街や海辺のごみを拾うというシンプルな社会貢献活動が昨今、さまざまなアクティビティやイベントとコラボレーションしながら広がっている。ごみ拾いをしながらジョギングをする「プロギング」や、ゲームの要素を取り入れたスマホアプリ連動型のごみ拾いイベント「清走中」など。気軽に参加しながら、地球環境や生活スタイルについて考える素晴らしい機会にもなっている。
ところで、みんなで拾ったごみはどこへいくのだろうか。その行き先のひとつが本記事で紹介する「サーフボード」である。
日本の文化・伝統を世界に発信していくブランドを展開しているKNOWNIZE(ノウナイズ)株式会社は、ビーズクッションメーカーのタキコウ縫製社と協働で、ヘタったビーズと拾ったごみからサーフボードにアップサイクルするビジネスをスタートさせた。
タキコウは2021年より、ヘタって使えなくなってしまったビーズクッションを回収し、再利用で新しいものを生み出していくプロジェクトを進めており、これをSDGsならぬ「SDBs(エスディービーズ)」と命名している。回収したビーズと、海岸で拾った発泡スチロールごみを使って「HANALOLO BLANKS(ハナロロ ブランクス)というサーフボードの原料となる素材の開発に成功。ノウナイズはそんな取り組みに賛同し、今回のプロジェクトが誕生した。
本取り組みのPRの第一弾として、4月29日から1カ月間に渡って開催されているイベント「Sustainable Quick Stand(サステナブル クイック スタンド)」に参加している。海の環境保全をテーマにしたサステナブルイベントで、会場は東京渋谷にある複合商業施設の「MIYASHITA PARK(ミヤシタパーク)」で行われている。
イベント開催にあわせて、ハナロロブランクスを使ったサーフボードでプロサーファー森友二氏が実際にサーフィンをしているプロモーション映像も制作。
映像の中にはほかにも森氏へのインタビューや、サーフボード職人の後夷(うしろえびす)義弘氏のハナロロブランクスを使ったサーフボードづくりへの想いなどが収録されている。自然を相手にしてきたサーファーたちの地球環境への向き合い方などは、サーフィンをしない人にも大いに参考となる映像作品に仕上がっている。
廃棄されるはずだったビーズクッションやビーチクリーンで集められた発泡スチロールごみが、プロサーファーのサーフボードに生まれ変わる様子は、アップサイクルの可能性を大いに感じさせてくれる。サーフボード自体はまだ試作段階であり、一般販売は未定となっているが、サステナブルな素材からできたサーフボードが当たり前になる日はそう遠くないのかもしれない。
【参照サイト】KNOWNIZE
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斉藤雄二
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