海外で人気のライフスタイル「ゼロウェイスト」。日本でも少しずつ聞くようになってきて、「ごみを減らしたい」「捨てる以外の方法が知りたい」という声をよく耳にします。その一方、大量に出るごみを前に、どこから手をつけたらいいのかわからないという声も少なくありません。
そこでLife Huggerでは、「サステイナブルに暮らしたい」「サステイナブルに家を建てる」の著者で、ゼロウェイスト生活を発信する服部雄一郎さん、服部麻子さんとのコラボレーション企画として「服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア」の連載をスタート!
第40回目となる今回は、「日々のおやつ、どうしてる?~市販のおやつ編」です。
市販品にもお世話になる
麻子:今月はわが家の「おやつ」についてお話ししてみましょうか?
雄一郎:子育ての中で、おやつを毎日用意しつづけるプレッシャーはかなりのものだよね…。
麻子:理想は「手づくり」。でも、さすがに毎日というわけにはいかないもの。
雄一郎:本当にそう。うちなんて、ずいぶん手づくりおやつを作り慣れている方だと思うけど、それでも、手づくりだけじゃ間に合わない。市販品のお世話にもなってます。
麻子:前編ではまず、市販のおやつで心がけているポイントを、後編は手軽な手づくりおやつについて、お話ししてみましょう。
工夫1:過剰包装のおやつはなるべく買わない
雄一郎:市販のおやつはとにかくごみがすごい。そんな中、せめて「過剰包装のものをなるべく買わない」は意識してます。
麻子:個包装のものとか、最近は多いものね。
雄一郎:「なくす」は難しくても、「減らす」はできる。意識するだけで、ごみの量は全然ちがってくるから。
麻子:個包装じゃないと、湿気やすいとかありそうだけど?
雄一郎:うちは開封したらザラーっと保存容器とかに移し替えてしまうことが多いかな。外に持ち出すわけじゃないから、まったく問題ない。見た目もいいし、おすすめです。
工夫2:生協などの質のよいものを買う
麻子:<市販のおやつ>と言っても、うちはふだん、スーパーやコンビニではほとんどお菓子は買わないかな。
雄一郎:ふだんのおやつは、自然派の生協一択(※わが家は四国なので「コープ自然派」。本州なら、生活クラブ生協やグリーンコープなど、いろいろ選択肢があると思います)。
麻子:添加物がほとんど入っていない、素材のきちんとしたおやつがわりに手ごろに買えて、ものすごくありがたいよね。
雄一郎:あと、生協は1週間分をまとめて買うから、「スーパーの棚を見ながらどんどん買う」みたいな感じにならないのも気に入ってる。
麻子:「つい買いすぎる」「つい食べすぎる」心配がないのはいいよね。「今週はこれだけ!」って、「量が決まってる」のは親にとっても子どもにとっても平和だと思う。
麻子:コープ自然派のアイスバーは、何がいいって、このサイズの小ささ。アイスは子どもが大好き。このくらい質がよくて、こんなに小さければ、健康面でも「わりにいいんじゃないかな~」って。子どもは大きさは気にしてないみたいで、むしろ「アイス食べた!」っていう満足感を感じてるように見える。
雄一郎:自然派の生協のおやつも、もちろんごみは出るけど…。でも、商業主義に走らないで、信頼できる素材を使った、でも「きちんと市販のお菓子」というバランスはある意味見事。
麻子:子どもって、どうしても新しいものに惹かれると言うか、市販品にすごい魅力を感じるところがあるからね。大人目線では「できる限り手づくり」がいいけど、子どものためには、市販品も完全にシャットアウトせずに、一定レベル取り入れる意味も大いにある気がしてる。私も子どもの時市販のお菓子、すごく食べたかったし。
雄一郎:そうそう。子どももうれしくて、親も<このくらいならいいバランスかな>と思えるラインは、わりに大事な気がするな。うちの場合は、コープ自然派がその心強い味方になってます。
工夫3:親の意に反するものも細く取り入れる
雄一郎:もっと言えば、いわゆる添加物のすごい、素材的にも微妙で、ごみもたくさん出る大量生産の袋菓子。ああいうのは「買い物は投票」という観点からすれば、本当はなるべく与えたくないところだけど、それでもあえて「細く取り入れる」意義は感じてる。
麻子:子どもがいちばん欲しがるタイプの袋菓子だからね~(笑)。ゼロにするのは無理があるし、「ぜんぜん買ってもらえない」みたいな変な不足感を募らせるのも避けたい。長いスパンで考えると「そこそこゆるい」ことは大事だと思う。
雄一郎:かと言って、それ中心になって、「そういうものを食べ続けても何の問題もない」というメッセージを送り続ける気にもなれないから…。だから、うちはふだんは基本買わないけど、友達からもらった時とかは自由に食べてるし、遠足の時とか、旅行に出かける車の中とか、「今日は特別!」みたいな感じで、わりに買うこともあるよね、あえて。
麻子:わたしは自分が選んで買うのはちょっと抵抗があるんだけど、むしろいただきものだと「おっ、これはありがたいチャンス!」と思う。いただきものは親の選択じゃないから(笑)。こどもたちも「特別な正当性」を感じてるようで、親子共にハッピーなパターン。そんなときは私も一緒に食べて、おいしいね~!と盛り上がったりしています。
雄一郎:ペットボトルの清涼飲料水も、親が買い与えることはないけど、最近、末っ子が「町に出かけた時、お小遣いで買ってもいい?」って言うから、「それは別にいいよ」って。たぶん、すごいワクワク感なんじゃないかな。
麻子:すっかり味しめたみたいだよね。わたしの願う頻度よりはだいぶ多めだけど(笑)。できるだけ渋い顔しないように心がけてます。
雄一郎:たしかに、ちょっと多すぎかもね(笑)。糖分も気になる。でも、やっぱり、理想論かもしれないけど、「いろいろ経験してほしいな」っていうのはある。味も、見かけも違って、パッケージに書いてあることも全然違うわけだし…。
麻子:<片側しか見ない>んじゃなくて、<両方見て知る>ことの価値はきっとあるよね。
雄一郎:ま、そうは言っても「ふだんは基本ゼロ」だから、子どもとしては不足感はあるだろうけど。「一人暮らししたら自分の好きなようにできるから、たのしみにしてな~」っていつも励ましてる(笑)。
麻子:それが自立を促すなら、しめたもの!
雄一郎:どんな選択をする大人になるのか、たのしみだな~。意外にジャンクな人間になるかもね(笑)。
麻子:後編では、そんなわが家の「手づくりおやつ」についてお話しします。
【⬇︎後編はこちら】
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服部雄一郎 服部麻子
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