無駄の多い学用品~少しでも負担を減らすには?|服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア

海外で人気のライフスタイル「ゼロウェイスト」。日本でも少しずつ聞くようになってきて、「ごみを減らしたい」「捨てる以外の方法が知りたい」という声をよく耳にします。その一方、大量に出るごみを前に、どこから手をつけたらいいのかわからないという声も少なくありません。

そこでLife Huggerでは、「サステイナブルに暮らしたい」「サステイナブルに家を建てる」の著者で、ゼロウェイスト生活を発信する服部雄一郎さん、服部麻子さんとのコラボレーション企画として「服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア」の連載をスタート!

第29回目となる今回は、「学用品」についてです。

子どもにお下がりを使ってもらう必勝法!

麻子前編では制服についてお話ししましたが、後編ではより広く、子どもの学用品全般についてお話ししてみましょう。

雄一郎:学用品はゼロウェイスト的な暮らしをしようとする人にとって、わりに大きな頭痛の種になる部分。「指定のもの」がいろいろあったり、工夫の余地がないケースも多くて。

麻子:絵の具、習字セット、リコーダーなど、ひとつひとつはそれほど大きくなくても、たまりたまって、しかも兄弟姉妹が複数いたりすると、あなどれないインパクトになるよね。うちはこれまで、友人知人から「お下がりでいただけるもの」をフル活用してきたけど、もちろん全部というわけにはいかなかった。

雄一郎:お下がりを使う時は、いつも「本人の意に反して」ということがないように、わりに気を付けているよね。あくまで「本人に選んでもらう」のが原則。でも、「ただ選んでもらう」のでは、誰だって新品がほしいに決まっているので、わが家の必殺技は「お小遣い戦法」!たとえば、学校推奨の絵の具セットが3千円だとしたら、「お下がりの絵の具セットを使うなら、3千円払わずに済んでお父さんすごく助かるから、半額の1500円をお小遣いとして渡すよ。どっちがいい?」って(笑)。

麻子:どちらを選ぶかは本人次第。

雄一郎:末っ子はほぼ100%お小遣いを取るね。姉も半々くらいの割合かな。だって、1000円を超える臨時収入って、小学生にとっては結構大きいもの。親としても、無駄に思える買い物にお金を投じるのではなく、子どもの喜ぶお小遣いにできた方がうれしい。

末っ子の絵の具セットと習字セット。どちらもありがたきお下がり。お陰で末っ子は〇千円の大金をゲット!

広がってほしい「お下がり」と「自主購入」

麻子:人によっては、「お下がりをゆずってくれる人が見つからない」という方もいるかもしれませんね。思うに、お下がりって、それなりにくたびれていて、それを人に「要ります?」って声をかけづらかったりする。むしろ、ほしい人から「要らない絵の具セットを探しているんだけど、もしあったら教えてください!」って呼びかけた方がスムーズかなと感じます。

雄一郎:処分に困っている人も多いので、わりに喜んでゆずっていただけるケースも多いよね。知人に直接声をかけるのが憚られるなら、SNSでの呼びかけもアリかも。それほど親しくない人でも、「捨てずにゆずりたい」と思っている人は結構いる気がします。

麻子:「お礼が負担…」という声もあるけれど、こと子ども用品に関しては、「助かった!」という感謝の気持ちくらいで十分なんじゃないかな。堅苦しくなく、みんなでゆずり合えたら、みんなにとってよりよいコミュニティになっていくというトータルな面でのメリットも意識したいですね。

雄一郎:「お下がり」に限らず、最近は学校推奨のセットを買わずにネットで自主購入する家庭も増えているのでは?それもすごくいいことだと個人的には思います。だって、学校推奨のものって、なぜか割高だったり(もちろん割安なこともありますが)、利権構造というか、「まとめて特定の業者にガバッとお金が入る」動きになっていて、そういうのも不健全だと思うし。

麻子:自主購入の人が増えれば、「みんな同じ」感も薄まって、お下がりもより目立たなくなるね。

雄一郎:そう、それって結構大事なこと。「人とちがうものを使う」って、「クラスの多様性を増やす」という貢献の要素もある気がするな。

合理的で無駄の少なかったカリフォルニアの小学校

麻子:そう言えば、うちは長男がカリフォルニアの小学校のキンダーガーテンに通ったけれど(※現地では「キンダーガーテン=幼稚園」が小学校の1年目に位置づけられている)、学用品をほとんど全部学校がそろえてくれて、すごくラクだった!

雄一郎:そうそう、はさみとか、のりとか、たしか筆記用具類とかも、全部教室に備え付けてあって、みんながそれを使う。各家庭で用意しないといけないものが最小限だったよね。

なつかしいカリフォルニアのキンダーガーテンの授業風景。この日はハロウィーンでした。

麻子:何がうれしいって、買う手間や選ぶ手間がないのもそうだけど、名前を書いて管理しなくて済むこと。日本の小学校もなるべくああいう風にしてほしい!絵の具のチューブひとつひとつに全部名前書くとか、ほんとに無駄!

雄一郎:長男の通った学校でも、全部学校が購入するわけではなくて、年度当初に保護者に「寄付してほしい文具リスト」が配られて、各家庭が寄付できるものを家から持参して、雑多なそれらをまとめて「教室の備品」として使って、たぶん足りない分を学校が買っていたんじゃないかな。あれは合理的ですばらしかった。各家庭でこまごまと「足りなくなったものを買い足さなきゃ」みたいな心配もなくて。

麻子:家庭の側でゼロウェイスト的な工夫をする余地はなくなるけど、逆に無駄が出にくくなるメリットはすごくあるよね。教室の備品として次の学年に使いまわせるわけだから。

雄一郎:学年を超えた使いまわし、日本の学校でももっと取り入れられるといいな…。

麻子:日本の学校では、わりに「各自責任をもって準備してください」みたいな雰囲気があるなぁって思ってます。いろいろな家庭があるし、そもそも子育て世帯はすでに色々な意味で余裕がない。なので、「教室の備品としてシェアして使う」スタイルは増えてほしいな、と個人的には思ってます。先生の負担がこれ以上増えないように、工夫が必要かとは思いますが。学校全体の仕組みとして、子どもの「教育を受ける権利」の平等のためにも、子育て支援のためにも、使いまわして無駄を減らすためにも、そういう部分が取り入れられていくといいですね!

【⬇︎前編はこちら】

SDGs時代の制服とは?広まってほしい「リユース」と「選択化」|服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア


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服部雄一郎 服部麻子

神奈川生まれ。バークレー、南インドを経て、高知の山のふもとに移住。 ゼロ・ウェイスト、サステイナブル、ギフトエコノミーを取り入れた暮らしを家族で楽しむ。著書に、『サステイナブルに暮らしたいー地球とつながる自由な生き方―』『サステイナブルに家を建てる』(アノニマ・スタジオ)。(写真 衛藤キヨコ) Instagram:@lotusgranola