ウエスの作り方と使い道、着古したTシャツやタオルを最後まで使い切る

並べて置いた赤と白のチェック柄の布巾4枚

衣替えで引き出しを開けると、首まわりがよれたTシャツや、ごわごわになったタオルが奥から出てきます。「もう着ないけれど、捨てるのはなんだか気が引ける」「キッチンペーパーを毎日のように使い切るたびに、少し後ろめたい」。そんな気持ちを抱えたまま、布ものが少しずつたまっていないでしょうか。

そんな方に向けて、この記事では、古いTシャツやタオルを「ウエス」にして、台所の油汚れや窓の結露を拭いてから手放すまでを紹介します。切り方としまい方、使い終わった布の出し方まで、今夜から1枚試せる形でまとめました。

1. 着古した布に「最後の役目」をあげる

木の板の上にたたんで重ねた、薄いピンクと濃いピンクのTシャツ

服として着られなくなっても、タオルとしてふんわり感がなくなっても、布には水や油を吸う力が残っています。その力を使い切ってから手放すと、ものとの付き合い方が少し変わります。

ウエスとは、油や汚れを拭き取るための布のことです。もとは工場や機械整備の現場で使われてきたもので、古着や古布を切って作るのが一般的です。洗って何度も使う雑巾とちがい、ウエスは汚れのひどいところを拭いたら、そのまま手放す前提で使います。

キッチンペーパーや使い捨ての掃除シートは便利ですが、ひどい汚れを拭くたびに新しい紙を使うことになります。家にある布で代わりができれば、買い足す回数が減り、布も最後の最後まで暮らしの役に立ちます。長く着て、最後に家を整えてから手放す。小さいけれど、たしかな循環です。

2. ウエスに向く布と、向かない布

2-1. Tシャツや肌着がいちばん扱いやすい

綿のTシャツや肌着は水をよく吸い、生地がやわらかいので、窓ガラスやコンロを傷つけにくい布です。編み地なので切り口がほつれにくく、縫わずに切ったまま使えるのもいいところ。はじめての1枚には、着古した白や淡い色の綿Tシャツがおすすめです。

2-2. タオルは厚みを生かして油汚れや水気に

タオルのパイル(ループ状の糸)は、油や水をたっぷり抱え込みます。そのかわり、切り口から糸くずが出やすいのが難点です。小さく刻むより大きめに切るか、端の縫い目を残すように切ると、糸くずが出にくくなります。

2-3. 水をはじく素材や、飾りの多い服は向かない

ポリエステルなどの化学繊維は水を吸いにくく、油汚れを拭き取るより塗り広げてしまいがちです。ボタンやファスナー、ビーズ、硬いプリントのある部分は、拭く面を傷つけることがあるので切り落とします。厚くて硬いデニムは台所には不向きですが、靴やベランダの泥汚れを拭くには頼もしい布になります。

3. ウエスの作り方としまい方

道具はよく切れるハサミだけです。Tシャツ1枚分なら、お茶を淹れて飲み終わるくらいの時間で切り終わります。

  1. 洗ってよく乾かす:汚れや湿り気が残っていると、しまっている間ににおいの原因になります。
  2. 縫い目・ゴム・タグ・ボタンを切り落とす:厚みのある部分は水を吸いにくく、拭くときにじゃまになります。
  3. 使う場所に合わせて切る:台所用は手のひらくらい、窓や床用はそれより大きめに。織物の布なら切れ目を入れて手で裂くこともできますが、Tシャツのような編み地はハサミのほうがきれいに切れます。
  4. たたんで、使う場所の近くにしまう:取りに行く手間がないほど、自然に手が伸びます。

しまい場所は、コンロのそばの空き箱や、使わなくなった保存瓶などで十分です。ティッシュの空き箱に重ねて入れると、1枚ずつ引き出せて便利です。淡い色は台所用、濃い色は玄関や掃除用、と色で分けておくと、使うときに迷いません。

