洋服の「大量生産、大量消費、大量廃棄」の問題は、日本や世界全体で急務の課題となっています。この問題に対処するためには、個人の行動を見直すことが不可欠です。環境への意識が高まる中、持続可能なファッションが未来を担う鍵となっています。
そこで、Life Hugger編集部では、スウェーデンのサステナブルファッションの専門家であるJennie Dahlénさんに取材しました。
Jennieさんは、ファストファッション業界での経験から、「皆が1着1着の服を大切にし、購入頻度を減らすこと」をミッションとし、持続可能なファッションの重要性を伝える活動を行っています。また、サステナブルファッションのガイドとなる2冊の本も執筆しています。
この記事では、Jennieさんがスウェーデンで行っている、サステナブルファッションの取り組みについて伺いました。
服を「交換」して長く大切にしよう
Jennieさんは、かつてファストファッションの会社で働いていた経験から、サステナブルファッションの大切さを痛感しました。その会社では、従業員がサンプルや余った服をお得に購入できたため、「最高の1着」を求めて買い物を繰り返していたそうです。
しかし、ある日、また服の入った袋を持ち帰り、クローゼットを開けると、ほとんど着用していない洋服が山積みになっているのを目にします。洋服が溢れかえる現実に直面し、「もう十分だ。」と感じたと言います。
このような気づきから、Jennieさんは不要な洋服を持ち寄り、他の人と交換する「服の交換会」を開催することを始めました。4年間で15回の交換会を主催し、4万着以上の洋服が新しい人の手に渡りました。
この経験から、多くの人々が、服を持て余すほどたくさん所有していることに気づきます。「服が余っているのは、私だけではありませんでした。服を交換することで、一着の服を長く着ることにつながります。」と、Jennieさんは語ります。
スウェーデンでは、今、服の交換会が非常に人気で、多くの場所で開催されており、サステナブルファッションの一環として重要な役割を果たしています。
服を修理して最高の1着に
また、Jennieさんは、サステナブルファッションに関する講座やワークショップを主催し、簡単な修理や、クリエイティブな古着の再利用方法など、服を長持ちさせる多くのヒントを教えています。
「修理して衣服の寿命を延ばすことは、新品を買うより経済的で、環境にもやさしいです。そして、自分で修理した服は、『最高の一着』になります。」とJennieさんは語ります。
最近、スウェーデンでは、日本の伝統文化を取り入れた修理やリメイクが注目されているそうです。Jennieさんも、刺し子や藍染など、日本の伝統的な服の修理を学ぶために来日しました。刺し子の繊細で美しいデザインは、スウェーデンでも多くの支持を受けているそうです。
Jennieさんの活動は、環境への配慮とファッションを楽しむことは両立できることを示していました。服を交換することで新しいスタイルを楽しむことや、服を修理することで愛着を持つことが、無駄な消費や、ごみも減らすことにつなががっていました。
持続可能なファッションは、個人の選択と行動から始まります。私たちが衣服に対する新しい意識を持ち、一着を長く大切にすることが、より持続可能なファッションを実現するための大きなステップとなるでしょう。
【参照サイト】Jennie Dahlén
【インスタグラム】Jennie Dahlén
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