリジナルの家具が設置されています。その木材の産地である大阪府河内長野市に、地域の未来をつなぐコーヒー豆のかすと木材チップを使用した、たい肥作りに取り組むスターバックスコーヒー 河内長野高向店があります。

店内には地元のおおさか河内材で作られたオリジナルの家具が、広々とした明るい店内に溶け込んでいて、第二の我が家のように和やかで親しみやすい空気が流れています。

河内長野高向店1

コンポストは駐車場の端、隣接する畑に面した場所に設置されています。スターバックス コーヒー 河内長野高向店では、店で出たコーヒー豆のかすと大阪府森林組合南河内支店で木材加工時に出る木材チップや落ち葉、草を材料にコンポストでたい肥化し、まずは店舗の敷地の植栽に使用していく予定だそう。また、敷地内で苗木を育てて植樹することで地元の森を守り、未来につないでゆきたいという想いがあると言います。

コンポストの中身は、コーヒーをいれた後の豆のかすと木材チップ、落ち葉や草。現在は、スターバックス コーヒー 河内長野高向店オリジナルのたい肥作りのレシピを模索中とのこと。訪問した当日は、地元の森林組合の方と店舗のパートナーの方によるたい肥作りが開催されていました。

森林組合

たい肥作りプロジェクトを一緒に進めている河内長野市の大阪府森林組合南河内支店の方々

コーヒー豆の状態や水分量などの条件を変え、たい肥の発酵の状態を調べ、話し合いながらオリジナルのたい肥レシピに関する議論が活発に交わされていました。

今後のワークショップの開催予定をスターバックスコーヒー ジャパン 広報部コンシューマーエンゲージメントチームの田中有紀さんに尋ねてみると、「今はまず、たい肥作りの環境について、地元の森林組合の皆さんと近隣の店舗パートナー(従業員)とで実証実験中です。将来的には一般の方にもご参加いただき、たい肥作りを通して地域の皆さんが集うコミュニティの場になることをめざしています。」との答えが返ってきました。

たい肥作り勉強会2

今回はそんなたい肥作りに取り組むスターバックス コーヒー 河内長野高向店の店舗デザインを担当した、店舗開発本部 店舗設計部 サステナブルデザインチームの中川拓真さんから、河内長野高向店のコンセプトについてお話を伺いました。

地域の人のつながりを生み出してゆく、きっかけなる場所

LINKS UMEDA 2階店が都会で森を感じる場所であれば、スターバックス コーヒー 河内長野高向店はその森のルーツを五感で感じる場所に、という想いが込められていると中川さんは言います。

「お店のコンセプトとして、地域の方や河内長野高向店のお客様とつながりをたくさん生み出すきっかけになる場を作りたい、というものがありました。地域の雰囲気に溶け込み、継続的に地域の方と関わり、つながり、育む。そのための取り組みのひとつとして、建物やインテリアに地元の木材を使ったり、店で使ったコーヒー豆のかすを利用したたい肥づくりを行ったりしています。」

しかし、こうしたおおさか河内材の使用や、たい肥作りなどは最終的な目的ではなく、こういったことをきっかけに地域の方とのちょっとした会話が生まれ、地域内でいろいろな方向に活動が広がってくれたらいい。そんな地域とのつながりが生まれるような場所になって欲しいと考えています。」

たい肥作り勉強会

たい肥作りワークショップの様子

また、LINKS UMEDA 2階店を訪れる多くの人が、大阪に森があること自体を知らなかったと言います。河内長野の森に興味を抱く人が増えるなか、この流れを継続していく仕組みが必要だと中川さんは感じていました。

「多くの人は大阪に森があること自体に気づいていません。私自身、LINKS UMEDA 2階店をつくった際に初めて、大阪にも自然豊かな森とおおさか河内材という地元のすばらしい資源があることを知り、河内長野の方とのつながりも生まれました。

一方で、LINKS UMEDA 2階店だけではおおさか河内材を知るきっかけづくりや、地域とのつながりを持続していくのは難しいという課題感を抱いていました。そんな時、まさに森のお膝元である河内長野に新店舗をつくることになりました。そうした経緯から河内長野高向店では地元にある豊かな森を感じながら、地域とのつながりを持続していける店づくりを意識しました。」

スターバックス河内長野高向店3

直接触れて感じてもらいたい、地元のぬくもり

地元の木材を使ったオリジナル家具はどれも肌触りが優しく、店内もどこか自宅の居間でくつろいでいるような温かい空間を作り出しています。店舗を訪れた人が地元の木材の心地よさを感じられる工夫について中川さんに伺いました。

「河内長野高向店に限らず、木材は昔からスターバックスの内装に使われてきた素材です。自然の恵みから生まれたコーヒーを提供する場所なので、同じ自然界にあるもので、肌触りが優しくて見た目もナチュラルに、というのはブランドが大切にしている表現です。そうした想いが地域と向き合った時に、地元の身近な森で育ったという事実がプラスされて親近感が湧き、木材に対する興味が深まります。

店舗づくりでは木材の良さを感じてもらうためにお客様が直接触れたり、過ごしてもらいたい場所には地元の木材を使ったりすることを大切にしています。おおさか河内材を使ったオリジナル家具は、一つひとつ肌触りが柔らかい感じで制作してもらっているため、お客様からも気に入っていただいていると聞いています。ゆくゆくはお客様がおおさか河内材の家具を購入できて、自宅でも使うなど、地域内で循環が生まれたらいいと思います。」

河内長野高向店2

地域コミュニティの拠点となるスターバックスへ

将来的には、河内長野高向店にあるコンポストの土で育てた苗木を山に植林し、地域の人とともに河内長野の森を守ってゆく。そんな地域未来を育むコミュニティの拠点のような場所になってほしい、中川さんは言います。

「河内長野高向店に関しては、まずは今やっているたい肥作りのところから、地域の方との関係も広げていって、地域の一員と言うか、ずっと寄り添って行ける場所になっていくといいなと考えています。そして、最終的には河内長野高向店だけではなく、すべての店舗が地域にとってなくてはならない場所であるために何ができるのだろうかと考え、日々地域に寄り添った店づくりを行うことが大切ではないかと思います。」

河内長野高向店ワークショップ

編集後記

コーヒー豆のかすと木材チップ、落ち葉と草でできたたい肥で、循環の仕組みづくりに取り組むスターバックス コーヒー 河内長野高向店は、コーヒーを楽しむだけではなく、コンポストを通して地域の人が集い、心地よいつながりを育む場所でした。広報担当の田中さんの「おいしいコーヒーをずっとお客様に届けていくということは、自然だったり地球だったりを守ってゆくことにつながります。おいしくできたコーヒーを届けることが、お店のある地域を大切にすることにつながっていきます。」との言葉を聞き、スターバックスのサステナビリティや地域への想いを感じました。

こうした地域のコミュニティの拠点となる、スターバックスが日本全国に増えていって欲しいです。50年後の河内長野には、コーヒー豆のかすと木材チップなどのたい肥で育った木が集まる、スターバックスの森があるかもしれない、そんな未来へ期待が膨らみました。

Osakaほかさんマップ利用情報

スターバックス コーヒー 河内長野高向店
対応容器タイプ:マイボトル
所在地: 大阪府 河内長野市 高向825-1
電話:0721-50-3322
詳細情報:スターバックスコーヒー 河内長野高向店

スターバックスコーヒー河内長野高向店外観

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Life Hugger 編集部

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