株式会社赤ちゃん本舗は、関東エリアの「アカチャンホンポ」10店舗を対象に、家庭で使わなくなったピジョン製の哺乳器の回収ボックスを設置し、ピジョン株式会社とプラスチックのリサイクルを行なっている株式会社パンテックと協働して資源リサイクルの実証実験を行なうことを決定した。
近年、多くの企業では、限りある資源を無駄にしないため、役目を終えた商品を資源にして再び利用する運動が行なわれている。ピジョンの哺乳びんにはガラス製とプラスチック製の2種類があるが、ガラス製哺乳びんに使われている耐熱ガラスは特殊なため、現状では「不燃ごみ」として処理されている。また、プラスチック製の哺乳びんに関しても回収する仕組みがないため「可燃ごみ」とされている。貴重な資源が再利用されることなく、ゴミとして扱われているのだ。
その問題を打開するために実施されるのが、今回の取り組みである。使い終わった哺乳器の回収の詳細は以下の通り通り。
- 対象製品:ピジョンの耐熱ガラス製哺乳びん・プラスチック製哺乳びん、乳首、フード、キャップ(ピジョン製以外は対象外)
- 回収ボックス設置期間:2022年8月25日(木)から11月30日(水)まで
- 対象店舗:下記のアカチャンホンポ10店舗
また、対象製品の回収に協力すると、回収ボックスに設置された「シードペーパー」を持ち帰ることができる。シードペーパーとは、さまざまな花の種が漉き(すき)こまれた再生紙のこと。ひと晩水につけてから土に埋めると、数日で芽が出て花が育つ。通常、紙は役割を終えると、ゴミ箱に捨ててしまうだろう。しかし、シードペーパーは土に埋めることで、地球に緑と花を増やすことができるのだ。最近では、ショップのカードやブランドタグなどにもシードペーパーが使用され始めている。まだ手に取ったことがない人は、この機会にぜひ体験して欲しい。
そして、アカチャンホンポの対象店舗にて回収された哺乳器は素材ごとに分類され、リサイクル会社にて粉砕・再生原料化される。
各素材のリサイクル後の用途は以下の通り。
- ガラス:路盤材などを製造するための原料の一部
- プラスチック:プランター、パレット、食品・薬品工場ラインの配管など
- 再生された素材の一部:ピジョン製品に活用することを目指した検証に用いる
思い出の詰まった哺乳器をゴミとして捨てるには抵抗があるという人も少なくはないだろう。しかし、今回の取り組みでは、哺乳器が有効にリサイクルされ、回収協力時にもらえるシードペーパーを通して、家族で花を育むという思い出を作ることもできる。将来的にこの取り組みが拡大し、より多くの人が気軽に参加できるようになることを期待したい。
【参照サイト】土に還る再生紙、シードペーパーで地球育て「seed paper」
あゆみ
最新記事 by あゆみ (全て見る)
- 「買う」だけでサステナブルに!Amazonの新プログラムで環境配慮商品を手軽に - 2024年11月5日
- ファミマ、涙目のおむすびが訴える新値下げシールで食品ロス削減の実証実験を開始 - 2024年10月29日
- 9月27日(金)から「大丸有SDGs映画祭2024」開催!トークショーや特別無料上映作品も - 2024年9月25日