クラダシ、バレンタインを過ぎたチョコを救済するポップアップショップを全国11か所で開催

Kuradashiバレンタインポップアップショップ

2月14日のバレンタインデーをさかいに、売り場からいっせいに下げられる大量のチョコレート。そのチョコレートを救済するポップアップショップを、フードロス削減に取り組むソーシャルグッドマーケット「Kuradashi(以下、クラダシ)」が2月15日より開催しました。

クラダシは、累計1200社以上(2022年2月現在)のフードロスに賛同するメーカーから仕入れた、3分の1ルールなどの食品流通の商慣習などが要因で、まだ食べられるのに捨てられてしまう可能性のある商品、賞味期限が近づいている商品や、パッケージの印字ミスや少しの傷で規格外となった商品、終売品·返品となった商品を、消費者が平均65%の割引価格でお得に購入できるソーシャルグッドマーケットです。

購入時には、フードロス削減だけでなく、ユーザー自身が一覧から選んだ環境保護、災害対策、医療、動物保護といった社会貢献活動団体へ、商品代金の一部を寄付できる仕組みも導入されています。

今回は、バレンタインチョコレート救済の取り組みについて、株式会社クラダシの経営戦略室R&D Gの山口達也さんにお話しを伺いました。

ポップアップショップ

新百合ヶ丘エルミロード

今回クラダシが着目したのは、予約販売や需要予測など企業が生産コントロールを行っているものの、毎年シーズン過ぎに売れ残ってしまうバレンタイン限定パッケージのチョコレート。

「消費者に、まだ食べられるのにさまざまな理由で捨てられてしまう、このような現状を知っていただくとともに、お得にお買い物を楽しみながらフードロス削減に取り組む機会を提供したい」との思いから、食品関連メーカーや商社から直接仕入れ、店頭にて「私たちのバレンタインは2月15日から始まります」とのメッセージを打ちだしました。

昨年、東京・渋谷と表参道の東急プラザ2店舗で同ポップアップショップを初開催したこの取り組みは、オンライン販売とあわせ3日間で計2,312個のバレンタインチョコレートのロス削減を達成。

今年はオンライン販売に加えて、ポップアップショップを全国11か所と規模を拡大。千葉県のペリエ千葉や神奈川県の新百合ヶ丘エルミロードといったショッピングモール、北海道のTSUTAYA木野店、宮城県のあゆみBOOKS 仙台一番町店、愛知県のBOOKS えみたす長久手店といった書店、さらには滋賀県の名神高速道路 大津サービスエリア (下り線)まで拡大しています。

チョコ2

「昨年、初開催したポップアップショップの影響というよりも、この1年間のクラダシの活動を知っていただき、『廃棄になったりディスカウントショップに売ったりするくらいならぜひクラダシで』と言ってくださるメーカーさんが増えたことで今年はさらに規模をかくだいして開催することができました。大手メーカーさんからの依頼も増えたのは大きな変化です。クラダシの取り組みに共感いただいて『ぜひうちでやりましょう』と声をかけてくださるパートナー企業さんが増えていることを実感していますね」(山口さん)

バレンタインデーを過ぎて店頭で売ることができなくなった商品の多くは、企業側で廃棄するかディスカウントショップに売ることがほとんど。シーズンが過ぎ、店舗からバレンタインデーコーナーがなくなると、催事用ではないチョコレートの発注数も激減するため、各メーカーはチョコレートの卸しがままならず、どうしてもロスが出てしまいます。

「ロスを作らないためには、商品を作りすぎず、棚に並べる数も制限すればいいのですが、すぐに商品が『完売御礼』となると機会ロスとなり、もう少し商品を販売できたのではと考えてしまいます。各社ともできる限り多くの商品を販売したいという思いはあります。さらに、お店側からも欠品を出さないよう納品ルールが設けられているケースもあるため、バレンタインチョコレートのロスが出てしまうのは仕方のないことではあるのです」(山口さん)

メッセージ

「去年の初開催時は『オフラインで消費者の方に直接フードロスの問題を知ってもらいたい』という経緯がありました。やはりオフラインはオンラインとは違って、クラダシのメッセージやストーリーをしっかり伝えられる良さがあります。普段生活していたら気がつかないことなど、お得に買い物しながら気づいてもらえる。お得に買い物したつもりが、フードロスを削減しながら、社会貢献にもつながっているので人徳も積める。クラダシでは『おトクなお買い物』と表現しているのですが、これはお得とお徳のふたつの意味合いがあります」(山口さん)

2月17日に取材したお昼どきの新百合ヶ丘エルミロードでは、買い物帰りの主婦層や若い女性などでにぎわっていました。定価の半額近い商品も多く、2、3個をまとめ買いしているお客さんも多数いました。

同社はバレンタインの他、2022年の年末から年始にかけて、約2,000名分のおせちを販売するなど、季節商品の取り扱いを強化しています。

今後もバレンタインのみならず、特定のシーズンをさかいに需要が落ちてしまう季節商品のロス削減に取り組んでいくというクラダシで、おトクにお買い物を楽しんでみては。

【参照ページ】「私たちのバレンタインは2月15日から始まります。」Kuradashi、バレンタインのPOPUP SHOPを期間限定で開催~今年は実施店舗を拡大し、全国11箇所とオンラインで開催~ | 株式会社クラダシ

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Life Hugger 編集部

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