世界中で関心が高まっている気候変動や脱炭素といった社会課題への対応に向け、各国ではCO2排出量の削減やプラスチック製品への規制が広がっている。日本でも2022年4月から「プラスチック資源循環促進法」が施行され、従来の使い捨てプラスチック製品に変わるサステナブルな製品へのシフトが求められている状況だ。そんな中、国産間伐材を原料に活用し、繰り返し洗って使えるエコボトル「森のマイボトル」が販売された。
使い捨てという消費行動から、ごみを出さない「ゼロウェイスト」や「サステナビリティ」といった価値観への変化のなかで、マイボトルへの注目は年々高まっている。同製品は「マイボトルを積極的に携帯する」という文化の醸成を目指して開発されたもの。
製品には和歌山県産ヒノキの間伐材をプラスチックに混ぜ込んだ素材を採用。ボトル本体はもちろん、キャップから土台部分までのすべてに使用されており、容器全体の28%を構成している。固い木材をキャップができるボトルの形状に加工するのが大変だったそうだ。
容量は420ml、全高は165mm、重さは65g。対応温度は-20℃〜100℃で、温かい飲み物も問題なく使用可能(電子レンジは使用不可)。食洗器で洗うこともでき、木材ならではの自然な質感と心地よい香りが、プラスチック製品とは異なる体験を味わえるものとなっている。
同商品は1,650円(税込)で、オンラインショップ「アサヒユウアスモール」にて購入可能であるほか、渋谷ストリームエクセルホテル東急の全客室への導入がはじまった。さらに丸井グループのマルイファミリー溝口では3月2~6日、草加マルイでは3月7~13日の間に、サステナブル期間限定ショップで販売される予定だ(各店平日は展示のみ、販売は土日限定)。
いちはやく導入を決定した渋谷ストリームエクセルホテル東急は、プラスチック廃棄物の削減を目指し、これまで客室で無償提供していたミネラルウォーターを廃止。各フロアにはウォーターサーバーを設置し、2月24日からは森のマイボトルにミネラルウォーターを入れて携帯することを提案している。
同ホテルはこれまでにもプラスチック製ストローやヘアブラシ、レザー製品などを廃止し、バイオマス(麦の廃棄物)を使った製品をアメニティとして採用するといった取り組みを実践してきた企業のひとつだ。今後は容器レスでどこでも給水できるような仕組みを、地域や企業と連携し進めていきたいとのこと。
製品の開発や販売促進だけではなく行動の変化を促す本企画は、サステナブルやエシカルといった活動が、誰もがすぐにはじめられるものだと気づくきっかけにもなっている。今は珍しいと思えるこれらの製品やサービスが、当たり前のものになっている日はそう遠くないのかもしれない。
【参照サイト】アサヒユウアスモール
【参照サイト】渋谷ストリームエクセルホテル東急
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斉藤雄二
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