一般家庭から出る野菜クズなどの生ゴミを、微生物の力によって分解・発酵させ、栄養のある堆肥に生まれ変わらせる「コンポスト」。最近では、生ゴミの減量化や市民のゴミ問題への関心を高めるため、コンポストを購入する際に助成金を交付する自治体も増えて来ている。
こうしたコンポストへの注目が高まりつつある中、京都の複合型商業施設GOOD NATURE STATIONでは、循環型農業を実践する「NPO法人日本食品リサイクルネットワーク」と「近江園田ふぁーむ」の協力のもと、ホテルやレストランから排出された食べ残しなどの食品廃棄物をコンポストで堆肥化し、その堆肥を使って育てたお米を今年初めて収穫した。
『信じられるものだけを、美味しく、楽しく。人も地球も元気にする“GOOD NATURE”なモノ・コトが集まる場所。』をコンセプトに掲げ、開業前から施設内で排出される食品廃棄物を大地に返すプロジェクトを実施。その取り組みによって今年初めて収穫されたお米は、「えんこう米」として施設内で販売・提供される。
循環するお米のサイクルは、まず「NPO法人日本食品リサイクルネットワーク関西支部」によるサポートのもと、GOOD NATURE STATIONのレストランやホテルから排出された食べ残しなどの食品廃棄物を、施設内にあるコンポストで堆肥化することから始まる。このコンポストは、主に食品廃棄物を微生物の力で分解・発酵させ、肥料のもとが作られる仕組みだ。
その後、滋賀県近江市で循環型農業を実践する「近江園田ふぁーむ」に持ち込まれ、米ぬかやくず米、大豆カスなどと一緒に混ぜ込んで、さらに熟成。肥料として使用できるようになる。
今年の5月には田植え、9月には稲刈りの作業を、実際にGOOD NATURE STATIONで働くスタッフが体験。「近江園田ふぁーむ」の会長によるレクチャーのもと、モチモチと粘り強いおいしい品種である「夢ごこち」の田植えを行った。
このとき植えられた「夢ごこち」は、館内の1階マーケットで販売中。同フロアのレストラン「ERUTAN」でも、モーニングとディナーコースの1品として提供されている。さらに、10月30日・31日には、サステナブルなお米「えんこう米」の品種食べ比べイベントなども開催されるとあり、コンポストによって循環するお米を試食できるチャンスだ。
平成30年度には、600万トンもの食品ロスが日本から発生している。コンポストによって肥料を作り出し、育てられた「えんこう米」は、きっと食品ロス削減への関心を高めるだろう。「サステナブルなお米」を、1度購入してみてはいかがだろうか。
【参照サイト】GOOD NATURE STATIONウェブサイト
【詳細・口コミを見る】Booking.com/Expedia / 楽天トラベル
【参照サイト】NPO法人NPO法人日本食品リサイクルネットワークウェブサイト
【参照サイト】近江園田ふぁーむウェブサイト
【参照サイト】食品ロス量(平成30年度推計値)の公表:農林水産省
むなかたりょうこ
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