公園に犬専用コンポストがある!オーストラリアのペット事情をレポート【世界のゼロウェイスト】

夫の友人宅のペット。

当連載ではエコライターの曽我 美穂が海外在住の方に、その土地ならではのゼロウェイストな試みをお聞きします。今回は、オーストラリア在住の川平紗代さんに、現地の暮らしで見つけたゼロウェイストを教えていただきました。

川平紗代さんのプロフィール

プロフィール写真学生時代を日本、インド、フィジー、オーストラリアで過ごし、現在はシドニーに落ち着く。学生時代に学んだサステナブル経営学の知識を活かし、環境分野でのエデュケーター、リサーチャー、コンテントクリエーターなど幅広く活動。現在はベイサイド市の市役所の環境課にプロジェクトオフィサーとして勤務し、レジリエンス計画やネットゼロ計画に取り組んでいる。

犬のうんち専用のコンポストがある!

コンポスト

オーストラリアの公園に行って驚いたことは、犬のうんち専用のコンポストがあることです。ドッグランの近くに「dog poo recycling bin(仮訳:犬のうんち用リサイクル箱)」 が置いてあっていつでも犬のうんちを入れられるようになっています。これは、今私が働いている自治体、ベイサイド市で2019年から始めた取り組みで、2019年に実証実験をして、そのまま今も使っています。

うんち箱の横には、生分解性の素材でできた袋がついていて、それを誰でも自由にとっていき、うんちを入れたら下の写真のようなボックスに入れる仕組みです。集まったうんちはごみ処理場でコンポスト(堆肥化)され、最終的には肥料として使われます。

上の写真のドッグランには、4つのボックスがついたミミズコンポストが設置されていました。コンポストの中にミミズが入っていて、せっせと堆肥化しています。

「HUGRY」と書かれています。

「HUGRY」と書かれている方に犬のうんちを入れます。

公園の広場はドッグランとしても使用可能!

公園

家の近くの公園には、ラグビーやクリケットができる広いスペースがあります。このスペースはいろんな用途に使ってOKになっていて、試合などのために大きいグループが使っている時以外は、ドッグランとして活用できる決まりになっており、手綱なしのワンちゃんたちが、楽しそうにボールを追いかけ回しています。この公園の街灯はすべて太陽光パネルで動いていて「こういうサステナブルな工夫も素敵だな」と感じています。

ドックフード(おやつ)の量り売りがある!

量り売り

私が行ったスーパーの店内には、ドッグフードの量り売りコーナーがありました! これこそ犬の好みがあるので重宝するのではないかな、と思います。なお、オーストラリアはカフェやレストランでも犬連れOKの場所が多いです。

ペットは保護されている動物を迎えるケースがほとんど

夫の友人宅のペット。

夫の友人宅のペットです。

オーストラリアにもペットショップはありますが、動物ではなくペット用品だけを売っていることが圧倒的に多いです。ペットを飼いたい思ったら、RSPCAなどの非営利団体から保護されている動物を迎え入れる人が大半だと思います。知人から譲り受けている人もいます。なお、RSPCAはボランティアを常に募集し、受け入れています。

サステナブルなペット用品が多い

オーストラリア製の犬の石鹸「Troopets」は、石油化学製品・合成香料不使用で、100%ピュアエッセンシャルオイルを配合。もちろん、生産の過程での動物実験はしていません。

獣医さんが作った「Anipal」というブランドの、オーストラリア製の犬の首輪も工夫がいっぱいです。材料は 再利用ペットボトルで、首輪やリードにオーストラリアの絶滅危惧種がプリントされています。 さらに、売上の一部は野生動物の保護に寄付されている、とのことです。

ペットフードの「Lyka」は、 オーストラリアの農家から仕入れた食材を使った、オーストラリア製のペットフード。 厨房にソーラーパネルを設置し、温室効果ガスを最小限にすることを目指していて、オフセットしきれなかった温室効果ガスは、計算したうえでカーボンオフセットプロジェクトに寄付しています。

オーストラリアでは、犬との暮らしもゼロウェイストでサステナブルな形を実践していて、すごく素敵だと思いました。日本にも、こういう動きが広まることを願っています。

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曽我 美穂

曽我 美穂(そが みほ)。2008年にエコライター・エディター・翻訳者として独立。雑誌やウェブサイトで編集、撮影、執筆、翻訳などをおこなっている。主なテーマはエコな暮らしやSDGs、環境問題。私生活では2009年生まれの娘と2012年生まれの息子の二児の母でもある。現在、富山県在住。個人サイト:https://sogamiho.mystrikingly.com/