【コンポスト〜実践】ここがポイント!コンポストで失敗しないために押さえるべき5つの注意点

生ごみを土の中に埋めて堆肥化させる「コンポスト」。生活の中に上手に取り入れれば、環境負荷を軽くするだけでなく、生ごみ処理の負担も軽減されるので、家事がちょっぴり楽になります。

始めるまでには少しハードルが高いコンポストですが、実は設置後の運用はそこまで難しくありません。気をつけたいポイントがいくつかあるので、それさえ押さえていれば、快適な「生ごみゼロ生活」を送ることも可能です。

そこで今回は、知っておくと役立つコンポストに関する疑問や課題について「コンポストの材料」「設置場所」「分解するもの、しないもの」「臭い・虫対策」「堆肥をどうするか」の5つの分野別に、それぞれ注意点をまとめました。

コンポストの材料:コンポストづくりでは材料集めが重要!

コンポスト-堆肥

コンポストを作る際に重要なのは、分解をスムーズに進める手助けになる土や材料を手に入れることです。

まずは、土について。過去記事で紹介したLFCコンポストでは、あらかじめ土と入れ物が送られてきます。選ぶのがちょっと手間だという方はセットされたものを買うのがオススメです。

キエーロの場合は、中に入れる土は「黒土」にするように、という指定があります。黒土には微生物が多く含まれているからです。

身近な材料で手作りできる「段ボールコンポスト」の場合は、作成者やウェブサイトにより異なる材料が紹介されています。例えば、千葉市のウェブサイト(千葉市:段ボールコンポストの作り方)には、腐葉土と米ぬかを使う方法が掲載されています。私が2年前にこの方法を試した際は、腐葉土は100円ショップで、米ぬかは精米機の横にある無料ものを入手しました。しかしながら、米ぬかをたくさん貰いすぎて、台所の棚の奥に放置したところ、数か月後に虫が湧いていました…。米ぬかの管理には要注意です!

また、使う土や材料の質は、コンポストの分解のしやすさに大きく影響します。後の管理も含め、コンポストに適した材料を選ぶよう気を付けてください。

設置場所:風通しや日当たりを考え、置く場所にも工夫を

キエーロ

わが家のコンポスト「キエーロ」は、庭の日当たりの良い場所に置いています。

コンポストの設置で重要ポイントは、日当たり、水はけ、風通しのよい場所に置くこと。そうすることで、ごみの分解が早く進みます。ただ、夏に直射日光が当たりすぎると暑さで微生物が死んでしまうので、夏はシートなどをかぶせておくのもよいでしょう。

また、数日に1回コンポストに生ごみを持って行くことを考えると、キッチンからのアクセスの良さも大切です。「屋外に出すと鳥や虫が来そうで嫌だな…」「台所から庭、ベランダが遠いので不便」といった理由から、屋内に設置する人もいます。例えば「自然にカエルS」や「EMバケツ」は、キッチンに置けるタイプです。コンポストを持って行く時の負担感は続ける際の大きな障壁になるので、ぜひ楽に続けられる設置場所を選んでください!

分解するもの、しないもの:ごみの分解スピードを知ろう

コンポスト- 分解

コンポストは自然の力でごみを分解する仕組みです。生ごみには当然、分解されやすい・されにくいがあり、分解のスピードも異なります。中にはコンポストで、分解されないごみもあり、それらを入れてしまうと、ごみの分解を妨げ臭いやカビの原因にもなります。快適にコンポストを快適に使用するために、入れてOKのものと、入れてはいけないものを把握しておくことが大切です。

ここでは、ウェブサイトでのリサーチ結果とこれまでの経験から、分解が早いもの、分解に時間がかかるもの、分解しないものをお伝えします。

分解が早いもの:
ネギ以外の野菜全般、肉(骨は除く)、てんぷら油などの廃油(入れると分解が進みます)、味噌汁などの残り汁、カレー、マヨネーズ、ご飯、魚の内蔵(さばいた後に出るもの)

分解に時間がかかるもの:
野菜の芯(細かく切ると良い)、豆類の殻(枝豆、そら豆など)、柑橘類、魚の頭や骨、卵の殻(時間がかかります)

分解しないもの:
タマネギの皮、貝殻、筍の皮、トウモロコシの芯、アボカドや梅干しの種、動物の肉の骨

臭い・虫対策:やっぱり気になる…臭ったり、虫がわいたりしないの?

キエーロ-土

しっかり土をかぶせておくのがポイントです!

「コンポスト=生ごみ」ということは、臭くなったり、虫がわいたりするのでは…と不安に思う方も多いかと思います。心配ありません!しっかりと対策をとっておけば、臭いや虫に悩まされることはありません。

最も大切なのは、生ごみを入れ過ぎないことと、土をしっかりかぶせておくこと。こうしておけば、虫が卵を産み付ける心配もありませんし、臭いも気になりません。むしろ、わが家では魚の処理をした後に内臓をすぐにコンポストに埋められるようになったので、キッチンが生臭い問題に悩まされなくなりました!

それ以外でも、カラスなどが集まってしまい、近所迷惑になるのでは…という心配もあるかと思います。鳥や動物の対策も、基本は食べ物が見えないようにしっかり土に埋めることで回避できます。その上で、容器にふたをする、ネットをかけるなど、必要に応じた対策を行うと良いでしょう。

堆肥をどうするか:始めてから気づく、作った堆肥の行き場がない問題

キエーロ-発芽

生ごみに紛れていた野菜の種から、勝手に芽が出てきた家のコンポスト。そのまま育ててみることもあります

コンポストでできた堆肥は、プランターや家庭菜園の土にすると、植物がよく育ちます。わが家のコンポストでも、生ごみに紛れていた野菜の種から、勝手に芽が出てくることがあります。ただ、庭がある場合は良いですが、マンションのベランダなど、限られた場所に設置している場合は、堆肥が増えすぎて入れる場所がない…ということもありますよね。

そんな方には、キエーロがおすすめです。キエーロでは、ごみはただ分解されて消えていきます。生ごみが堆肥になるわけではないため、中に入れた黒土が増えることもなく、半永久的に使い続けられます。「堆肥をどうするか」問題も、堆肥を作らないキエーロを使えば解決できます。

まとめ:スタートから堆肥化までをイメージして、やってみよう!

今回は、コンポストの材料集めから堆肥をどうするかまで、コンポストを気持ちよく続けるために知っておくと役立つ注意点をまとめました。とはいえ、わが家でも、段ボールコンポストに挑戦した時には、予算を削減しすぎたからか、はたまた設置場所の日当たりが悪かったからか、うまく続けられませんでした。

でも、その後にスタートしたキエーロは、冬には少し分解が遅くなることを考慮して使うことで、無事に約1年、快適に使い続けることができました。わが家の立地条件や生活スタイルに、キエーロが合っていたのだと思います。

コンポストのやり方は、住まいの状況により異なります。どんな方法でも、いろいろ試してみると、いつかは自分に合ったピッタリな方法が見つけられます。まずは思い切って、コンポストにチャレンジしてみてください!

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曽我 美穂

曽我 美穂(そが みほ)。2008年にエコライター・エディター・翻訳者として独立。雑誌やウェブサイトで編集、撮影、執筆、翻訳などをおこなっている。主なテーマはエコな暮らしやSDGs、環境問題。私生活では2009年生まれの娘と2012年生まれの息子の二児の母でもある。現在、富山県在住。個人サイト:https://sogamiho.mystrikingly.com/