鉛筆や消しゴムなど子どもの文房具もゼロウェイストにできる?服部雄一郎・麻子さんに聞く実践例

海外消しゴム

海外で人気のライフスタイル「ゼロウェイスト」。日本でも少しずつ聞くようになってきて、「ごみを減らしたい」「捨てる以外の方法が知りたい」という声をよく耳にします。その一方、大量に出るプラスチックごみを前に、どこから手をつけたらいいのかわからないという声も少なくありません。

そこでLife Huggerでは、「サステイナブルに暮らしたい」の著者で、ゼロウェイスト生活を発信する服部雄一郎さん、服部麻子さんとのコラボレーション企画として「服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア」の連載をスタート!

第8回目となる今回は、子供向けのゼロウェイストな文房具を紹介してもらいました。

ゼロウェイストな子供向けの鉛筆は?

麻子さん:子どもの文房具はなかなか難しいですね。大人の文房具は「必要最小限」を意識することで、かなりゼロウェイストに近づけられるけれど、子どもはなかなかそうもいきません。

雄一郎さん:まずは鉛筆。わが家がここ数年気に入って使っているのは、コーティングされていない間伐材使用のもの。実は、いちばんいいなと思うのは「ペパ鉛筆」という新聞紙でつくられた鉛筆なのですが、削る時など、若干普通の鉛筆と使い勝手が違うので、うちの子どもたちは気に入って使いこなしてくれるところまではなかなかいかなくて。

kikito

琵琶湖の森の間伐材を使っているという鉛筆「kikito」。手前のようなコーティングされた鉛筆と違い、シンプルな風合いも魅力。

麻子さん:子どもは使いづらいものは使ってくれない…

雄一郎さん:間伐材のものも、気に入ったかと思うと、次は一般的なコーティングされた鉛筆をほしがったり…その辺は仕方ないかな。「ペパ鉛筆」の存在を一度知ってもらえただけでも十分に意味があるし、間伐材の鉛筆の意味について親子で話をして使えただけでも成果と考えて、子どもの欲求というか、選択の自由も尊重しなければと感じています。そこを抑え込んで、ゼロウェイストに否定的な思いを持たせてしまうのは避けたいと思ってる。

ゼロウェイストな子供向けの消しゴムは?

麻子さん:消しゴムは? 

雄一郎さん:消しゴムはほとんどがプラ製で、消しかすがマイクロプラスチックになってしまうという意味でも、ぜひともプラスチックフリーのものを使いたいところ。でも、『ゼロ・ウェイスト・ホーム』(アノニマ・スタジオ)の著者ベア・ジョンソンさんが使っている天然ゴム製というものを取り寄せて使ってみたら、僕は結構使いやすくて「これはいい!」と思ったのですが、子どもたちには「すぐにボロボロくずれて使いにくい」と評判がよくなくて…。

ゼロ・ウェイストホーム

ベア・ジョンソンさんの薦めていたものを探し当てて購入。

そもそも「天然ゴム製ならよいのか?」というと、それもわからなかった。「天然ゴム製」と銘打っている消しゴムは何種類かあるので、めぼしいものをすべて買って使い比べてみたら、経験としてはたのしかったし、子どもたちもいろいろ新しい消しゴムを使えて大喜びで、プロセスとしてはおもしろくてよかったのだけれど、当たり前ですが、どれも「天然ゴム100%」ではないんですよね。何らかの添加剤やほかの材料と混ぜなければ、使いやすい消しゴムにはならないわけで。その辺りは企業秘密らしくて、詳細を公表しているブランドはほぼ皆無。だから、「これで安心!」というベストの消しゴムを見つけるには至っていません。

海外消しゴム

天然ゴムというキーワードで見つけた消しゴムをいろいろと比較。海外の消しゴムはデザインがかわいい。

麻子さん:せめて「フタル酸エステル」という化学物質を含まないもの、なるべくポリ塩化ビニル(PVC)でないゴム製のものを選ぶくらいでも意味はありますよね。

ミラン

三角形が印象的なミランの消しゴム。天然ゴムではなく、合成ゴムだそう。

雄一郎さん:そのくらいまでハードルを下げれば、使い勝手のよい消しゴムはいくつかあるので、子どもの満足とのちょうどよいバランスが見つけられる。子どもたちにはせめて「消しかすはマイクロプラになるから、ちゃんと集めてごみ箱に入れてね!」と伝えるようにしています。

麻子さん:その他、子どものお絵描き用の紙は、わざわざ買わずに、学校からのプリントなどの裏紙を再利用するなどの工夫ができるけれど、それ以外の学校用品はけっこう悩ましいですね。

子供向けの文房具は、できる範囲で楽しく!

雄一郎さん:下敷きは斎藤商事さんの紙製のものがとてもいいです。でも、いつもそういう解決策が見つかるわけではない。というか、ほとんどのものは見つからない。大人だったら「買わなければ済む」問題だけど、子どもは学校の指定でそうもいかなかったり。

はじめての紙下敷き

斎藤商事の「はじめての紙下敷き」は安価で丈夫。右はペパ鉛筆スタイルの新聞紙からできたO’BON (オーボン)の色鉛筆。   子どもにも好評でしたが、現在は日本では入手困難に。

麻子さん:絵の具や習字セットなどはお下がりを探すこともできるし、そうできたら万々歳だけど、その辺は「ちょっとの工夫でクリアできるもの以外は、くよくよ悩まず、(学校などで必要なものは)期間限定と思って買う」と割り切るのがメンタルヘルス的におすすめです!

雄一郎さん:糊の手づくりはたのしかった。小麦粉と水で簡単につくれます。うちは田舎に住んでいて、近くにお店がないので、日曜日に子どもが「糊がほしいから作って!」と頼んできたときは「やった!」と思いましたね。

手づくり糊

小麦粉と水だけで作れる手づくり糊。ネットで検索するといろいろレシピが出てきます。

でも、市販の糊と同じように使えるかというと、冷蔵庫で2週間以内に使い切らなければならないし、もちろん使い勝手は違います。学校に持っていく糊としては使えないので、そこは「スティックのり」とか、「アラビックヤマト」とか、普通に買う(笑)。どうせ買うなら、親としては指で塗るタイプのでんぷんのりを持たせたいけど、子どもは嫌がりますよね。

麻子さん:時代的に新しい選択肢も生まれてきているし。急ぎすぎず、子どもたちにあまり窮屈な思いをさせず、「できる範囲で楽しく」をテーマに、できるだけゼロウェイストにプラスのイメージを持ってもらえたらいいですね。

次回はコンポストについてお話しします!

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服部雄一郎 服部麻子

神奈川生まれ。バークレー、南インドを経て、高知の山のふもとに移住。 ゼロ・ウェイスト、サステイナブル、ギフトエコノミーを取り入れた暮らしを家族で楽しむ。著書に、『サステイナブルに暮らしたいー地球とつながる自由な生き方―』『サステイナブルに家を建てる』(アノニマ・スタジオ)。(写真 衛藤キヨコ) Instagram:@lotusgranola