一点ものの傘に出会える、イイダ傘店20周年展「わたり」開催

イイダ傘店

日々の暮らしで、傘をじっくり選ぶ機会は意外と少ないもの。けれど、手に取るたび気持ちがおどるような一本が見つかったら、雨の日が楽しみになるかもしれません。

今年20周年を迎える「イイダ傘店」が、2025年9月4日(木)から15日(月・祝)まで東京・南青山のスパイラルガーデンで展覧会を開催します。これまでに手がけた傘がずらりとならぶ、見応えのある展示のほか、奥のブースでは秋の受注会も行われます。

傘を“布から選ぶ”という楽しさ

イイダ傘店は、傘作家の飯田純久(イイダヨシヒサ)さんが自ら描いたオリジナルの布から一本ずつ傘を仕立てる傘屋です。モチーフは身のまわりの植物や風景、食べものなど。すべて手描きで表現され、これまでに160種以上のテキスタイルが生まれてきました。

今回の受注会では、そのアーカイブのなかから好きな柄を選び、持ち手やサイズも自分好みに組み合わせてオーダーすることができます。実際に布を見て触れ、傘の仕上がりイメージをじっくり確かめながら注文できるのは、会場での受注会ならではです。完成した傘は、一つひとつ仕立てられて届きます。

会場にはこれまでに制作された傘約300本がならび、空間そのものが布と傘の世界に包まれます。また、20周年を記念して刊行される作品集「イイダ傘店の布・全記録」も先行販売され、500点以上の布柄とともに、その背景やスケッチ、制作エピソードを楽しめます。

購入特典として傘布で作られたオリジナル栞がつきます。また、展覧会記念グッズ、傘生地を使ったバッグやポーチ、紙ものの雑貨など、日常に取り入れやすいアイテムがそろいます。

今年から布地の張替え修理を開始

今回から、イイダ傘店で注文した傘の布地を張り替える修理も始まりました。大切に使ってきた傘をこれからも長く使いたい、という思いにこたえる新しい取り組みです。会場では、実際のエピソードや事例も紹介されています。

傘のインスタレーションやものづくりの背景などを感じながら、ゆっくりと選べるのが今回の受注会の魅力です。あわただしい日常のなかで、自分の感覚で選び、長く寄り添ってくれる一本を探しに行ってみてはいかがでしょうか。

会期後の巡回スケジュール

  • 京都|9月23日(火・祝)〜29日(月)
    会場:恵文社一乗寺店 ギャラリーアンフェール
  • 福岡
    • 9月29日(月)〜10月26日(日)|会場:スパイラルガーデン 福岡ワンビル
      ※受注会:10月10日(金)〜13日(月・祝)
    • 10月3日(金)〜13日(月・祝)|会場:アートスペーステトラ
    • 10月10日(金)〜19日(日)|会場:SORTone Fukuoka
  • 神戸|10月3日(金)〜6日(月)
    会場:シュトックギャラリー
  • 大阪|11月12日(水)〜30日(日)
    会場:無印良品 グランフロント大阪

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秋山 綾

アパレル企業、女性誌の編集ライターを経て、紙媒体からウェブ媒体へ移行。幼少期に始めた音楽を通じて表現に興味をもち、好奇心の赴くままに不定期に芸術、文学に関する創作活動を行う。