サステナブル・レストランのシェフたちの競演。おいしい食と幸せな時間を未来に繋ぐコミュニティとは

日本の食を未来につなぎたい。そんな想いを持つ東京・横浜・芦屋のサステナブルなレストランのシェフたちが発起人となり、おいしい料理とワインを楽しみながら未来の食について語り合うイベント「Food Made Goodコミュニティ懇親会」が3月27日に開催されました。

会場は、2022年に日本サステイナブル・レストラン協会(SRA-J)のサステナビリティ評価で3つ星を取得した、練馬区石神井公園の人気店「PIZZERIA GTALIA DA FILIPPO(ピッツェリア ジターリア ダ フィリッポ)」。レストラン関係者や生産者、食品メーカー、新聞等のメディア関係者など、多方面から参加者が集まり、一流のシェフたちの調理ライブパフォーマンスと、次々と運ばれてくるおいしい料理のライブ感満載の会場の雰囲気を楽しんでいました。

オープンキッチンでは、各レストランのシェフやスタッフらが入り混じり、料理を準備。

今回は、そんな未来の食に対する思いを抱く仲間が集う熱気あふれるイベントに参加した筆者が、当日の会場の様子やシェフたちが生み出す最新のサステナブルな一皿をレポートします。

Food Made Good コミュニティとは?


Food Made Goodは、サステイナブル・レストラン協会が提唱する、飲食店や生産者が環境に配慮した食事を提供することで、地球環境のサステナビリティへの貢献を目指すムーブメントです。そして、こうした活動に賛同する飲食店・生産者・企業のサステナビリティ向上のために相互をつなぐプラットフォームがFood Made Good コミュニティです。

東西のサステナブルなレストランのシェフたちが集う一夜限りのコラボレーション

いつもとは違うキッチンでボッテガブルーの人気メニュー「ニラベーゼ」の調理に挑む大島シェフ

今回のFood Made Goodコミュニティの集いは、日本サステイナブル・レストラン協会(以下SRA-J)に加盟しているレストランのシェフやマネージャーにより企画されました。

発起人は、イベントの会場でもあり、日本中の生産者から仕入れる選りすぐりの食材を使った料理を提供する東京・練馬区にある人気店「ピッツェリア ジターリア ダ フィリッポ」の岩澤 正和シェフ、2022年度Food Made Goodアワード大賞受賞した、芦屋のイタリアンの名店「BOTTEGA BLU.(ボッテガブルー)」の大島 隆司シェフ、フードサービス産業で日本初のB Corp認証を取得し、横浜・渋谷でサステナビリティに配慮した飲食店「haishop cafe」などを展開しているinnovation Designの表 秀明氏の3名です。

会場のテーブルを周り、参加者からのサステナブルな食に関する質問に答える岩澤シェフ

SRA-Jが開くセミナーやイベントで顔を合わせる機会も多いシェフたちですが、ともに腕をふるうコラボレーション・イベントは、今回がはじめてだったとのこと。メインシェフだけでなく、各レストランのシェフやスタッフたちが同じ厨房でともに料理を作り、想いを語り合い、そして何よりも楽しそうにイベントを盛り上げている様子が印象的でした。

シェフたちの、食の未来への思いが詰まったサステナブルな料理とは?

ボッテガブルーの人気メニュー、コンクールで優勝した「ニラベーゼ」。使用するニラは地元兵庫産のもの

会場では、次々とキッチンから運ばれてくる、シェフの個性とこだわりがつまった料理がカウンターに並べられていきます。参加者は出てくる料理を楽しみながら、日本を取り巻く食の課題や素材調達などのサステナビリティに関する取り組みについて、シェフやスタッフの説明に耳を傾けていました。

ここでは、そんなシェフたちの個性や想いが詰まったサステナブルな料理の一部を紹介します。

規格外野菜など、いろいろな野菜を使用したポテトサラダ

大豆ミートを使用した、プラントベースのミラノ風カツレツ

未利用魚の煮付けは、家庭でも取り入れたいサステナブルシーフードの活用方法

同じく未利用魚を使用した一口サイズのクレープは、手で簡単に食べられるので野外イベントにも最適

鮮やかなイチゴが目を引く動物性食材不使用のヴィーガンティラミスは会場でも大人気でした

キッチンから料理が運ばれてくるたびに、それぞれのサステナブルなポイントをスタッフの方が説明してくれるので、ただおいしい料理を食べるだけでなく、レストランの持続可能な食への取り組みについて知る、よい「学び」の機会になりました。

編集後記

今回のイベントに参加した感想は「こんなにワクワクする食のイベントにはなかなか出会えない!」です。未来の食についての熱い想いを抱くシェフたちによるジャムセッションを見ているような、自由な熱気に包まれた空間。参加者同士も自然に会話が弾み、食の課題について熱く語り合っていました。

おいしい食事と楽しい時間は、人を自然に笑顔にし、つながりを育んでくれる。そんな食の持つパワーを改めて感じました。そして、そんな幸せな食を未来に残すために、私たち生活者もサステナブルなレストランで食事をするなど、日々の暮らしの中でベターな選択を考える必要があると感じました。

もし機会があれば、すでに未来に繋がるサステナブルな取り組みを実践している、今回のイベントを主催したシェフたちのお店に足を運んでみてください。

【参照サイト】日本サステイナブル・レストラン協会(SRA-J)
【参照サイト】PIZZERIA GTALIA DA FILIPPO(ピッツェリア ジターリア ダ フィリッポ)
【参照サイト】BOTTEGA BLUE(ボッテガブルー)
【参照サイト】株式会社Innovation Design
【関連ページ】食の問題に取り組む飲食店の最前線を紹介!日本サステイナブル・レストラン協会主催イベントレポート
【関連ページ】魚が減っているのはなぜ?サステナブルなシーフードについて考えるトークショー開催

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Life Hugger 編集部

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