生協(生活協同組合)は、消費者が共同で商品やサービスを購入・提供する組織です。組合員として登録することで、多彩な商品やサービスを利用できるようになります。また、一口に生協と言っても、次のようにさまざまな種類があり、それぞれで目的が異なります。
- 地域生協:地域に活動拠点として購買活動を行う生協
- 医療福祉生協:医療事業を行う生協
- 大学生協:大学の学生や教職員のための生協
この記事では、地域生協のメリットやデメリット、入会・購入の方法や、おすすめの生協を紹介します。
生協のメリット
1.安全・安心な商品
生協では、安全・安心な商品が提供されることが一番の魅力です。多くの生協では、無農薬や減農薬の野菜、添加物の少ない加工品など、健康に配慮した商品が取り扱われています。
実際の取り組みとしては、コープによってそれぞれ安全に対する自主基準を設けていることが多く、無農薬・無添加を掲げているケースもあれば、できる限り農薬や添加物の使用を抑えることを掲げているケースもあります。
例えば『生活クラブ』では、使用する食品添加物の種類を国が認める834品目から93品目に絞っています(2022年3月末時点)。そしてもし使用する場合は、必ず情報公開することを徹底しており、消費者自身が含まれる食品添加物を把握し、納得した上で購入できるように配慮されています。
2.地元産品の取り扱い
生協では、地元産品を積極的に取り扱っています。新鮮な野菜や果物、地元の特産品など、地域の魅力を生かした商品が揃っています。
中には、地元の農家や農場と直接契約を結んで、産地直送で新鮮な野菜や青果をご自宅まで届けてくれる生協もあります。
3.配達サービス
生協では、組合員の自宅まで商品を配達してくれるサービスがあります。重い荷物や、忙しい方にとっては非常に便利なサービスです。
また、配達サービスにも複数の種類があり、手作りの夕食を週5日届けてくれる「夕食宅配」や、健康管理に気を遣っている方向けの「健康管理食」など、生協によってはご自身の利用目的に合わせた配達サービスを選べる場合があります。
生協のデメリット
1.商品の選択肢が限られる
生協の取り扱い商品は、一般のスーパーマーケットに比べると限られています。特定の商品やブランドを求める場合、生協では手に入らないことがあります。
また、中には食品のみの取り扱いを行う生協もあるため、日用品や生活雑貨などの購入も考えている場合は、取り扱いのある生協を選ぶようにしましょう。
2.購入方法の制約
カタログやオンラインでの注文が主な購入方法であるため、急な買い物には不向きです。生協では、注文サイクルが決まっており、一般的には注文した翌週に商品が届くといった形になります。
生協の入会方法
生協に入会するには、まず最寄りの生協を探し、入会手続きを行う必要があります。手続きには、出資金(一般的には3,000円~5,000円程度)が必要です。(出資金は退会時に返金されます。)
生協の購入方法
生協では、購入方法がいくつかあります。
1.カタログからの注文
生協では、定期的にカタログが配布されます。カタログから気になる商品を選び、注文用紙に記入して生協に提出する方法です。
カタログだと欲しい商品が見つけにくいのではないかと思われるかもしれませんが、多くの場合、食品・雑貨、赤ちゃん・ベビー、地方の名産品などといったように、ジャンルごとに分けられているので見つけにくいのではないかといった心配はいりません。
また、生協によっては、使用済みのカタログを次回配達時に配達員が回収してくれる場合がありますので、その場合はカタログがゴミになってしまう煩わしさもありません。
2.オンラインショッピング
多くの生協では、オンラインショッピングサイトも運営しています。インターネットを利用して、いつでも簡単に商品を注文することができます。
オンラインショッピングでは、欲しい商品をワンクリックでカートに入れることができますし、ネット上で注文を完結できるので、カタログ注文よりも手間少なく済ませることが可能です。
しかし、中にはオンラインショッピングに苦手意識がある方もいるかもしれません。そのような方は、カタログを見ながらネット注文することも可能ですので、カタログとオンラインショッピングを併用するのもおすすめです。
3.店舗での購入
生協によっては、実店舗を持っていることもあります。店舗で商品を購入することもできます。実店舗を持った生協なら、急な買い物でも対応できるのでとても便利です。
また、実際に商品を目で見て購入できるため、「思っていた商品と違った」というネット注文でのデメリットを解消できます。
「店舗で購入したいけど、移動手段がない」という方は、店舗へのお買い物バスを運行している生協もありますので、店舗購入を考えている方はそのようなサービスの有無もチェックしておきましょう。
コスパはどうなの?卵の値段を比較
ここでは、次の5種類の生協とスーパーの卵の値段を比較し、コストパフォーマンスがどうなのかについてお伝えします。
