ごみの出ない布ナプキンの使い方は?ー服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア

海外で人気のライフスタイル「ゼロウェイスト」。日本でも少しずつ聞くようになってきて、「ごみを減らしたい」「捨てる以外の方法が知りたい」という声をよく耳にします。その一方、大量に出るごみを前に、どこから手をつけたらいいのかわからないという声も少なくありません。

そこでLife Huggerでは、「サステイナブルに暮らしたい」「サステイナブルに家を建てる」の著者で、ゼロウェイスト生活を発信する服部雄一郎さん、服部麻子さんとのコラボレーション企画として「服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア」の連載をスタート!

第14回目となる今回は、生理用品について教えてもらいました。

コンスタントにごみになる生理用品

麻子:なかなか気軽に話題にしにくいけれど、意外にコンスタントに出るごみのひとつが女性の生理用品。私はこれまで、紙ナプキンとタンポン、布ナプキン、月経カップと各種使ってきて、今は月経カップをメインにしています。個人的にはすごくいいと感じているので、今回はその辺りを包み隠さずお話ししてみたいと思います。

麻子:20代の頃は何の疑問もなく紙ナプキンとタンポンを使っていたけれど、思えばあの頃は生理痛がひどくて。

雄一郎:そうそう、麻子さんは体調の変化に敏感なタイプだから、毎月、生理の時期になると「具合悪…」って感じで、こっちも大変だったな。

麻子:それが産後しばらくして、何がきっかけだったかよく思い出せないけれど、布ナプキンを使ってみようと思って。もしかしたら、いわゆる「経皮吸収」と言われる化学物質の吸収について何か記事を読んだのかもしれない(この辺りはきちんと調べたわけではないので、実際どうなのか、といったところまでは今もよくわからないのですが)。ちょうどその頃、知人が布ナプキンのつくり方を紙に書いて手渡してくれて、私は縫物が苦手なので、母に渡して「作ってくれる?」とお願いしたのがはじまり。

雄一郎:子どもは布おむつで育てていたから、「生理用品も布になるんだね~」という感じで、わが家としては自然な流れではあったけど。15枚もの布ナプキンが届いた時は結構な存在感があったよね。

ごみが出ない布ナプキンは快適でお金もかからない

わが家の布ナプキン。シンプルな「ハンカチタイプ」。

麻子:使ってみたら、すごく快適で、あっという間に熱烈愛好家に。とにかくごみが出ない。そして、買い足さなくていいので、お金もかからない。買い忘れもない。少ない日用、普通の日用、夜用…といろいろな種類を買わなくてよいのも大きなメリットです。

あとは、蒸れる感じや匂いがしないのもうれしかった。生理痛がすっかりなくなったことにビックリ。これはちょうど産後だったので、出産や体調の変化のせいかもしれず、布ナプキンとは無関係かもしれませんが、20代の頃と違ってすべてがラクになりました。

雄一郎:布ナプキンって、耐久性はどうなの?

麻子:14年前に作った初代の布ナプキン、今も現役だよ。

雄一郎:え、今も同じ布ナプキンが残っているなんて知らなかった!じゃあ、14年間の節約効果はすごい額なんじゃない?

麻子:すごいと思うよ。紙ナプキンやタンポンは、月600円/年8000円くらいかかるという情報があるので、それを前提に計算すれば、14年間で10万円以上!と言っても、私の場合は、途中、2人目、3人目の妊娠出産も挟んでいるし、ここ3年くらいは月経カップ中心に移行しているから、実質的に使ったのは10年に満たないくらいだと思うけれど。

雄一郎:初期投資はどのくらい?

麻子:布ナプキンは買うと1枚1000円くらいかな。最低10枚は必要なので、1万円程度。わりにまとまった初期投資ですね。でも自分で布を買って作れば安くできますよ。

布ナプキンは簡単に手作りもできる!

左が母の縫ってくれた「ハンカチタイプ」。右はきちんとした市販品。

麻子:市販の布ナプキンはきれいな柄だったり、スナップがついていたり、工夫がされていて良いけれど、私のものは「ハンカチタイプ」と言って、ほとんどただの布(※真ん中の部分だけ二枚重ねにして縫っています)。これを3つ折りにして使います。

ネットで「布ナプキン ハンカチタイプ 簡単 手作り」などと検索すると作り方がたくさん出てきますよ。本当に「ただの布」みたいなものなので、何なら、わざわざ新しく縫ったりせずに、家に余っているただのタオルハンカチみたいなものでも代用できてしまう。いきなり初期投資したり、作ったりするのはハードルが高いと思うので、まずは古いタオルハンカチなどを使って、気軽に試してみるのもありだと思いますよ。ちなみに私も、夜用には古いタオルを使ってます。「布」ですから同じことです。

布ナプキンの注意点は?

雄一郎:洗うのはどう? 面倒くさそうなイメージがあるけど、意外に大変そうではなかったよね。

麻子:重曹水に半日から1日くらい浸け置きしてから洗うと落ちやすいです。普通に洗濯機で洗えるから大丈夫。もちろん手間はゼロではないけれど、かさばる使い捨てナプキンを常に各種買い置きしておかないといけない手間を思えば、個人的にはそれほど大変とは思わなかったな。

あと、「布ナプキンは漏れが心配」という声もよくありますが、多い日は念のために布ナプキンの下に紙ナプキンをつけておけば、100%安心。この「いざと言う時の合わせ技」は結構おすすめです。

雄一郎:そんな風に布ナプキンで100%満足していた麻子さんに、僕がいきなり「月経カップを使ってみて!」って言い出したわけだよね。続きは後編で!

【⬇︎後編はこちらから】

ゼロウェイストな月経カップの使い方のコツは?ー服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア

【関連ページ】【連載】服部雄一郎・麻子さんに聞くゼロウェイストな暮らしのアイデア
【関連ページ】「ゼロウェイストには人生を変える力がある」 書籍『サステイナブルに暮らしたい』著者に学ぶ生活のヒント

The following two tabs change content below.

服部雄一郎 服部麻子

神奈川生まれ。バークレー、南インドを経て、高知の山のふもとに移住。 ゼロ・ウェイスト、サステイナブル、ギフトエコノミーを取り入れた暮らしを家族で楽しむ。著書に、『サステイナブルに暮らしたいー地球とつながる自由な生き方―』『サステイナブルに家を建てる』(アノニマ・スタジオ)。(写真 衛藤キヨコ) Instagram:@lotusgranola