食品廃棄物を「生ごみ」ではなく「資源」として活用しようと、「環境の日」である2026年6月5日に神戸で始動したのが「KOBE Hikey Energy(コウベハイキエナジー)」だ。
神戸市内で長年ごみ収集を担ってきた神戸市環境共栄事業協同組合と、食品リサイクル施設を運営する株式会社コベックが中心となって立ち上げた。食品廃棄物を飼料や肥料、さらには再生可能エネルギーへと変え、地域内で循環させることを目指している。

KOBE Hikey Energyを立ち上げた、神戸市環境共栄事業協同組合の桝岡隆理事長(右)と株式会社コベックの山本宏光代表(左)
海外では、食品廃棄物の分別回収や資源化が当たり前になりつつある地域も少なくない。一方、日本では食品ロス削減への関心が高まるなかでも、事業者から排出される食品廃棄物の一部は、リサイクルが進まず焼却処分されているのが現状だ。特に飲食店や小売店、洋菓子店などの小規模事業者は、排出量が少ないことから回収効率やコスト面で課題を抱え、食品リサイクルの仕組みに参加しにくかった。
神戸市には、すでに「神戸方式」として、少量排出者の食品リサイクルに対応した食品廃棄物の収集運搬システムがある。食品リサイクル業者とタッグを組み、この取り組みをさらに広げていこうというのが、KOBE Hikey Energyの目的である。
大規模事業者だけでなく、地域の飲食店や洋菓子店も巻き込みながら、街全体で循環をつくろうとしている。回収された食品廃棄物は、その特性に応じて飼料や肥料として利用されるほか、バイオガス発電にも活用される。
コベックが運営するバイオガス発電施設では、食品廃棄物を発酵させて発生するメタンガスを燃料に発電を行い、1日あたり最大60トンの食品廃棄物を処理できる。発電量は一般家庭約1,500世帯分に相当するという。洋菓子の街・神戸の洋菓子店で日々生まれるフルーツの皮や搾りかすなど、水分を多く含む食品廃棄物はバイオガス化との相性が良い。これまで処理コストのかかる「生ごみ」と考えられていたものが、地域のエネルギーへと生まれ変わる。

食品廃棄物の例:缶詰(写真:コベック提供)
将来的には、街で集めた食品廃棄物から生まれた電力で神戸のランドマークをライトアップする構想もあるという。もし実現すれば、神戸の洋菓子店や飲食店から出た食品廃棄物が、神戸の夜景を照らすエネルギーになる。
食品廃棄物は、見方を変えれば地域を支える資源になり得る。KOBE Hikey Energyは、生ごみを「捨てる」から「循環させる」へ。そんな価値観の転換を、神戸から示そうとしている。
【参照サイト】KOBE Hikey Energy|コウベハイキエナジー
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