歯ブラシを捨てずにリサイクル!回収場所は?ライオンや星野リゾートの取り組み

歯ブラシ

安価で買えるプラスチック製の歯ブラシ。数ヶ月で買い替えるというサイクルのため、年間かなりの数が廃棄されていることが推測できます。そんな大量消費・大量処分のサイクルに終止符を打つためには、地球に戻る原料で作られた歯ブラシを選ぶこと、また歯ブラシのリサイクルという取り組みも広まりつつあります。

今回は企業を上げて取り組むライオンの「ハブラシ・リサイクル」、そして宿泊施設で出る使用済み歯ブラシの再資源化を進める、星野リゾートのサステナブルな取り組みを紹介します。

ライオン「ハブラシ・リサイクル」とは

歯ブラシ
ライオン(LION)は、国内オーラルヘルスケアのパイオニアで、130年以上の長きに渡り人々の健康維持に貢献してきました。歴史のある会社であると同時に、実は「環境対応先進企業の実現」を経営目標のひとつに掲げていることも特徴。ものづくりの場やさまざまな活動において環境負荷低減に取り組んでいます。

「ハブラシ・リサイクル」とは

ライオンの「ハブラシ・リサイクル」は、使用済み歯ブラシを回収・リサイクルし、植木鉢など新しいプラスチック製品に生まれ変わらせるプログラムです。ライオンがテラサイクル合同会社と連携し、リサイクルが可能になりました。2022年6月時点で、回収拠点数1,080ヶ所、回収数105万本を達成しています。人々の口の健康と、環境への負荷削減を両立させた資源の循環システムですね。

「ハブラシ・リサイクル」参加の流れ

「ハブラシ・リサイクル」は個人・学校・団体などの単位で事前登録すれば、誰でも参加可能。回収ボックスの設置などを行い、使用済みの歯ブラシを回収。集めた使用済み歯ブラシは提携会社が集荷します。

登録した参加者には回収重量に応じてテラサイクルポイントが付与、そのポイント数に応じて、歯ブラシをリサイクルして作られたプラスチック製品との交換はじめ、一テラサイクルポイント=一円として教育支援・地域支援などの寄付に換えることができます。

回収可能な歯ブラシ、回収不可能な歯ブラシ

回収が可能なのは家庭用歯ブラシです。家庭用のものなら掃除などで使用したものでも大丈夫。また電動歯ブラシ、天然毛の歯ブラシ、歯間歯ブラシ、使い捨て歯ブラシも不可能なので、注意しましょう。

回収の拠点・場所

登録は個人でできるとありますが、回収してもらえるのが2kg以上(歯ブラシ約200本分)からなので、持ち込みできる回収拠点を見つけて、その回収ボックスに入れることから始めてみては。もちろん参加者が各自で回収ボックスの設置を行い、使用済み歯ブラシを集める方法もあります。その際は保育園や幼稚園、学校で行うのが現実的。回収は無料で、発送依頼の翌々営業日までに運送会社がピックアップしてくれます。

全国の回収拠点は下記より確認できます。

【参照サイト】【LIONハブラシ回収プログラム公共回収拠点】

使用済み歯ブラシのリサイクル

回収された歯ブラシは破砕後、機械に投⼊・溶解処理され、プラスチック商品の原材料ペレットとなり、植木鉢に生まれ変わります。

星野リゾート「歯ブラシを捨てない仕組み」とは

星野リゾート 歯ブラシリサイクルの仕組み
今年で108年目を迎える星野リゾートでも、プラスチック資源循環の取り組みとして「歯ブラシを捨てない仕組み」を進めており、2019年10月で国内の30施設で導入が完了しています。星野リゾートは国内外で60施設を運営していますが、2022年中に国内51すべての宿泊施設に同仕組みを取り入れる予定です。

「歯ブラシを捨てない仕組み」とは

歯ブラシに使われるプラスチックの再利用・資源循環を推進するため、年間100万本以上も廃棄されている使用済み歯ブラシを回収、リサイクル(再資源化)する取り組みです。

星野リゾートはいずれも自然豊かな地で、自然の恵みを享受できる宿泊施設です。だからこそ自然環境への負荷を少しでも軽減した、サステナブルなリゾートを目指しています。星野リゾートでは開業当初から水力発電を活用。その後も持続可能な観光の実現のためにさまざまな活動に取り組んでいます。プラスチックごみを減らす、資源循環を目的としたこの取り組みも活動の一環です。

歯ブラシから歯ブラシへ⁉

回収された歯ブラシは破砕後、機械に投⼊・溶解処理され、プラスチック商品の原材料ペレットとなり、植木鉢やコンテナとして使われていました。

さらに次のステップとして、歯ブラシから歯ブラシへリサイクルすることが実現しました。
回収した歯ブラシの100%をリサイクルに回せるわけではないので、原料の供給量に課題があり、このプロセスはハードルが高かったのです。ですが、ほかの家電から再生された樹脂を歯ブラシの原料として使用する流れを構築することに成功したことで、安定的な再資源化が可能に。
複数の施設でリサイクル歯ブラシの導入が可能となり、2022年中の導入完了を目指しています。


歯ブラシなどの小さなプラスチック製品は、気軽に可燃ごみとして出してしまいがちです。
小さなものでもひとりひとりが出し続けることで、自然環境に大きな負荷を与えてしまいます。できることは色々とありますが、使用済み歯ブラシは近くの回収拠点に持参することから。そして旅行の際にはこうした取り組みを採用している施設を選ぶのも一案です。いずれも資源循環のサイクルに参加することに繋がりますね。

【関連ページ】日本製も!環境問題に配慮した竹歯ブラシおすすめ9選
【関連ページ】星野リゾート、歯ブラシリサイクルの仕組みを導入へ
【参照サイト】LION ハブラシ・リサイクルプログラム
【参照サイト】TerraCycle|ハブラシ・リサイクルプログラム
【参照サイト】歯ブラシを「捨てない」仕組みでプラスチックの資源循環を実現 2022年中に国内すべての宿泊施設に導入 ~使用済み歯ブラシを回収・リサイクルし、歯ブラシとして再生利用~

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mia

旅するように暮らす自然派ライター/オーガニック料理ソムリエ ・アロマ検定一級 | バックパックに暮らしの全てを詰め込み世界一周。4年に渡る旅の後、AUSに移住し約7年暮らす。移動の多い人生で、気付けばゆるめのミニマリストに。 ライターとして旅行誌や情報誌、WEBマガジンで執筆。現在は自然に沿った生き方を実践しながら発信中。地球と人に優しい暮らしのヒントをお届けします。