夏~なるべくサステナブルな旅①宿泊先選び 【服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア】

海外で人気のライフスタイル「ゼロウェイスト」。日本でも少しずつ聞くようになってきて、「ごみを減らしたい」「捨てる以外の方法が知りたい」という声をよく耳にします。その一方、大量に出るごみを前に、どこから手をつけたらいいのかわからないという声も少なくありません。

そこでLife Huggerでは、「サステイナブルに暮らしたい」「サステイナブルに家を建てる」の著者で、ゼロウェイスト生活を発信する服部雄一郎さん、服部麻子さんとのコラボレーション企画として「服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア」の連載をスタート!

第73回目となる今回は、「夏~なるべくサステナブルな旅① 宿泊先選び」です。

旅の「リデュース」

麻子:夏休みということで、「旅の形」についてお話ししてみましょう。

雄一郎:と言いつつ、実はわが家、あんまり旅行に行かないんだよね。

麻子:私が旅が苦手だからね…。長距離の移動や旅先の布団とか、普段と違う環境がストレスになりやすくて。「住む」とか「長期間の滞在」なら楽しめるんだけど、短期の旅行はちょっとね。

雄一郎:僕は全然大丈夫なんだけど、結果的にわが家はあまり「家族旅行」には行かないね。

麻子:そうね~。私はごくたまに「本当に行きたい場所に行く」くらいが理想かな。旅の「リデュース」とも言える?

雄一郎:まぁ、そうかもね。僕は出張が旅代わりになってるし、子どもたちは長期休暇のたびに関東の祖父母宅にお世話になっていて、それがわが家の旅の「ほぼすべて」。そう思うと、かなりの省エネ・省コストかも!

こんな景色が家のすぐそばにある場所に移住したので、「ふだんの暮らしが旅行みたい」な部分も…

宿泊先選び~わが家の場合

麻子:でも、その反動なのか、子どもたちはホテルが大好き。

雄一郎:そうそう! 「ここに旅行したい!」と言うよりは「ホテルに泊まりたい!」というリクエストが子どもたちにはあるので、時々ホテルに泊まることを目的としたプチ旅行をしたりするね。

麻子:場所は問わないので、「近くの方がラク!」ということで、今夏もすぐ近くの愛媛県のホテルに「小旅行」。何なら車で1時間もかからない場所のホテルに泊まったりも…。十分に旅行気分が味わえて、疲れず、非日常が楽しめて意外におすすめ。

雄一郎:ホテル選びはいつも真剣。環境配慮のかけらもないようなホテルにはなるべく泊まりたくないから。

麻子:かと言って、予算も限られているし、「ここ!」というホテルを見つけるのは意外に難しい。

雄一郎:少し前までは「エコ ホテル」や「サステナブル 宿」などのキーワードで調べていたんだけど、あまりしっくり来る情報が出てこなくて…。そんな中ではLivhubの都道府県別の「サステナブルな宿・ホテル」は、ほかとはひと味違うラインナップでよかった。この手の情報がもっとほしい。

最近は楽天トラベルにも「サステナ宿」という検索ページができていて、いろいろ調べられておもしろいんだけど、やっぱり現状はまだ「本当にエコな宿が見つかる」という感じでもないのが残念なところ。今後、ニーズの高まりとともにこういう情報がもっと充実していくことを期待してる。

こちら京都のGood Nature Hotelは環境配慮の取り組みが充実していることで知られる数少ないホテルのひとつ

宿泊リポートもありますのでよかったらご覧ください

やっぱり民泊や小規模な宿!

麻子:「本当にエコな宿に泊まりたい」と思ったら、やっぱり一般的なホテルよりも、民泊とか小規模なゲストハウスなどの方がしっくり来るところがたくさんある。とても雰囲気がよかったり、食事がおいしかったり、心を込めてつくられた宿がたくさんあると思う。

雄一郎:たしかにそうだね。大規模でない分、ありきたりでないというか、オーナーの「思い」がよりダイレクトに反映されるんだろうな。うちはAirbnbをよく使うけど、写真や説明文を見ただけで「どんな宿なのか」がわかりやすくて、ホテルよりもずっと「自分に合う宿」を選びやすい。

麻子:ホテルの条件で言ったら、もちろん「無料アメニティは提供していません」とか「電気は再エネです」とかも大事だけど、もはやそれだけが問題ではないというか、「もっと大事なエッセンスがある」というか…。

雄一郎:わかる。「本当に自然や未来を大切にしよう」という心があるかどうかは、そうした条件面では意外に測れない気がするよね。この辺は一般的な情報源の中にはなかなか表れてこないから、やっぱり信頼できる人が薦めている宿を日ごろからチェックしておくのがいちばん。

忘れがたいうつくしさだった大分の宿「糧の家

空間も、食事も、大切なことをたくさん受け取らせてもらった滞在でした

雄一郎:あとはインスタグラムなどで僕自身の価値観をわかってくれているフォロワーさんたちに「このエリアにおすすめの宿はありませんか?」とストーリーで質問してみる、というのもよくやります。みなさん「どんな宿がよさそうか」をわかった上で提案してくださるので、ありがたい情報が多くてすごく助かっています。

麻子:手前味噌ですが、わが家が昨秋からはじめた一棟貸しのゲストハウスも、ゼロウェイスト、エシカル、オーガニック、地産地消などのマインドを最大限に取り入れた宿です。

雄一郎:高知に旅行される方々にはぜひ宿泊先候補にしていただけるとうれしいよね。後編で詳しく紹介させていただきましょう。


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服部雄一郎 服部麻子

神奈川生まれ。バークレー、南インドを経て、高知の山のふもとに移住。 ゼロ・ウェイスト、サステイナブル、ギフトエコノミーを取り入れた暮らしを家族で楽しむ。著書に、『サステイナブルに暮らしたいー地球とつながる自由な生き方―』『サステイナブルに家を建てる』(アノニマ・スタジオ)。(写真 衛藤キヨコ) Instagram:@lotusgranola