4. 台所から窓辺まで、ウエスの使い道

4-1. フライパンの油をひと拭きしてから洗う

炒め物や焼き物のあと、フライパンが冷めたら残った油をウエスで拭き取ります。排水口に流れる油が減り、洗うときの洗剤もお湯も少なくて済みます。料理の後片付けにひと手間を足すだけなので、続けやすい使い方です。

目安:ひと拭き分の手間/手元の布なので費用はかからない/毎日料理をする人に。

4-2. 冬の朝、窓の結露を拭き取る

寒い朝、窓ガラスにびっしりついた水滴は、そのままにしておくとサッシやカーテンのカビの原因になります。ここで活躍するのが、水をよく吸うタオル地のウエスです。ガラスを拭いたあと、最後にサッシの溝の汚れまで拭いてから手放せば、布の役目をきれいに終えられます。

目安:朝の身支度のついでに/費用はかからない/結露しやすい部屋がある人に。

4-3. コンロや換気扇まわりの仕上げ拭きに

油はねで少しべたついたコンロの天板や、換気扇のまわりは、ウエスで拭いてから捨てられる場所です。ふだんの掃除のついでに、汚れの重いところだけウエスに任せると、ふきんを汚さずに済みます。

目安:週末の掃除のついでに/費用はかからない/ふきんの汚れが気になる人に。

4-4. 玄関の靴やベランダの泥汚れに

雨の日の靴の泥、自転車のチェーンまわり、ベランダの手すりなど、家の外まわりにもウエスは役立ちます。デニムや厚手の綿など、台所には向かなかった布の出番です。

目安:気づいたときにさっと/費用はかからない/外遊びの多い子育て世帯に。

5. 使い終わったウエスを気持ちよく手放す

汚れを吸って役目を終えたウエスは、迷わず手放して大丈夫です。服として着て、タオルとして使い、最後に家を整えてくれた布です。捨てる罪悪感よりも、使い切った手ごたえのほうが残るはずです。

油や汚れのついた布は、きれいな古着と同じ回収には出さず、お住まいの自治体の分別ルールに沿って出します。気をつけたいのは、食用油をたっぷり吸った布です。油が酸化するときの熱がこもると、発火するおそれがあります。たくさんためこまず、水で湿らせてから袋の口を閉じて出すと安心です。

台所から出るものの循環をもう一歩進めたくなったら、生ごみを土に還すコンポストという選択肢もあります。コンポストについてのコラムもあわせてのぞいてみてください。

6. 全部の布をウエスにしようとしなくていい

ウエスづくりは、がんばりすぎると続きません。肩の力を抜くために、次のことを覚えておいてください。

  • 箱に入る分だけ作る:作りすぎたウエスは、それ自体がまた「たまった布」になります。使う量だけを手元に置き、残りは次の衣替えまで待ちましょう。
  • まだ着られる服は、服として次の人へ:ウエスはあくまで最後の役目です。誰かに譲ったり、古着として回収に出したりするほうが、ずっと長く循環します。
  • 衛生面が気になるところは紙でいい:生の肉や魚の汁など、気になる汚れまで布で拭く必要はありません。キッチンペーパーを「やめる」のではなく、「減らす」くらいで十分です。

一方で、布を切る時間がとれない時期や、しまう場所に余裕がない家では、無理に始めなくてかまいません。気が向いた夜に1枚だけ切ってみる、くらいの距離感がちょうどいいのです。

使い捨てを少しずつ減らす工夫は、ほかにもたくさんあります。自分のペースで取り入れられるものを探したい方は、Life Hugger のゼロウェイストガイドも参考にしてみてください。

着古したTシャツが最後に台所を拭いて、その役目を終える。ウエスは、特別な道具も費用もいらない、いちばん身近な「使い切る」暮らしのかたちです。まずは今夜、引き出しの奥の綿Tシャツを1枚選んで、ハサミを入れてみてください。

キッチンペーパーを買い足す回数が減り、布を捨てるときのもやもやが消えたら、そのぶん心に少し余白が生まれます。その余白を、あなたなら何に使いますか?

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Life Hugger 編集部

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