海外で人気のライフスタイル「ゼロウェイスト」。日本でも少しずつ聞くようになってきて、「ごみを減らしたい」「捨てる以外の方法が知りたい」という声をよく耳にします。その一方、大量に出るプラスチックごみを前に、どこから手をつけたらいいのかわからないという声も少なくありません。
そこでLife Huggerでは、「サステイナブルに暮らしたい」の著者で、ゼロウェイスト生活を発信する服部雄一郎さん、服部麻子さんとのコラボレーション企画として「服部雄一郎・麻子さんに聞く暮らしのアイデア」の連載をスタート!
第7回目となる今回は、お気に入りのゼロウェイストな文房具を紹介してもらいました。
ゼロウェイストな万年筆の使い心地は?
雄一郎さん:今日は文房具のゼロウェイストについて考えてみたいと思います。まずはボールペンや万年筆、プリンター回りなど、大人のオフィス編。後編では、消しゴム、下敷き、糊をはじめとする子ども回りの文房具について見ていきたいと思います。
麻子さん:まずは大人の筆記用具。いちばん避けたいなと思うのは、やっぱり使い捨てのボールペンですよね。
雄一郎さん:欧米のゼロウェイスター(=ゼロウェイストに取り組む人)のおすすめを調べてみると、みんな口をそろえて「万年筆ならゼロウェイストだ」と言っています。だから、わが家も人生で初めて、手頃なラミーの万年筆を買ってみました。しかも、カートリッジ式でなく、詰め替え用のボトルインクからインクを詰め替えるいちばんゼロウェイストなタイプ。
麻子さん:デザインもすっきりきれいで、字も雰囲気ある感じに書けて、とてもいい。水溶性のインクなので、水にぬれるとにじむ点は注意が必要だけど(たとえば封筒の宛名など)、書き心地がいいし、使うこと自体がうれしい気分だったのも発見でした。これからも使い続けたいと思っています。
雄一郎さん:僕は残念ながらギブアップ…。気に入ってはいたし、これを使いこなせる自分になりたいと思ったけれど、飛行機に持ち込むと気圧の関係でインクが漏れる可能性があるとか、宅配便の複写式伝票などにはペン先が傷むのが心配で使えないとか、ボールペンほど気軽に使えるわけではないところが、自分のライフスタイルにバッチリとはなじまなかった。しばらく使っていない間にインクが乾いて固まってしまったり、何年か迷走を繰り返して、ついに「やっぱりボールペンにしよう!」と決心して、芯を詰め替えるタイプのボールペンに乗り換えました。
文房具は、それぞれのライフスタイルに合ったものを
買ったのは、フランスの文房具ブランド「ロディア」のボールペン「スクリプト」。地元の文房具店で何十本もある詰め替え型ボールペンの中から、いちばんデザインが気に入ったもの(せっかくだからプラスチックぽくないもの!)を選びました。以来、ボールペンを今までとは段違いに大切な気持ちで使えている自分をうれしく思っています。しかも、もう1年半くらい使っているのに、まだ一度も芯を交換せずに済んでいる。このくらいごみが少なければ上々。末永く大切に使っていきたいです。
麻子さん:それぞれのライフスタイルに合ったものを選ぶのはすごく大切なこと。無理はできないし、そもそもする必要もないですしね。逆に、無理なく使えるものはすぐに暮らしになじむ。
雄一郎さん:背伸びはできないし、しなくていいなと。すっかり味をしめて、子どもたちにもそれぞれ大切に使ってもらえる詰め替え型のボールペンを買い与えてしまいました。
麻子さん:それまでは、子どもたちがいつもボールペンを使ってしまって、「もったいないから使わないで! 鉛筆にして!」みたいなトゲトゲしたやり取りが繰り返されていた。でも、本人たちに気に入ったものを選んでもらって、自由に使わせてあげられるようになったら、大人も子どももストレスフリーに。「無理ないバランス」はやっぱり大切。
プリンターまわりのごみを減らす方法は?
雄一郎さん:その他、わが家が減らしたかったのは、プリンターのインクカートリッジのごみ。しょっちゅうごみになって、値段も高いし。故障を機に、エコタンク搭載モデルというカートリッジ式でないタイプのプリンターに買い替えたことで、インクカートリッジのごみのストレスから完全に解放されました。インク代も遥かに経済的で大満足。もっとこのタイプのプリンターが主流になるといいのになと思います。
麻子さん:印刷用紙は古紙70%以上のものを地域の文房具屋さんで購入しています。真っ白でないのも雰囲気があって好き。
雄一郎さん:探せばもっといい紙が見つかるかもしれないけれど、地元のお店で無理なく買えて、ローカルビジネスを多少なりとも応援できるという意味でも、いいバランスだなと感じています。
後編では子どもの文房具について紹介します。
【⬇︎後編はこちらから】
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服部雄一郎 服部麻子
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