コンポストのにおいや虫対策はどうしてる?服部雄一郎・麻子さんに聞く実践例

コンポスト

海外で人気のライフスタイル「ゼロウェイスト」。日本でも少しずつ聞くようになってきて、「ごみを減らしたい」「捨てる以外の方法が知りたい」という声をよく耳にします。その一方、大量に出るごみを前に、どこから手をつけたらいいのかわからないという声も少なくありません。

そこでLife Huggerでは、「サステイナブルに暮らしたい」の著者で、ゼロウェイスト生活を発信する服部雄一郎さん、服部麻子さんとのコラボレーション企画として「服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア」の連載をスタート!

第10回目となる今回は、服部家が新しく始めたばかりの「コンポスト」について教えてもらいました。

コンポストのにおい対策は?

雄一郎:今日は、コンポストをうまく使うコツと、わが家が新しくはじめたばかりのコンポストについてお話しします。前回書いたように、コンポストにはいろいろな機種があるので、それぞれコツは異なりますが、ざっくりとまとめてみたいと思います。

麻子:コンポストというと、まずみなさんが不安に思うのは「虫」と「におい」ですよね。虫はにおいに引き寄せられて発生するので、まず、においが出ないように、よい状態でコンポストを保つのがポイント。

雄一郎:そう。うまく分解が進んでいれば、悪臭は発生しません。うっすらと土のようなにおいがするだけ。腐臭が出ないように、生ごみをなるべく清潔でフレッシュな状態でコンポストに入れてしまうのがおすすめです。

たとえば、三角コーナーに生ごみを入れっぱなしにすると、生ごみが濡れて、腐りやすくなります。代わりにきれいなステンレスボウルなどに、野菜くずをまな板からきれいに取り分けて、そのまますぐにコンポストに入れてしまえば、不潔感もゼロ。「生ごみが生ごみになる前にコンポストに入れてしまう」というイメージです。三角コーナーのぬめりともさようなら。

生ごみは三角コーナーに入れず、その都度きれいなボウルに取り分けて、すぐにコンポストに入れてしまえば、非常に衛生的。
「生ごみ感」もゼロです。

麻子:微生物が分解しやすいように、すいかやバナナの皮など大きめサイズのものは小さめに刻む、というのもコツ。スムーズに分解すれば腐臭はしませんから。みじん切りにする必要はなく、ある程度の小ささまでカットするイメージ。でも、小さいほど分解はスムーズです。

雄一郎:あとは、機種にもよりますが、土や基材や草木などとよくまぶすことです。生ごみだけがグチャっと固まっていると、酸素が足りずにメタン発酵して、悪臭がしますので。なるべく土や基材や草木と(※機種に応じて)よく混ざるようにして――「風通しよく」と言えばいいのかな――分解が進むようにすると安心です。ぬかやおがくずをまぶしているという声もよく聞きますね。

コンポストに虫が発生してしまったら?

麻子:どうしても虫が嫌な人は、室内で使うタイプなら大丈夫だと思います。

雄一郎:そうですね。家の中までは虫は飛んでこないですから。ただ、コバエが湧いてしまうことはもしかしたらある。うちはコバエが湧いたとき、ふと思いついて、唐辛子パウダーを少したっぷり目に入れてみたら、コバエはあっという間に消えました。微生物にも影響してしまうと思うので、厳密な意味でおすすめかどうかわかりません。でも、「虫でパニック!」という方への緊急処置としては大いにおすすめできると思います。スプレー式の殺虫剤より遥かにナチュラルですし…。

コンポスト

コンポストの方式にもよりますが、生ごみを<そのまま入れてしまう>と、虫を引き寄せやすくなってしまいます。写真の方式なら、草木を上からしっかりかぶせるなど、土や基材などとしっかり混ぜて、生ごみが見えなくなることが虫を防ぐ秘訣です。

あと、前提としてわかっておいていただきたいのは、大抵の虫は「生理的に不快なだけで、必ずしも実害があるわけではありません」ということ。もちろん、コバエとか、うじ虫とか(←文字にするだけでも嫌な人もいるかも…すみません!)、「無理!」という人が多いと思うので、ぜひうまく使っていただきたいと思いますが、自然の営みの中ではそれらは単に自然現象。人間が勝手に嫌がっているだけです。「隣近所に文句を言われたら大変!」とか、「私が嫌だから」というだけなので、そこをわかっておくと、もしちょっと発生してしまった場合にいきなりパニックにならずに済むと思います。

麻子:虫やにおいが発生してしまった場合、「困ったな」と思ったら、しばらく生ごみを入れるのをやめて、1~2カ月休ませてみるのがおすすめ。自然の分解力で、大抵は時間が解決してくれます。においは消えるし、虫もいなくなる。慌てず、騒がず…状況がまた落ち着いたら再開すればいい。

雄一郎:つくづく思うのですが、コンポストは「ワンタッチの便利器具」ではなくて、自然の営みそのもの。それを暮らしに取り入れることは、暮らしが自然につながることでもあります。様子を見つつ、様子に合わせてやり方を微調整する。現代の暮らしはそれを「不便」と捉えたりもするけれど、そういう実感って、実は暮らしの手ごたえを生き生きとしたものに変えてくれる気もするんですよね。

服部家が最近始めたコンポストは?

麻子:最後に、わが家が最近手づくりしたコンポストについて。市販のタイプでなく、本当にシンプルな木枠です。

雄一郎:家の外壁に使った木材の残りを使って、適当に作りました。大工仕事がほとんどできない自分でもこのくらいならできます。子どもも一緒に手伝ってくれて、すごくたのしかったです。

最近手づくりしたコンポスト。シンプルな木枠スタイルで、つくるのも簡単。

麻子:底はなくて、枠を土の上に置いて、そのまま生ごみや、草木や落ち葉などを重ね入れていくんですよね。

雄一郎:この「積み重ね方式」は、英語では「ラザニアコンポスト」という呼び方もされるそうです。かわいいネーミングですよね。わざわざ木枠をつくらずに、庭にそのまま積み重ねてもOK。単に重ねて、分解を待つ。虫が来ないように、生ごみは必ず草木で分厚くカバーします。数カ月でよい堆肥ができあがるそうで、たのしみです。発酵がすすんでくると、ほかほか熱を持ち、虫やにおいも発生しづらくなるのだとか。

麻子:草木や落ち葉がたくさん出る庭のある家庭向きですけど、キエーロも自作できますし、それぞれの家庭に合わせて手づくりしてみるのもたのしいですよね。

次回は「植物を生かす暮らし」についてお話しします。

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服部雄一郎 服部麻子

神奈川生まれ。バークレー、南インドを経て、高知の山のふもとに移住。 ゼロ・ウェイスト、サステイナブル、ギフトエコノミーを取り入れた暮らしを家族で楽しむ。著書に、『サステイナブルに暮らしたいー地球とつながる自由な生き方―』『サステイナブルに家を建てる』(アノニマ・スタジオ)。(写真 衛藤キヨコ) Instagram:@lotusgranola