食品の「3分の1ルール」とは? 食品ロスを防ぐために私たちができること

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「3分の1ルール」という食品流通における商習慣をご存じでしょうか。日本には、3分の1ルールという食品メーカーと小売店の間に存在している商習慣があり、食品ロスを増やす原因の一つになっています。そこで本記事では、3分の1ルールについて解説します。私たち生活者(消費者)が食品ロス削減に貢献できる具体的な方法も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

食品の3分の1ルールとは

3分の1ルールとは、製造者(メーカーや卸)・販売者(小売店)・生活者が、賞味期限までの期間を均等に3等分で分け合うという日本独特の商習慣のことです。例えば、賞味期限6カ月の食品の場合は、以下のようになります。

  1. メーカーから小売店への納品期限:2カ月
  2. 小売店の販売期限:2カ月
  3. 生活者がおいしく商品を食べられる賞味期限:2カ月

そして賞味期限まで残り3分の1を切ってしまった商品は、店頭から引き上げ、ディスカウントショップなどに安く買い取ってもらうか、廃棄されます。

3分の1ルールのメリットとデメリット

メリット

3分の1ルールのメリットは、新鮮で安全な食品を生活者に届けられることです。このルールが守られることで、店頭に賞味期限切れの商品が並ぶことを防ぐことができます。

商品価値の低下を防止できることもメリットです。賞味期限間近になると、値引き販売する小売店が多くなります。このような値引き販売はブランド価値を下げる要因になりかねません。賞味期限に余裕を持って小売店に納品することで、値引き販売されるリスクを低減することができます。

デメリット

デメリットは、品質に問題のない商品が廃棄され食品ロスにつながることです。3分の1ルールがあることで納品期限と販売期限がタイトとなり、食べられる期間が十分に残っている食品のロスが発生してしまいます。

3分の1ルールの見直しに関する取り組み

農林水産省は、2012年『食品ロス削減のための商習慣検討ワーキングチーム』を立ち上げ、食品ロス削減に向けた以下の取り組みに対する議論を開始しました。

  1. 納品期限の見直し・再検討
  2. 賞味期限の見直し(技術開発を踏まえ期限延長)
  3. 表示方法の見直し(年月日表示から年月表示へ)
  4. 食品ロス削減に関する消費者理解の促進
  5. その他の食品ロス削減に向けた取組

【参照サイト】一般社団法人日本有機資源協会(JORA)

そして令和4年度に農林水産省が発表した内容では、多くの企業が納品期限の緩和・賞味期限表示の大括り化・賞味期限の延長への取り組みを実施していることを公表しています。実際に発表された企業数は以下のとおりです。

納品期限の緩和240事業者
賞味期限表示の大括り化
(年月日表示から年月表示へ)
267事業者
賞味期限の延長182事業者

【参照サイト】農林水産省

生活者(消費者)ができること

3分の1ルールによる食品ロス問題への注目度が高まるなか、生活者である私たちにも今すぐ取り組めることがあります。それが以下の3つのことです。

  1. てまえどり
  2. 多少の賞味期限切れは許容する
  3. 賞味期限間近の食品を購入できるサイトの活用

具体的に見ていきましょう。

てまえどり

「てまえどり」とは、商品棚の手前にある賞味期限が近い商品から積極的に選ぶことです。スーパーで買い物をするとき、陳列されている商品の奥側のもの(賞味期限が長いもの)から手に取る人もいます。

「てまえどり」を行う人たちが増えれば、それだけで食品ロスの発生リスクを抑えることができます。誰でもすぐに取り組めることなので、ぜひ意識してみましょう。

多少の賞味期限切れは許容する

賞味期限は「おいしく食べられる期限」のことであって、食品が腐ってしまう期限ではありません。しかし賞味期限が過ぎた食品を廃棄してしまう人は少なくないでしょう。そこで、多少の賞味期限を許容して食べることでも食品ロスを抑えることにつながります。

実は食品ロスの約半分は一般家庭から排出されています。そのため、家庭一つひとつが多少の賞味期限を許容できるようになれば、大幅な食品ロスの削減が期待できるのです。

【参照サイト】消費者庁

賞味期限間近の食品を購入できるサイトの活用

食品を取り扱うECサイトでは、「訳あり品」といった形で賞味期限間近の食品をお得な価格で販売しているケースが増えています。

そのようなサイトを活用することでも食品ロスの削減に貢献することが可能です。食費の節約も期待できるので、賞味期限が近くても気にしないという人は訳あり品を扱うECサイトの利用も検討してみてください。
 

賞味期限間近の食品を購入できるサイト

ここからは、賞味期限間近の食品を購入できるサイトを5つ紹介します。利用を検討している人は、ぜひチェックしてみてください。

Kuradashi(クラダシ)

画像は、Kuradashiから引用。

Kuradashiは、スーパーで見かける商品はもちろんのこと、地元の名産品や高級店のお菓子など、幅広いジャンルから選べるECサイトです。また独自サービス『えらんでKuradashi』 3,980円(税込)~は、商品を自分で自由に選んでまとめ買いができます。訳あり品は一つひとつのボリュームが多いケースもありますが、本サービスならその心配なくいろいろな商品を少しずつ楽しめます。

さらに売上の一部が社会貢献活動を行う団体へ寄付されるのも嬉しいメリット。14の選択肢から応援したい団体を選んで寄付活動に強力できます。

Kuradashiのおすすめポイント!

