ビニール傘の使い捨て問題に終止符を。サステナブルな傘の選び方とおすすめアイテム

出かけた先で突然雨に降られたとき、役に立つのがコンビニやスーパーなどで購入できるビニール傘。便利な一方で、安易な廃棄や放置も多いのも現状です。さらに近年、こういった使い捨て感覚での傘の利用が環境へ大きな負荷をかけていると問題になっています。そこでビニール傘に頼らず、長く愛用できる傘を持つことが私たちにできる問題解決の糸口ではないでしょうか。そこで選びたいのが環境への影響を考慮したサステナブルな傘。選び方のポイントやおすすめの傘ブランドをご紹介します。

「捨てにくく、リサイクルしにくい」傘の廃棄問題が深刻化

日本国内の洋傘の消費量は年間1億2,000〜3,000本。うちビニール傘は年間6,500万本ほどが消費されているといいます。そしてそのうちの多くが使い捨てのような感覚で捨てられたり、置き去りにされたりしています。

また、金属やプラスチックなどさまざまな素材で作られている上、分解が困難なため、リサイクルしにくいという側面もあります。それゆえにほとんどが埋め立てられてしまっているのです。さらに、これまではプラスチックごみの処分を中国や東南アジアに頼っていましたが、各国で輸入規制されるようになったことで、それらが行き場を失い、ますます埋め立てられるように。

このようにビニール傘などは安価で便利な反面、捨てにくく、リサイクルしにくいことから、廃棄問題が深刻化しています。そろそろ私たちは、傘の安易な使い捨てを見直す必要があるのではないでしょうか。

サステナブルな傘を選ぶチェックポイント

色やデザインなどお気に入りの製品を選ぶことは、傘を使い捨てせずに長く愛用できる大切なポイントです。しかしそれだけでなく、もう一歩進み、よりサステナブルを意識して傘を選んでみませんか。選ぶポイントを3つ解説します。

素材は?

まずは素材をチェックしましょう。例えば骨組みからすべてがプラスチック素材で作られた製品は、分解の必要もなく、リサイクルもしやすいですよね。また、金属が使われないことで、錆びることなく長く使えます。

リペア可能?

リペアができるかチェックしましょう。パーツ交換できて壊れた部分だけを取り替えられたり、メーカーで修理を受け付けていたりする製品なら手入れをしながら長く愛用できます。また、つくりがしっかりした傘であれば、街の修理店などでリペアしてもらえることもあります。

強度は?

多少の豪雨や風にも耐えられる強度があるかチェックしましょう。強度の高い素材を使用していたり、壊れにくい作りや構造を採用していたりするものを選ぶと安心です。

おすすめ!サステナブルな傘

サステナブルで長く愛用できるおすすめの傘をご紹介します。どれもサステナブルなだけでなく、おしゃれで実用的。ぜひ愛着をもって長く使える1本を選んでくださいね。

Caetla(サエラ)

画像出典:Caetla

環境を意識した傘などのレイングッズを製造・販売している『Caetla』。さまざまなブランドを展開し、いずれもサステナブルで環境への負荷を抑えた製品が揃います。例えば『+TIC』は伸縮性や耐久性に優れたプラスチックをすべての部材に採用した傘ブランド。金属を使っていないので、錆びることがなく長く使えます。この他にもさまざまなデザイン・機能性に優れたサステナブルな傘があるので、チェックしてみるのがおすすめです。

【公式サイト】Caetla(サエラ)

Caetla『+TIC Lite』

画像出典:Caetla

同じくCaetlaの『+TIC 』ですが、こちらは一部の大手コンビニエンスストアで販売されているモデル『+TIC Lite』。『+TIC 』と同じようにオールプラスチックで、高い強度を誇ります。より多くの人が手に取りやすく、環境について考えることを目的とした、「コンビニ傘」の概念を変えるプロダクトです。

  • サステナブルなポイント:プラスチックをすべての部材に使用・高い強度
  • 商品の購入:一部のコンビニエンスストア

小宮商店

画像出典:小宮商店

1930年創業の老舗傘メーカーの『小宮商店』。つくりのよさにこだわった日本製の傘が並び、職人がひとつひとつ作り上げます。万が一故障した場合も、修理を受け付けてくれるので、リペアしながら長く愛用できます。繊細なデザインや美しい色の傘が豊富に揃い、お気に入りの1本が必ず見つかるはずです。

【公式サイト】小宮商店

  • サステナブルなポイント:つくりのよさ・修理受付
  • 商品の購入:楽天 Amazon Yahoo

THE UMBRELLA

画像出典:THE UMBRELLA

“最適と暮らす”をビジョンに掲げ、シンプルで使いやすいさまざまな製品を展開するブランド『THE』。そんな『THE』が株式会社サエラとコラボレーションして生まれた『THE UMBRELLA』は、ビニール傘のメリットである視認性のよさはそのままに、骨組みを繊維強化プラスチック製にしたことで高い強度を実現しています。持ち手などもすべてプラスチック製で錆びることなく、長く使えます。また、生地の交換も簡単で、骨組みさえ壊れなければずっと使い続けることができます。

【公式サイト】THE UMBRELLA

モンベル

画像出典:モンベルオンラインショップ

アウトドアグッズの大手メーカーモンベルでは、傘を始めとする自社製品の修理受付を行っています。モンベルのアンブレラシリーズはいずれもトレッキングアンブレラをはじめ、どれもアウトドアアクティビティに最適化された構造や適した素材を採用し、耐久性に優れ、長く愛用することが可能です。また、コンパクトで軽量なので持ち歩きにも便利。かばんに忍ばせておけば、突然の雨でビニール傘を買う必要もありません。

U-DAY『RE:PETシリーズ』

U-DAY

画像出典:U-DAY

サステナブルなレイングッズのブランドのU-DAYの『RE:PETシリーズ』は、世界中から回収した廃ペットボトルを再資源化し、織り上げた生地を利用した傘。ペットボトルリサイクル生地は通常の生地と比べると染色などにも高い技術が必要ですが、環境への思いを込め、4つのネイチャーカラーラインナップを展開しています。晴雨兼用傘で、日傘と雨傘の2本を持つ必要がない点も◎。

  • サステナブルなポイント:ペットボトルリサイクル生地使用
  • 商品の購入:楽天 Amazon Yahoo

世界一傘を消費しているともいわれる日本。ビニール傘は安価で便利ですが、それと引き換えに環境に負荷を与えてしまっています。まだ使える傘が行き場を失い、次々と埋め立てられるような現状にストップをかけるためにも、傘を選ぶ際には「長く使えるかどうか」という点を意識して選びたいですね。

【関連ページ】年間8,000万本消費!「ビニール傘使い捨て問題」に私たちができることとは?
【参照サイト】日本洋傘振興協議会「よくある質問」
【参照サイト】NHKニュース「ビニール傘 使い捨ての現実 | 未来スイッチ!課題解決で暮らしやすい社会へ」

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みすみぞの いずみ

九州在住、2男児の母でライター。産後、慣れない育児と家事を必死に両立させようとする中で、モノを減らした暮らしの快適さに気づく。もっともっと毎日の生活も思考もシンプルにさせたい30代半ば。