家庭菜園士が教える!自作段ボールコンポストの作り方・使い方

コンポスト

生活していると、毎日出てしまう生ごみ。そのまま捨ててしまうのではなく、コンポストにチャレンジしてみたいけれども、初期投資がかかりそう、面倒そうなどといった理由で、始められないという方も多いのではないでしょうか?

コンポストは基本的にとても簡単です。高価で専門的な種類のコンポストも確かにあるのですが、家庭から出る生ごみを堆肥化する位なら、難しいことをする必要はありません。庭や畑で堆肥をつくる方法以外にも、ベランダなどでお手軽にコンポストにチャレンジできます。

今回はコンポストのなかでも一番簡単にスタートできる「段ボールコンポスト」についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

生ごみが激減!段ボールコンポストとは

段ボールコンポストとは、その名の通り、段ボールを使って、生ごみから堆肥を作るコンポストです。なんといっても簡単。始めようと思えば今日からでも始められるお手軽さが魅力といえます。準備するものも少ないので、費用もかからず、匂いもほとんどしないので、ベランダなどでも使えます。段ボールなので、水分には弱いので、雨に濡れない場所に置いて始めてみましょう。

段ボールコンポストの作り方・使い方

段ボールコンポスト

市販の段ボールコンポストキットもありますが、今回はもっともお手軽で簡単な、自分で作ることができる、段ボール箱を使ったコンポストの作り方をご紹介します。

【準備するもの】
・段ボール(底に、新聞、雑誌などを敷くと補強になります。)
・ピートモス 15L
・モミガラ燻炭 10L
・通気性のある虫よけカバー(古いタオルやTシャツでも可。段ボールのふたの部分にアイスピック、キリなどで複数の穴を開け、通気孔をつくる方法でも。)

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【つくり方】
1,段ボールにピートモス15L、モミガラ燻炭10Lを入れてよく混ぜる
2,水分を多く含む生ごみは少し乾燥させる
3,生ごみを小さくする(野菜くずなどはできるだけ小さく刻む)
4,コンポストの中に生ごみを入れて混ぜる。
5,虫よけカバーをしておく。
6,毎日1回、酸素を含ませるためによくかき混ぜることを推奨。夏場は厳守。

段ボールコンポストに入れない方がいい生ごみ

段ボールコンポストには、1日500g程度の生ごみ投入が限度です。段ボールのサイズ、基材の量にもよりますが、家庭用コンポストのレベルでしたら、基本的には500g程度が上限です。

貝の殻、家畜やペットのフンなど、腐ったものなどは、段ボールコンポストの失敗の原因になります。また、魚、豚、鶏、牛などの骨、卵の殻、甲殻類の殻、ジャガイモ、ニンジン、エダマメの皮、葉っぱなどは、分解はされますが、速度は遅いです。

段ボールコンポストが一杯になったら

使用している段ボールコンポストがいっぱいになったら、生ごみの投入はストップし、毎日1回よくかき混ぜて酸素を供給しながら、完成(完熟)を待ちましょう。生ごみ投入をストップしてから、およそ2~3ヶ月で完熟の堆肥と呼べる状態になります。

段ボールコンポスト

生ごみの投入をストップしたコンポストの中身は乾いていきます。水分がすっかりなくなり、ころころする、ふかふかするという特徴があります。生ごみが土のようにならず、かたちが残っているという声を聞くことがよくありますが、見極めるべきは「乾燥しているかどうか」です。ころころしている、かたちが少し残っている状態でも、きちんと乾燥していればOKです。すべて分解されなくてよいのです。

段ボールコンポストでできた堆肥の使い方

完成した堆肥は、肥料や追肥として利用できます。これから家庭菜園、園芸を始める場合には、培養土と混ぜて使ったり、すでに育てている野菜、花、植物などの生長を助ける追肥として利用できます。完熟が中途半端な堆肥を使うと、植物の根を傷めることになりますので、完成させた堆肥を使いましょう。

段ボールコンポストに失敗しないポイント

生ごみの分解が遅い時は、米ぬかを投入

米ぬか

タンパク質や糖分、古い油などを投入すると、コンポスト内の微生物が活発になり、分解が促進されます。また、米ぬかやコーヒーかすにも発酵促進効果があるので、生ごみと一緒に投入すると分解が進みやすいです。

段ボールコンポストにウジ虫がわいた時は

段ボールコンポストにウジ虫が発生したら、コンポスト失敗の環境です。諦めて処分しましょう。

「ウジ虫かも」と勘違いしやすい虫が、アメリカミズアブのさなぎ、もしくは幼虫です。
ころんとしたかたちのさなぎ、幼虫が出てくると思いますが、このアメリカミズアブはウジ虫とはまったく別物です。

アメリカミズアブは生ごみ分解・堆肥化を手伝ってくれる虫なので、堆肥化の速度がはやくなります。コンポストの協力者という捉え方もあります。虫が苦手な人は早々に処分しても構いませんが、堆肥のペースを速めたい人は、そのままにしておいても害はない虫と憶えておくとよいでしょう。

段ボールコンポストの水分調整には、コーヒーかすを投入

コーヒーかす

過剰な水分は段ボールコンポストの大敵です。水分が多いと発酵せず、腐敗してしまう可能性が高くなります。コンポスト内の水分が過剰な状態の時は、乾燥させたコーヒーかすを投入することで水分調整できます。また、コンポスト内の水分が少なく、乾燥気味の状態なら、濡れたままの状態のコーヒーかすを投入し、水分量を調整してください。コーヒーかすには消臭作用や発酵促進効果もあります。

コツをつかんでしまえばびっくりするほど簡単な段ボールコンポスト。ベランダでも使えて、費用もかからずに、生ごみを削減することができます。まずは開始してみると、「もっとこうしたい」「この部分を改善したい」という部分がわかってきます。いつでも軌道修正することができますので、考えすぎずに、力まずに、まずは軽い気持ちではじめてみましょう。

<参照文献>
「基本からわかる 堆肥の作り方・使い方」(家の光協会)後藤逸男 監修

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七尾びび

家庭菜園士。マイファーム松戸農園、循環型でたい肥づくりに特化した松戸千駄堀農園の農園・自産自消アドバイザー。農業系ライター。