ゴールデンウィークから連休明けになると、米農家では田植えが実施される地域も多い。梅雨や暑い夏を無事に超え、実りの秋には大きく頭を垂れた稲穂に育ち、農家の手によって収穫される。
そんなお米にも、収穫の段階から規格外品が発生してしまうのを知っているだろうか。夏の猛暑といった異常気象が原因で発生する「未熟米」や、かたちの整っていない「割米」などは、正規品として市場にでることはほとんどなく、家畜の餌や肥料、糊(ノリ)の原料として使われる。また、スーパーなどに並ぶ袋入の正規米も、「精米して1ヶ月経ったものは商品棚から撤去して廃棄」といった実情もあるそうだ。
株式会社ジパングフードリレーションズはそういった廃棄米を使い、食べるだけでSDGsに貢献できるカレー「箔米カレー」を完成させた。年々増加している割米や未熟米などの流通されない規格外米を箔米粉に加工し、和風出汁のカレーと組み合わせたカレーだ。
箔米粉を入れる代わりに小麦粉の使用量を減らしているため、通常のカレーと比べ、油の吸収率も低く、さっぱり味わえるという。消化も良く胃もたれしにくいなど、米粉ならではのメリットも多い。和風出汁も、日本近海で採れる「鰹の本削節」と北海道の「高級羅臼昆布」の普段料亭などで使われない「端っこ」を使用している。
また、カフェから出る廃棄炊飯米をアップサイクルしたクラフトビール「箔米ビール-白金-」を販売するなど、食品ロス削減に積極的に取り組んでいる。
異常気象やエネルギー問題などで、食料品の価格も高騰している一方、まだ食べられる食品が毎日大量に廃棄されているという現状にももっと目を向けなければならないだろう。箔米粉を使った新しい製品に、今後も注目していきたい。
【参照サイト】Zipangu Curry Cafe
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斉藤雄二
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