自然の恵みを感じながら、おいしいものを食べ、ゆったりとした時間を過ごせるキャンプ。アウトドアで生活するという、非日常的な体験を気軽にできるところも魅力の一つです。近年は、従来のファミリー層に加え、20代などの若年層やソロキャンパーなど、キャンプを始める人の数は毎年増え続けています。
自然を堪能する一方で、キャンプに快適さを求め、つい普段の生活スタイルを自然の中に持ち込んでしまうことも。その結果、多くのごみが出たり、周辺の環境汚染につながってしまうこともあります。そこで今回は、環境に配慮しながら楽しむ、サステナブルなキャンプを実践するための10のコツをご紹介します。
1. 食器は繰り返し使えるものを選ぶ
使い捨ての紙皿や紙コップ、プラスチックのカトラリーは、便利な反面、ごみになります。アウトドアショップやホームセンターに行けば、繰り返し使えるキャンプ用の食器が手に入るので、お気に入りを選び持って行きましょう。使いやすいし、料理も映えます!
2. 調理器具は、家にあるものも活用する
キャンプに持って行く調理器具を全て新調しなければ…と考える方もいると思います。実は、家にある調理器具でも、ガスバーナーやコンロで使うのであれば十分活用できます。我が家は毎回、ルクルーゼの鍋とカセットコンロを持って行き、それを使って鍋をしたり、スープ類を作ったりしています。新たなモノを買わない・増やさないことで、最終的にごみを減らせてエコですし、使い慣れた鍋やフライパンだと調理がしやすいです。
3. 料理は下ごしらえをして持って行く
野菜や肉、魚のプラスチック包装やトレーなど、キャンプで出るごみを減らすため、初日の食事や可能なものは、あらかじめトレーや袋から出し、下ごしらえして持って行きましょう。ホーロー容器や鍋に入れて持って行くと、そのまま火にかけてお鍋代わりに使えるので便利です。
4. 飲み物は缶や瓶のものと、水筒を活用
プラスチックごみを減らすために、飲み物はリサイクルが可能な缶やガラス瓶に入ったものを持っていきましょう。また、大きめの水筒やウォータージャグに飲み物を作って持って行くのもおすすめです。氷を少し多めに入れておけば、暑い日のキャンプでも、1日中冷たい水やドリンクを飲むことができます。
5. エコな石けんやキッチン用洗剤を使う
キャンプ場で流れた水で環境を汚さないために、自然に還る素材でできた石けんやキッチン用洗剤を使いましょう。我が家では、普段から使っている自然に還るキッチン洗剤と、自然由来のセルロース製のスポンジを持っていきます。また、ボディソープには、食器洗いにも使える「マジックソープ」をボトルに詰めて持って行ったり、自然由来の原料でできた固形石鹸を持って行ったりするのもオススメです。
6. キャンプの定番、焚き火もサステナブルに
我が家では、手に入る時は住宅メーカーの展示場にあった端材をのこぎりで切って、薪のかわりに使っています。これなら材料費は0円でお財布にも優しいです。また、薪や炭を買う時は、説明をよく読み、熱帯雨林の伐採とつながりのないものを選んでいます。近年は焚き火で使用する焚き火台にも、環境に配慮したアイテムが登場しているので、焚き火道具の購入を考える際、選択肢の一つにしてみてください。
7. ソーラー発電のグッズを活用する
キャンプで便利なのが、ソーラー発電関連のグッズ。我が家では、テント内で使うランタンは、ソーラー充電式のランタンを使っています。テントを立てる時に外に出して充電しておくだけなので、準備も簡単です。また、災害用を兼ねて買ったソーラーパネルがついた充電器は、2日以上キャンプをする時のスマホの充電に活用しています。
8. キャンプ用品をレンタルする
キャンプをする回数が年1回程度であれば、テント、タープ、テーブルなどの道具一式をレンタルすると、車に積んで道具を運ぶ際に出るCO2排出量を減らし、かつ運手間も省けて便利です。また、モノを増やさずに済む点がエコなのでおすすめです。初めてキャンプをする時は、設営済のテントがあるサイトを用意しているキャンプ場を利用してみるのもオススメです。他の利用者のサイトを見て、具体的なキャンプのイメージを持つことができます。
9. キャンプ用品を買う時は、価格だけでなく質も重視する
テントや、椅子・テーブル、ガスバーナーなどのキャンプ用品を買う際は、耐久性や修理・メンテナンスのしやすさなど、価格だけでなく「質」も重視して選びたいです。特に寝袋は、値段とクオリティが比例します。20年ほど前に初めて寝袋を買う時に、アウトドアショップで比較的高価なダウンの寝袋を勧められて購入しました。当初は「高いなあ…」と感じましたが、結果的には大正解。軽くて暖かく、今でも寒い時期のキャンプで活用しています。一方、調理グッズや収納アイテムは、100円ショップやホームセンターで、リーズナブルで役立つグッズが手に入ります。いろいろ工夫して楽しんでみてください。
10. キャンプ場は、なるべく近い場所を選ぶ
キャンプ場までは、基本は車を使います。車を使う=CO2を排出することになるので、環境のことを考え、できるだけ自宅から近い場所を選びましょう。また、車を使わずに公共交通機関でキャンプ場に行き、現地でテントを借りるのも、環境負荷を軽減する選択肢のひとつです。
いかがでしたか?自然の豊さを満喫できるキャンプだからこそ、地球環境にやさしいスタイルで楽しみたいですよね。今回ご紹介した方法は、環境負荷を減らしながら、アウトドアライフを楽しむためのアイデアの一部です。10のコツを参考に、ぜひ、できるところから、サステナブルなキャンプを実践してみてください!
【参考ページ】国内旅行などが半減している中で、オートキャンプ参加人口30%減に留まる
曽我 美穂
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