  • スーパーでは買えない、地元名産品や高級店のお菓子を購入できる
  • 『えらんでKuradashi』で、いろんな商品を少しずつ楽しめる
  • 商品の買い物が、そのまま社会貢献活動団体への寄付につながる

Otameshi(オタメシ)

Otameshi(オタメシ)

画像は、Otameshiから引用。

Otameshiは「また食べられるのに」「まだ着られるのに」といった商品を、食品から日用品まで1,401品目(2023年11月27日時点)掲載しています。スーパーで見かける商品をとてもお手頃な価格で購入することが可能です。

また10個・20個単位で販売されているものが多く、よく購入する商品があればお得にまとめ買いできます。購入代金の一部は自分で選んだ団体に寄付できるので、社会貢献にもつながります。

Otameshiのおすすめポイント!

  • 食品から日用品まで、豊富な訳あり商品が買える
  • 商品をまとめ買いでき、食費の節約と購入の手間を大幅に削減できる
  • 買い物がそのまま社会貢献活動団体への寄付につながる

TABETE(タベテ)

TABETE(タベテ)

画像は、TABETEから引用。

スーパーや飲食店・ホテルなど全国約2,500店舗以上の掲載店の中から好きなお店の商品を選んで購入できる、フードシェアリングアプリ「TABETE」。洋菓子店のお菓子やケーキ、パン屋で余ってしまったパン、ホテルで提供される弁当など、ほかのECサイトでは取り扱われていない商品を購入することが可能です。

そんなTABETEのアプリでは、GPSを使って現在地近くのお店情報を表示する機能が搭載されています。そのため、今まで知らなかった近所のお店との新しい出会いも期待できます。

TABETEのおすすめポイント!

  • 掲載店舗が約2,500店舗以上と豊富で、全国で利用できる
  • 各種専門店の本格的な商品を通常価格より安く購入できる
  • 近所の美味しいお店を発見することにつながる

トクポチ

トクポチ

画像は、トクポチから引用。

トクポチは「ロス、お得、減らす」をコンセプトに掲げ、食品ロスの削減を目指す会員制の通販サイトです。そんなトクポチでは、定価の60%〜100%オフで商品を購入することができます。

主食・副菜・調味料・おつまみ・お菓子・飲料・健康食品・ペットフードなど幅広い食品が掲載されているので、食品ロスの削減と併せて食費の節約にもつながります。

トクポチのおすすめポイント!

  • 最低でも定価の60%オフで商品を購入でき、食費の大幅な節約になる会員制サイト
  • 食品・健康食品・ペットフードなど幅広い商品を掲載
  • 会費は130円/月(STANDARD)もしくは330円/月(PREMIUM)

もったいない市場

もったいない市場

画像は、もったいない市場から引用。

もったいない市場は、賞味期限切れ・賞味期限間近・在庫処分品などをお手頃価格で購入できるECサイトです。お菓子や冷凍スイーツ・飲料・健康食品・美容商品・生活雑貨など幅広いアイテムが揃っています。

お菓子は、海外の商品も購入することもできます。日本ではなかなか見かけない、海外のお菓子を購入したい人にもおすすめのサイトです。

もったいない市場のおすすめポイント!

  • 賞味期限切れ・賞味期限間近・在庫処分品を定価より安く購入できる
  • お菓子・冷凍スイーツ・飲料・健康食品・美容商品・生活雑貨と幅広い商品から選べる
  • 日本ではなかなか見かけない海外のお菓子を購入できる

まとめ

今回は3分の1ルールについて解説してきました。現在では3分の1ルールの見直しや、緩和する動きも見られます。生活者である私たちにも、食品ロスを防ぐためにできることがあります。てまえどり・賞味期限切れの許容・訳あり品が買えるサイトの利用など、自分のできるところから取り組んでいきましょう。


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Yuta Yoshikawa

愛知県在住、Webサイト運営・Webライター。「コーヒーで読み解くSDGs」という本に出会い、コーヒーひとつでSDGs17の目標すべてに貢献できることを知りました。それからは、大好きなコーヒーを中心にエシカル消費やゼロウェイストを楽しんでいます。また、最近は、愛犬と一緒にサステナブルな生活を目指しています。