ライフハガーの連載でもおなじみの、服部雄一郎さん・麻子さんが今年7月に出した共著『サステイナブルに家を建てる 』は、2人の「住む」ということにかける想い、考え方が詰まった一冊です。実は読む前は「自分は家を建てる予定がないので少し遠い内容かな?」と思っていたのですが、読み始めたら、その不安はすっかり消え去りました。家を建てるだけでなく、サステナブルに住むこともテーマだったからです。今回は特に素敵だと感じたポイントを4つ、ご紹介します!
「サステナブルな家とは?」という問いの答えを一緒に考えられる
この本は「サステイナブルに家を建てる」という3年にわたる冒険を、伴走しているような感覚で読める一冊です。特に印象的だったのは、設計士さん、大工さんとのやりとりが、建てる過程を綴ったエッセイと対談を通して、詳しく書かれている部分。実は、服部さんの家には「サステナブルな家」と聞いて多くの人がすぐに思い浮かぶであろう、薪ストーブがありません。というのは、設計士さんが「断熱をしっかりやれば、冬でもほとんど暖房がいらない家ができますよ」という提案をしたから。太陽光パネルもありません。その理由もしっかり書かれていて、大いに納得しました。(詳しくはぜひ本を読んでご確認を!)
読み進めていくうちに感じたのは「サステナブルな家とは?」という問いの答えは、たくさんある、ということ。私も、自分にとってベストな答えを考え続け、その時々の状況にあわせてベストだと思うやり方を実践したいと思いました。
写真が美しい!
『サステイナブルに家を建てる』のページデザインは、ほどよい空間があり、色味も落ち着いていて、読みながらじっくり考えるのにぴったりのデザインだと感じました。写真は、説明として分かりやすいだけでなく、高知県の自然の豊かさが伝わってくるような写真ばかり。写真集のような感覚で眺めるのも楽しいです。
暮らしの工夫のアイデアが豊富!
服部さんの家づくりはベースに「どんな風に暮らしたいか」という想いがあるので、すぐに家を建てる予定がない人も、家をすでに建てた人も真似ができそうな暮らしのアイデアが、たくさん載っていました。一部をご紹介します。賃貸の家に住んでいる我が家でも、できるアイデアを実践してみたいと思っています!
小屋の紹介が、とてもいい感じ!
「第5章:小屋という世界」は、1章分まるごと、庭に建てた小屋の紹介になっています。この小屋が、あえて電気や水道を通していない、木でできたシンプルで、とても素敵な雰囲気の小屋なんです。コストや工夫したポイントも載っていて「家を建てる予定はないけれど、将来はこんな秘密基地的な小屋を建ててみたい……」と、夢がふくらみました!
「サステナブルに住む」にピンときた人は、ぜひ手に取ってみて!
『サステイナブルに家を建てる』は「サステナブルに住むとはどういうことか?」ということをいろんな角度から考えたい人に、おすすめしたい一冊です。きっと、共感できるポイント、マネできることが見つかるはず。ぜひ読んでみてください!
おまけ:『みんなの地球を守るには?』もおすすめです
服部さんが翻訳を担当し、同時期に出版された『みんなの地球を守るには?』は、フランスの子どもたちに向けてかかれた、「何かやってみようかな」という気持ちになれる本です。フランスらしい感性のデザイン、イラストで、気軽に読み進められる点もポイント。中学生の娘は「最初に『いろんな立場の人に向けて書いています』と書かれているところと、実際のフランスの子どもたちの声がコメントとして随所に載っているところがいいね」と話していました。大人にも、子どもにもおすすめなので、こちらもぜひ手に取ってみてください。
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曽我 美穂
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