あるときには温かい家族のように、またあるときには頼もしい親友のように人々に寄り添い続けてきてくれた犬たち。古くは狩猟犬や牧羊犬、そして現代では盲導犬など、さまざまなかたちで人と犬は生活をともにしてきた。
そんな人と犬との関係をもっとフラットにしたいと考える株式会社FLAFFY(フラッフィ)が3月15日、古くなった人間の服を愛犬の服にアップサイクルするサービス「FLAFFY TAYLOR(フラッフィーテーラー)」の一般販売をスタートさせた。クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」において、設定目標額100万円をわずか14時間で達成。最終的には達成率252%にまで到達した、注目度の高いプロジェクトだ。
FLAFFY TAYLORは、愛犬の体型や好みをヒアリングし、プロのデザイナーチームが一つひとつハンドメイドで仕上げていく「犬服のテーラー屋さん」だ。
FLAFFY TAYLORでは、「思い出が詰まった大切な服を愛犬に引き継ぎたい」 、「家族みんなでお揃いの服を着たい」など、様々な想いに寄り添いながら、プロのデザイナーとパタンナーが1点1点手作業で、人間の服を愛犬の服にリメイクしていく。オーダーメードなので、愛犬のサイズに合わせて制作できることはもちろん、「着脱しやすいようにボタンを付けて、前開きの仕様にしたい」「毛が多いのでお腹周りは大きめにしたい」など各々の要望に沿ってくれるのも嬉しいポイントだ。
アップサイクルする服は、Tシャツ、パーカー、ワンピース、ニット、ジャケット、コート、ドレス、着物といったお洋服のほか、バスタオルや鞄などのお洋服以外での作成も可能。
公式サイトでは、実際の注文から受け取りまでの流れも確認可能だ。アップサイクルしたい洋服と愛犬のサイズなどをPCを使ったオンラインでヒアリングする様子や、制作時の流れが実際の事例を交えて公開されている。すでにクラウドファンディングサポーターの愛犬約200匹ぶんの洋服のアップサイクルが決定しているとのこと。今後は、制作を通して得た知見を活かし、オリジナルブランドの展開も予定しているそうだ。
アパレル業界は、トレンドサイクルの短さや大量在庫といった業界の性質上、新品洋服の廃棄率が問題となっている。過去の調査によると、日本国内だけでも年間生産量の約半数が廃棄になるというのが現状だ。古着なども含めると、つねに大量のごみを排出しているのがアパレルという分野であり、世界各国で解決すべき課題として関心が高まっている。
【関連ページ】:世界初の「衣類廃棄禁止令」がフランスで施行、日本への影響は?
こうしたプロジェクトが支持され、実際に動き出すことはアパレル業界にとってもポジティブなニュースといえる。自宅で廃棄予定の洋服がある人は、捨てる以外の方法も模索してみよう。
【参照サイト】環境省 令和2年度 ファッションと環境に関する調査業務
【参照サイト】家庭で使用済みの衣服 65%が廃棄
【参照サイト】あなたの服を愛犬の服にリメイク。
【関連ページ】服を捨てない選択。衣類のゼロウェイスト10の方法
【関連ページ】【2022年02月更新】着なくなった服、捨てるの待って!常設で衣服回収を行うアパレルブランド13選
斉藤雄二
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