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星野リゾート、歯ブラシリサイクルの仕組みを導入へ

星野リゾート 歯ブラシリサイクル

ホテルや温泉に置かれているクシやシャワーキャップ、歯ブラシといったアメニティ。竹や木など代替素材を採用したり、配布方法を工夫したりする宿も増えており、旅行者は環境へのやさしさを選択肢に取りいれられるようになった。

国内外に60の施設を運営する星野リゾートでは、プラスチック削減に向けた取り組みとして、使用済み歯ブラシをリサイクルする仕組みを構築。2022年中に同社が運営する国内51あるすべての宿泊施設に導入することを発表した。

回収した使用済み歯ブラシは、愛媛県喜多郡内子町でホテル歯ブラシを製造する昭和刷子社等で分離および粉砕、ペレット化し、新しい歯ブラシの原料として再利用される。これまで廃棄されていた年間100万本以上の歯ブラシが、今後は新たなプラスチック資源として循環していく。

星野リゾート 歯ブラシリサイクルの仕組み

この流れをつくるまで、同社が課題としていたのが、新しい歯ブラシを安定してつくり続けるための「原料不足」だ。使用済み歯ブラシは100%すべてがリサイクルできるわけではない。そのため、星野リゾートは他社メーカー協力のもと、ほかの家電から再生した樹脂を歯ブラシの原料に加えることで、原料不足の解決にいたった。

同社のラグジュアリーホテルブランド「星のや」ではすでに歯ブラシリサイクルの仕組みを導入完了しており、そのほかの宿泊施設においても随時導入を進めている。

また、同社はかねてより、ペットボトル入りウォーターに代わりウォータージャグを設置することや、個包装の液体ソープをポンプボトル式へ変更するといった、プラスチック削減に向けた取り組みを進めている。「星のや」ではアメニティのパッケージに石灰石を主原料とするプラスチック・紙の代替素材「LIMEX（ライメックス）」を採用しており、歯ブラシと同じく、使用後は回収し再資源化が可能だ。

サステナビリティに配慮した旅行と、さまざまな旅のニーズに合わせた宿泊を両立したい方にとって魅力ある星野リゾートの取り組み。夏の暑さが和らいできた今、秋にかけての旅先としてぜひチェックしてみては。

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秋山 綾

アパレル企業、女性誌の編集ライターを経て、紙媒体からウェブ媒体へ移行。幼少期に始めた音楽を通じて表現に興味をもち、好奇心の赴くままに不定期に芸術、文学に関する創作活動を行う。