マイボトル割引が当たり前!台湾の取り組みをレポート【世界のゼロウェイスト】

マイボトル

当連載ではエコライターの曽我 美穂が海外在住の方に、その土地ならではのゼロウェイストな試みをお聞きします。今回は、台湾在住のryoさんに、現地の暮らしで見つけたゼロウェイストな取り組みを教えていただきました。

ryoさんのプロフィール

ryoさん画像1990年生まれ、東京都出身。学生時代より中国やイギリスに滞在したのち、2014年より台湾在住。シンガポールのデジタルマーケティング企業に勤めつつ、紙面・メディアへの執筆や翻訳活動をしている。台湾人の夫と寅年生まれの0歳の息子と台北に暮らす。
ブログ:Place In Taipei

マイボトル割引が当たり前!

台湾では、全国のドリンクを取り扱う店舗に対し、マイボトルに入れる場合は5元(約20円)以上の値下げをする、という法改定が2022年7月からスタートしました。今は、セブンイレブンやファミリーマート、スターバックスなど、あらゆるドリンクを提供するお店で、マイボトルで5元引きになっています。

なお、台湾の環境省からは2022年4月に企業に通達があったので、セブンイレブンでは法令開始の7月より前に、5〜7月までマイボトルで7元引き(約30円)の取り組みを行っていました。

もともと台湾では多くの人が日常的にマイボトルを使っている印象があったので、これからマイボトルがさらに普及すると思います。

サトウキビでできたマイボトル

マイボトル左側にあるのが、パートナーが普段使っているマイボトルとボトル用のバッグです。バッグはエバー航空という台湾の国際航空会社で無料で配られたもので、マイボトルはファミリーマートで購入したサトウキビでできたボトルです。このエコボトルを購入してコーヒーを買うと、さらに5元引きになる制度があります。セブンイレブンでも同様の取り組みをしています。

サトウキビでできたボトルは「3ヶ月くらい持つ」とのことですが、パートナーはすでに半年近く、問題なく使っています。

右側にあるのは、私のマイボトル。実家で使われていなかった象印の水筒を使っています。冷え性なので、保温機能のあるマイボトルが一番です!

マイストローが一般的!

マイストローなど

2019年7月から、台湾ではお店でプラスチックストローを出すことが、法令で禁止されるようになりました(ただし生分解性のものはOK)。お店が1回目に指導を受けた場合は注意勧告、2回目は罰金の対象となり、罰金額は、1200〜6000元(約6000円〜25000円)にのぼります。

エコバック、マイボトルやマイストローは、いろんなところでサンプルとして無料で配られています。これが、持っている人が多い理由の1つだと思います。もちろん私も、マイストローを持っています。上の写真のストローやカトラリーは、百貨店で無料で配られました。タピオカミルクティー用の太いストローもあります。

台湾製の竹歯ブラシ「la-boos」

竹歯ブラシ
脱プラにつながるうえに、素材自体がサステナブルだと注目されている竹歯ブラシ。実は、台湾でも作られています。

こちらは台湾の南投県にある「竹山」という竹の名産地で生産されている、竹歯ブラシ「la-boos」です。この竹歯ブラシの魅力は、なんといっても、取り入れやすいお値段です。竹歯ブラシは、意識高いと思われがちなうえ、普通の歯ブラシよりも値段が高いのでなかなか買う気にならないという方も多いのですが、こちらは4本セットで250元ほど(約1000円)。1本約250円で購入できるので、取り入れやすいんです。

使用上の注意点としては、台湾の生活環境もありますが、プラスチック製よりカビやすいので、1ヶ月程度で替える必要があると思います。

この竹歯ブラシは日本でも販売されているので、気になる方はぜひ試してみてください!

台湾国民の食器用スポンジは、ヘチマがオーソドックス

ヘチマのスポンジ

台湾では、昔からヘチマが食器用スポンジとして使われており、ローカルな商店や雑貨店でよく売られています。1本200〜300円くらいで、それを小さくカットして、紐などをつけて利用します。環境意識が高い若者からお年寄りまで、幅広い層が利用しています。

ヘチマのスポンジ

泡立てた時の様子

自転車シェアリングも盛ん!

自転車
台北市では2009年より主にMRT周辺や、大型住宅地など、市街地にシェアサイクルが設置されていて、住民の足として利用されています。30分15元(約60円)から利用できます。CO2削減につながるステキな取り組みですよね!

「素食」文化が豊か!

お店の様子

人口10%がベジタリアンの台湾には、美味しいベジタリアン・ヴィーガンの食材やレストラン、カフェがたくさんあります。そういうお店に行くのも、日々の楽しみの一つです。

上の写真は、台湾素食・もどき肉を扱う店舗「弘茂素食商行」。食材をどう調理していいか分からない時は、店員さんに聞くと「この大豆ミートはこういう料理に使うと合うよ」と丁寧に教えてくれます。私は下の写真の「チキンナゲット風」を購入。家でたれに30分漬けた後に揚げたのですが、味は完全に「鶏のから揚げ」でした!

チキンナゲットもどき

これからも楽しみながら、台湾のゼロウェイスト&サステナブルな取り組みを見つけ、トライしていきたいです!

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曽我 美穂

曽我 美穂(そが みほ)。2008年にエコライター・エディター・翻訳者として独立。雑誌やウェブサイトで編集、撮影、執筆、翻訳などをおこなっている。主なテーマはエコな暮らしやSDGs、環境問題。私生活では2009年生まれの娘と2012年生まれの息子の二児の母でもある。現在、富山県在住。個人サイト:https://sogamiho.mystrikingly.com/