朝晩が冷え込み、そろそろあたたかい羽毛布団の出番という季節になりました。久しぶりに出した羽毛布団を見て、「なんだかふくらみが減った」「以前よりあたたかさを感じにくい」と思うことはありませんか。
羽毛布団は、正しく手入れをすれば10年、20年と長く使えるといわれる寝具です。へたってきたからといって、すぐに買い替える必要はないかもしれません。今回は、羽毛布団がへたる理由と、日々のお手入れ、そして「リフォーム(打ち直し)」という選択肢まで、長く使うための基本を紹介します。
羽毛布団が「へたる」のはなぜ?
羽毛布団のあたたかさは、羽毛が空気をたっぷり含んでふくらむ力(かさ高)によって生まれます。使ううちにこのふくらみが失われると、あたたかさや軽さが損なわれていきます。
原因はいくつかあります。毎晩の寝汗や湿気を羽毛が吸い込むこと、皮脂汚れが羽毛に付着すること、長期間の圧縮や、誤った保管でダニ・カビが発生すること。こうした積み重ねで、羽毛同士が絡んだりつぶれたりして、本来のふくらみが出にくくなります。
裏を返せば、湿気や汚れをためない手入れを続けることで、へたりの進行はゆるやかにできるということです。
羽毛布団を長持ちさせる、日々のお手入れ
特別な道具がなくても、毎日のちょっとした習慣で羽毛布団の寿命は変わってきます。
こまめに湿気を逃がす
人は一晩でコップ1杯分ほどの汗をかくといわれます。朝起きたら布団をめくって湿気を逃がし、ときどき風通しのよい場所で陰干しをすると、羽毛が湿気を含んだままになるのを防げます。
天日干しは「短時間・カバーをかけて」
羽毛布団は、長時間の直射日光が苦手です。干すときはカバーをかけたまま、片面1時間程度を目安にし、たたいて羽毛を傷めないよう、表面のほこりを払う程度にとどめましょう。天気のよい日に月1〜2回ほどで十分です。
カバーをかけて汚れから守る
羽毛布団は、カバーをかけて使うのが基本です。カバーが皮脂や汗の汚れを受け止めてくれるため、本体そのものの傷みを抑えられます。カバーはこまめに洗濯し、清潔を保ちましょう。
正しくしまう
オフシーズンにしまうときは、湿気をしっかり逃がしてから。圧縮袋で強く押しつぶすと羽毛が傷むため、通気性のある収納袋でゆったり保管するのがおすすめです。
へたりが戻らないときは「リフォーム(打ち直し)」
日々の手入れをしても、長年使ううちに、羽毛のふくらみが戻らなくなることはあります。そんなとき、すぐに買い替えるのではなく、「リフォーム(打ち直し)」という選択肢があります。
羽毛布団のリフォームとは、中の羽毛を取り出して洗浄・乾燥させ、へたった羽毛を取り除いて新しい羽毛を足し、傷んだ側生地を新しいものに仕立て直す方法です。質のよい羽毛ほど、洗浄してふくらみを取り戻せる場合が多く、思い出のある一枚や、上質な羽毛布団ほどリフォームの価値があります。
買い替えと比べて費用を抑えられることも多く、使い慣れた羽毛を生かしながら、またふかふかの状態で使い続けられます。「捨てる・買い替える」の前に、まず手持ちの羽毛布団がリフォームできるか検討してみるのもおすすめです。
長く使うことを前提に、羽毛布団を選ぶ
羽毛布団を長く使ううえでは、そもそも「長く使える品質のものを選ぶ」ことも大切です。
安価な羽毛布団をこまめに買い替えるより、手入れやリフォームをしながら質のよい一枚を長く使うほうが、結果として環境にも、長い目で見れば家計にもやさしい選択になることがあります。羽毛の質やダウン率、そしてリフォーム・メンテナンスに対応しているかまで含めて選ぶと、長く付き合える一枚に出会いやすくなります。
たとえば、創業450年以上の歴史を持つ昭和西川は、長く使い続けることを前提とした「100年羽毛」をはじめ、愛着のあるものをメンテナンスしながら使い続ける循環を大切にしているメーカーのひとつです。長く付き合える羽毛布団を探すときの選択肢として、のぞいてみてはいかがでしょうか。
手放すときは、資源として生かす
リフォームを重ねても、いつかは役目を終えるときがきます。手放すときは、できるだけ資源として生かす方法を選びたいものです。
羽毛は貴重な資源で、回収して洗浄・精製し、新しい羽毛製品へと再生する「リサイクル」の仕組みが広がっています。メーカーや専門団体が回収を行っている場合があるほか、自治体によって資源回収の対象としているところもあります。お住まいの自治体のルールや、回収サービスの有無を確認してみましょう。
「使い切る」だけでなく「次の資源につなげる」ところまで考えると、羽毛布団との付き合い方に、もう一歩循環の視点が加わります。
まとめ
羽毛布団は、日々のお手入れと、ときどきのリフォームで、長くふかふかのまま使い続けられる寝具です。
へたってきたと感じても、すぐに買い替える前に、まずは手入れとリフォームでよみがえらせられないか考えてみる。新しく選ぶときは、長く使えるかどうかという視点を持ってみる。手放すときは、資源として生かす方法を探してみる。
そんな小さな積み重ねが、心地よい眠りと、ものを大切にする暮らしの両方につながっていきます。
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