コーヒーを飲んだあとにでるコーヒーかす。これまでそのまま捨ててしまっていたものが、近年では肥料やお菓子といったさまざまな商品に再利用されています。工業用素材としても研究され、レザーやタンブラーといった日用品に利用されることも。この記事では、コーヒーかすの活用事例を7種類をご紹介します。
ぼかし肥料
コーヒーかすは、一つひとつの粒に小さな穴がある多孔質と呼ばれる構造になっています。そのため、水分吸収・成分吸収・臭いの吸収に効果があり、米ぬかやおからなどと混ぜて「ぼかし肥料」として再利用することが可能です。堆肥化する際に、他の資材から発生する水分や悪臭を吸収して、堆肥を良好な状態に保ちます。
【関連ページ】家庭菜園士が教える!コーヒーかすを再利用したぼかし肥料の作り方
【関連ページ】コーヒーかすを再利用して堆肥や肥料の材料に循環!mame-ecoの活動に密着
ランプシェード
デザイナー・村上結輝氏は、コーヒーかすと牛乳から作った接着剤を混ぜて作った「カフェオレベース」を開発し、ランプシェードや花瓶といったインテリアを作っています。焙煎度合いや豆の種類によって表情が異なるところも魅力です。
【関連ページ】カフェオレで作る花瓶とは?廃棄食材をアップサイクル、自然と向き合う素材デザイナー村上結輝
タンブラー
画像は、SUSPROから引用。
カフェやレストランで発生する抽出ずみのコーヒーかすを回収し、タンブラーにリサイクルする取り組みも行われています。コーヒーの色合いや素材感を活かした仕上がりになっているので、個性的なタンブラーを探している人にもおすすめです。メーカーごとにさまざまな加工法やデザインがあります。
【参照サイト】SUSPRO公式サイト
お菓子
画像は、Oisixから引用。
お菓子に再利用した事例もあります。例えば、PRONTO(プロント)とOisix(オイシックス)が共同開発した「コーヒーから生まれた黒糖あられ」は、コーヒーかすを国産もち米の生地に練り込み、洋風あられに仕上げています。
1食あたり約15gの食品ロス削減効果があるほか、あられには揚げる工程がないため、工業油の排出を抑える効果もあります。
【参照サイト】Upcycle by Oisix
飲み物
画像は、株式会社ソーイから引用。
株式会社ソーイが販売するNEO COFFEE(ネオ コーヒー)は、コーヒーかすをペースト状にして発酵させ、再度コーヒーとして飲めるようにしたアップサイクル商品です。静岡県沼津市にあるLilac Coffee Roaster(ライラック コーヒー ロースター)で、NEO COFFEEを使用したコーヒーが提供されています。
またNEO COFFEEは、World Barista Championship(ワールド バリスタ チャンピオンシップ/※世界最高峰と称されるバリスタの競技大会)にて、コーヒーの材料として採用され世界第4位に入賞した実績もあります。
【参照サイト】ソーイ
弁当箱
サステナブルな生活様式を提案するプロジェクト「sunaho(スナホ)」では、コーヒーかすと竹粉を原料に使用した100%植物由来の弁当箱「BENTO box COFFEE(ベントー ボックス コーヒー)」を取り扱っています。
パッキン以外はすべて自然素材で作られているので、廃棄後は生分解され土に還ります。メラミン不使用で環境にも身体にも優しい弁当箱です。
【関連ページ】竹粉とコーヒーかすで作ったサステナブルな弁当箱「BENTO box COFFEE」が新発売
コーヒーレザー
オリジナル革製品の企画・デザイン・販売を行うステータシー株式会社は2023年に、国内初となる「コーヒーレザー」を使用した合成革製品を販売開始予定です。焙煎時などに発生する規格外品の廃棄豆や抽出後のコーヒー残渣を使用した新しいフェイクレザーとして注目されています。
抽出ずみのコーヒーかすからは、温室効果ガスの一種であるメタンガスが排出されるため、再利用することでゴミの削減だけでなく地球温暖化の抑制にもつながると期待されています。
【関連ページ】廃棄豆や抽出後のコーヒーかすを使った「コーヒーレザー」を開発!2023年に製品化へ
コーヒーをかすを活用した素材や商品を7つ紹介しました。どれも簡単に日常生活に取り入れることができ、ごみの削減や地球温暖化の抑制に貢献できるものばかりです。興味のある人は、ぜひ手にとってみてはいかがでしょうか。
【関連ページ】ごみが出ない!ゼロウェイストなコーヒーフィルターおすすめ8選
Yuta Yoshikawa
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