普段は捨てている野菜の切れ端。これらを活用する「リボベジ(再生野菜)」をご存じでしょうか。リボべジはリボーンベジタブル(reborn vegetable)の略で、野菜のヘタや根元部分を使って植物の再生能力を活かした栽培方法です。通常、野菜を栽培するときは、種や苗を購入する必要がありますが、リボベジは調理で残った野菜の根や葉、芯などの部分を使い、水や土で栽培し、再収穫する流れが一般的です。本来であれば、捨ててしまう部分を利用するので、とても経済的です。
「家庭菜園に興味はあるけれど、初心者なのでハードルが高い」「料理のときに出る野菜ごみがもったいない」と感じている人におすすめなのがリボベジです。料理に使った野菜の切れ端を捨てる前に、リボベジができるかどうかを一度考えてみませんか。今回はリボべジの魅力とリボべジにおすすめの野菜を5つ紹介します。
リボベジの魅力
リボベジは手軽に始めることができ、簡単に育てられる野菜もあるので、野菜を育てたことがないという方にもおすすめです。
生ごみが減る
リボベジでは捨てられることが多い野菜の切れ端を使って栽培するので野菜ごみが減り、ゼロウェイストにもつながります。
手軽に始められる
そもそも捨てるはずであった野菜の部位を使うので、失敗しても大丈夫です。軽い気持ちで挑戦してみてください。必要な道具としては、野菜の切れ端・器・水さえあればいつでも始めることができます。
水につけておくだけで成長する野菜もある
野菜を育てたことがない人も、比較的栽培が簡単な、水につけておくだけで収穫できる野菜からはじめられます。
初めてのリボベジにおすすめの野菜
ここからは水につけておくだけで収穫ができる、初心者がリボベジで育てやすい野菜を5つ紹介します。収穫は1~2回を目安とし、収穫後は加熱して調理してください。また、水耕栽培からはじめて、ある程度根が出てから土へ植え替えるとさらに大きく育ち、たくさん収穫できますので、ぜひ挑戦してみてください。
ミツバ
ミツバの根元を少し長めに残して切り離し(4cmほど)、根の部分を栽培します。スポンジがついている場合、取り除く必要はありません。水は根が浸る程度につけます。水を替える時に、スポンジ部分は流水で優しくすすぎ、軽く絞ってください。1週間ほどで成長し、短期間で収穫ができます。
ニンジン(葉)
ニンジンはヘタの部分を栽培しますが、食べることができる部分を少し多めに残すと成長しやすくなります(1~2cmほど)。緑色で盛り上がった形のヘタがリボベジとなり、栽培しやすいヘタです。10日ほどで葉が5~10cm程度に育ち、収穫します。
豆苗
豆苗の根元の小さく芽が出ている部分を残して切り離し(根元から5cmほど)、根の部分を栽培します。根全体が浸るくらい水を入れておけば、1週間ほどで再収穫できます。水で育てれば豆苗として、土で育てればエンドウマメとして収穫ができます。
ネギ
ネギは根を栽培しますが、食べることができる葉の部分を少し多めに残すと、成長しやすくなります(3~5cmほど)。根元が浸るくらいの水につけましょう。水が多いと腐りやすくなるので、根元までと少なめに入れるのがポイントです。数日で葉が伸び、十分に成長したら収穫することができます。
バジル
バジルは茎を育てますが、茎と葉の付け根にある脇芽を残して切ることがポイントです。茎が5cmほど、2節以上あると成長しやすいものです。水に浸かる部分の葉は、すべて取り除いてください。水につけて、根が出て新芽が成長し、ある程度成長すれば収穫することができます。
水耕栽培のリボベジに必要なもの
水で育てる場合は準備も簡単で、すぐに始めることができます。
- 野菜の切れ端
- 容器
- 購入先サイト:スパイス直営オンラインショップ
- 商品の詳細を見る:楽天 Amazon Yahoo
- 水
料理で不要になった野菜の根や葉、芯などの部分を使います。
リボベジ(再生栽培)専用のガラスベース「リボベジガラス」を使えば、水替えが楽になります。
また、おうちにあるもの(タッパー、空きビン、石けん置きなど)を工夫して使っても良いでしょう。
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野菜をつける水は、栽培用に残した野菜の大きさの1/3程度の量が目安です。多すぎず、少なすぎずがポイントです。
水耕栽培のリボベジの栽培のポイント
水で育てる場合は、次の2つのポイントに気をつけて栽培しましょう。
水の管理
1日1回水を替えます。放置すると水カビが発生する原因になります。夏は水温が上がりやすいので、場合によっては1日2回など、こまめに水を替えてください。
日当たり
日当たりの良い場所へ置きます。日当たりが良く風通しのある、窓辺などがおすすめです。毎日の水替えが必要なので、生活の中で目が行き届く場所や、キッチンで栽培できると便利です。
水耕栽培のリボベジがうまく育たないときは…
水だけで簡単に育つ野菜もありますが、なかなか思うように育たないこともあります。
水がにおう
水がにおいはじめたときには、腐りはじめているかもしれません。特に夏は、こまめな水替えが必要になります。10円玉やアルミホイルを容器に入れると、金属による殺菌効果を期待できます。容器にぬめりがある場合は、しっかりと洗い流しましょう。
野菜の育ちが悪い
日当たりが足りない、気温、病害虫など、いろいろな原因があります。栽培環境が整っているかどうかを再度確認してみてください。
- 日当たり…もっと日当たりが良い場所へ移動
- 気温…育てている野菜にとって適温かどうかを確認。真夏や真冬は特に注意
- 病害虫…野菜を注意深く見て傷みや虫食いがないかを確認
おわりに
野菜の切れ端から再生できる野菜の生命力は本当に力強く、感動します。手間をかけずに始められるので、お子さんのいるご家庭にもおすすめです。子どもと一緒に楽しく育てれば、家族で環境に対する意識も深まります。エコで楽しいリボベジ生活を始めてみましょう。
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中池 梓
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