お気に入りのニットにあいた穴、欠けた器、ほつれたぬいぐるみ。愛着はあるのに直し方が分からず、しまい込んでいるものはありませんか。
壊れたら買い替えるのではなく、手をかけて長く使う。そんな「直して使う」文化を支える活動が、国内外で広がっています。地域で開かれるリペアカフェやおもちゃ病院、企業による修理サービスなど、身近な場所でリペアに触れられる機会も増えてきました。今回は、いま知っておきたい代表的な取り組みを紹介します。
地域のみんなで直す「リペアカフェ」
リペアカフェは、地域の人が壊れたものを持ち寄り、修理の知識や道具を持つボランティアと一緒に直す場です。衣類や家電、家具、おもちゃ、自転車など幅広いものが対象となります。
2009年にオランダで始まり、現在では世界3,500か所以上に広がったとされています。日本でも東京や神奈川、大阪、京都、兵庫、福岡など各地で開催されており、直し方を学びながら自分で修理に挑戦できるほか、修理をきっかけに地域の人と交流できる場としても親しまれています。
おもちゃ病院やブランドのサービスも身近な選択肢に
子どもの壊れたおもちゃをボランティアの「おもちゃドクター」が原則無料で修理してくれる「おもちゃ病院」も全国各地で活動しています(部品代などの実費がかかる場合があります)。児童館や公共施設などで定期的に開かれている地域も多く、一般社団法人日本おもちゃ病院協会のサイトから開催場所を探せます。
企業によるリペアサービスも広がっています。パタゴニアの「Worn Wear」は修理を通じて製品を長く使うことを提案しており、モンベルでは生地の補修から登山靴のソール交換、傘の修理まで幅広く対応しています。ユニクロの「RE.UNIQLO STUDIO」では、衣類のお直しやリメイクサービスを展開しています。
また、穴やほつれを色糸で補修して模様として楽しむ「ダーニング」や、割れた器を漆でつなぐ「金継ぎ」など、修理そのものを楽しむ手仕事にも注目が集まっています。各地で教室やワークショップが開催されており、初心者でも気軽に参加できます。
ぬいぐるみを直す、新しいリペアの場も
こうしたリペア文化の広がりのなかで、新しいコミュニティも生まれています。
ぬいぐるみと本の店「ぬいつぎ」は、修理や手入れの相談ができ、ぬいぐるみを愛する人が交流できる「ぬいぐるみリペアカフェ」の開催を目指し、2026年9月現在クラウドファンディングを実施しています。
イベントでは修理相談やリペア体験のほか、リペアカフェを題材にしたドキュメンタリー映画の上映も予定されています。思い出の詰まったぬいぐるみを「直して長く一緒に暮らす」という選択肢を提案する、新しい取り組みとして注目されています。
リペアは、壊れたものを元に戻すだけではありません。愛着のあるものを長く使い続けることや、ものづくりを通して人とつながることなど、新しい価値を生み出す文化でもあります。
まずは近くのおもちゃ病院を利用してみる、メーカーの修理サービスを調べてみる、ワークショップに参加してみるなど、身近なところから「直して使う」暮らしを始めてみてはいかがでしょうか。
【参考】
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