比較する条件としては、スーパーと生協それぞれで最安値の卵の値段をピックアップし、1個あたりの値段に換算して比較したいと思います。(2021年〜2022年時点)
【参照サイト】業界動向サーチ
スーパー/生協 | 卵の値段(税込) |
---|---|
セブン&アイ・ホールディングス (まいにち新鮮たまご10個) | 267円(27円/個) |
イオン (葉酸入りたまご6個) | 170円(28円/個) |
コープデリ (たまご6個) | 181円(30円/個) |
コープ自然派 (PHF白卵6個) | 189円(31円/個) |
パルシステム (産直たまご少量パック6個) | 194円(32円/個) |
おうちコープ (味菜卵6個) | 194円(32円/個) |
生活クラブ (平飼いたまご6個) | 337円(56円/個) |
おすすめの生協4選!おすすめポイントもご紹介
1.生活クラブ
生活クラブは、食の安全性にこだわっていることが特徴の生協です。食品添加物はできる限り使用せず、もし使用した場合には必ず情報公開することを原則としています。食品の自主検査も行っており、国よりも厳しい独自基準で放射能や農薬の検索を実施しています。また、生活クラブは、生協の中では珍しく利用可能地域が21都道県と幅広いのも特徴です。「プレ・ママ特典」・「子育てママ向けハンドブック」「子育て応援消費財」など、子育てママを対象としたサポートや割引が豊富なので、家事育児で忙しいママさんにおすすめです。
おすすめポイント
- 21都道府県と幅広い地域で利用可能
- 安全性にこだわった食品を購入できる
- 子育てママを対象としたサポートや割引がある
2.コープデリ
コープデリは、1都7県で約530万人の会員(2024年時点)が利用する生協です。食品中心の品揃えで一部生活用品も購入できます。コープデリでは、商品の企画〜販売まであらゆる段階で正確な情報伝達と細かな点検・リスク分析を行い、安全な商品提供を心がけています。
環境や社会に配慮した主原料を使った商品を取り扱う「コープサステナブル」シリーズもあります。
- 海の資源を守るシリーズ
- 森の資源を守るシリーズ
- 大地の力を活かすシリーズ
- リサイクル材使用シリーズ
上記4シリシーズの商品を展開し、該当する商品には「コープサステナブル」のオリジナルロゴを付けて販売しています。
おすすめポイント
- 1都7県で約530万人(2024年時点)が利用する生協
- 商品の企画〜販売までのあらゆる段階で、安全な商品提供のための取り組みが行われている
- 自然環境に配慮した商品を購入できる
3.パルシステム
パルシステムは、首都圏を中心に160万世帯が利用している(2023年時点)生協です。コトコト・Kinari・きなりセレクトの3種類のメインカタログに加えて、4種類のオプションカタログを発行しており、約3,000品目以上ある品揃えからライフステージや利用用途に合わせて商品を選べます。
また、ごみの削減や食品ロス削減に向けた取り組みも実施。ごみの削減には「リユースびん」、食品ロスには「冷凍食品」を推奨し、パルシステムを通して一人ひとりが小さなアクションを起こせるきっかけ作りを行っています。
おすすめポイント
- 約3,000品目の品揃え
- 7種類の豊富なカタログで、利用目的に合わせて商品を選べる
- SDGsに向けた小さなアクションを起こせるきっかけになる
4.おうちコープ
おうちコープは、神奈川・静岡・山梨で利用できる生協です。取扱商品は、食品・雑貨・お取り寄せグルメ・ペット用品など、約3,000品目の品揃え。宅配サービスも特徴的で、体の状態に合わせて選べる「健康管理食」や手作りの夕食を週5日または週3日配達してくれる「夕食宅配」など、ライフスタイルに合わせて配送サービスを使い分けられます。その他にも湯煎するだけ・火を通すだけの時短商品・裏ごし作業不要な離乳食など、料理の手間を低減できる商品も購入できるので、お仕事や家事・育児で忙しいご家庭におすすめです。また、サステナブルな取り組みとして、リサイクルやエシカル消費・フードバンク・地域見守り活動など国内外問わず幅広い分野において活動しています。
おすすめポイント
- 食品・雑貨・お取り寄せグルメ・ペット用品など、約3,000品目の品揃え
- 時短商品やお弁当の宅配など、手間少なく栄養バランスの取れた食事を食べられる
- SDGsの目標達成に向けた貢献につながる
まとめ
生協には、安全・安心な商品の提供や地元産品の取り扱い、配達サービス、コストパフォーマンスなど、生活を便利にする要素がたくさんあります。
また、子育て割やシルバー割など、ライフスタイルやライフステージに合わせて安く利用できるサービスもありますので、そちらも加味して選ぶのがおすすめです。まずは、近くの生協について調べてみて、入会を検討してみてください。
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