海外で人気のライフスタイル「ゼロウェイスト」。日本でも少しずつ聞くようになってきて、「ごみを減らしたい」「捨てる以外の方法が知りたい」という声をよく耳にします。その一方、大量に出るごみを前に、どこから手をつけたらいいのかわからないという声も少なくありません。
そこでLife Huggerでは、「サステイナブルに暮らしたい」「サステイナブルに家を建てる」の著者で、ゼロウェイスト生活を発信する服部雄一郎さん、服部麻子さんとのコラボレーション企画として「服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア」の連載をスタート!
第11回目となる今回は、庭の植物を生かす方法について教えてもらいました。
服部家の庭で育てている植物は?
雄一郎:庭の植物というと、一般的には「野菜」とか「花」というイメージが強いけれど、うちは庭の植物が、お茶にも、お皿にも変身します。
麻子:もちろん野菜も育てていて、今年はトマト、キュウリ、ズッキーニ、万願寺とうがらしとか、夏野菜が結構とれてます。あとスイカも!
雄一郎:いちばん使い勝手がいいのは薬味かな。小ネギ、シソ、生姜。ちょっとほしい時にあると便利。うちの庭にはまだないけど、ミョウガも育てたいね。
麻子:ハーブはミント、レモングラス、イタリアンパセリ、バジル、ディル…。庭に植わっていれば、パッケージのものを買わずに済むし、必要な分だけ摘めるので、余らせる心配もない。使い切れないくらい育つので、おすそわけしても喜ばれます。ハーブのブーケはゼロウェイスト&プラスチックフリーな手土産にもなりますね。
ターメリックの葉っぱをお皿に
雄一郎:だけど、麻子さんのイチオシは植物のお皿!
麻子:そうなんです!一般的には葉蘭が使われたりしますが、うちはターメリック(ウコン)の葉を使います。 ターメリックは高知の気候でよく育つのですが、これがお皿に敷くのにピッタリ。南インドでは、よくバナナの葉っぱをお皿にするので、そのイメージで使います。バナナは日本では育ちにくく、葉っぱもかなり大きいのですが、ターメリックの葉っぱはサイズもちょうどいい。見た目もきれいで香りもいいです。
雄一郎:一度植えれば、毎年芽が出るしね。切っても切ってもどんどん生えてくる。庭のあちこちに植わっていると、庭がどことなく南国風の風情になって、とても気に入っています。
雄一郎:もうひとつ、昨夏植えた芭蕉の木。知り合いのところで見て「いいなあ!」と思って株分けしてもらいました。英名は何とジャパニーズバナナ! 高知では目にする機会の多い木ですが、これの葉っぱがテーブルセンター代わりにピッタリで、来客時などに雰囲気が変わって大活躍ですね。
庭の植物を生かすとゼロウェイストに
麻子:葉っぱはお皿代わりになるだけではありません。調理中に台所に1枚あると、揚げ物の一時置きや、おたまや菜箸の置き場としても使えます。きれいで実用的。
雄一郎:軽いフタ代わりとして、できあがった料理の上にふわりとかぶせたり、おすそわけする料理の上にほこり除けとしてかぶせたり、といった使い方もうちではよくしますね。
麻子:使用後の葉っぱはすべてコンポストへ。食器もほとんど汚れないので、お皿洗いがぐっとラクになるのもうれしいポイント。
雄一郎:そのほか、これからもっとやってみたいのが棕櫚を紐代わりに使ったり、マコモで座布団を編んだり、といった活用法。単なる雑草と思われているチョマ(苧麻)や葛からもきれいな繊維がとれるそう。植物を「食べる」だけでなく、こうして「繊維」としても生かせるというのはワクワクします。究極のゼロウェイストとも言えるパーマカルチャー的な知恵ですね。
麻子:身の回りのものを生かすって本当にたのしい。お金もかからないし、発想と工夫だけ。これからもどんどんたのしんでいきたいと思います。
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服部雄一郎 服部麻子
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